王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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感謝の番外編

共依存兄弟とsideノヴァ

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やらかした。


2日前、研究が忙しくなり今日も家に帰れないと5日続けての知らせをルナイスに送った。

ルナイスからは『僕のことはしなくていいから体だけ気をつけてね』という言葉をもらい、俺が早く会いたすぎて事を急ぎすぎた結果…



【僕と会う時間はないのに、美人なお姉さんのお尻を追いかける暇があるようですね。】


やっと家に帰れたと思ったらそんな書き置きがされており、家の何処にもルナイスの姿はなかった。

慌ててアーバスノイヤー家にルナイスが居るかと確認を取り、居ると言われたので急いで身なりを整え転移する。




魔界との交流が盛んとなってから、魔導具や魔術が目まぐるしい速さで発展していき、研究所は予想以上に多忙となった。

ルナイスは彼が思っている以上に寂しがり屋で独占欲の強い人間だから、あまり長く1人にはしたくなかったのに…更にあの現場を見られていただなんて最悪すぎる。



ルナイスが浮気を疑っている訳じゃないことは分かっている。

ただ、自分の相手をせずに街で女を追いかけまわしていたことが許せなかったのだけ。
可愛いヤキモチなのだが…ルナイスがふてたり、怒ったりした時は少々やっかいだ。




何故なら…













「ルナイスに会わせるとでも?」

「会わせてもらわないと困ります」


そんなルナイスを見て怒る兄が出てくるからだ。

夫人がまぁまぁと宥めても、アドルファス様はルナイスの件に関しては夫人の言葉も一切聞かない。



最近思うのだが、アドルファス様はどさくさに紛れてルナイスをアーバスノイヤーの家に戻そうと企んでいる気がする。



「露出の多い婦人を追いかけまわしていたそうだな」

「それには仕事に関わる理由があります。その理由をルナイスに」

「何故そんな場面をルナイスに見せた」


俺の言葉を遮って静かに問い詰めてくるアドルファス様の言葉にそれは…と声を詰まらせてしまう。


疚しいことなどない。

しかし、答えるには少しばかり恥ずかしい。
しかもアドルファス様に。




「ルナイスに会えなさすぎて…早く終わらせたかったのです」


「…そうか」



ぐっと手に力を入れて、恥を捨てて答えればアドルファス様はうんうんと満足そうに頷いた。


おおかた、そうなるのは当然だと思っているのだろう。





「では、ルナイスに会う前に1戦交えよう」

「…はい」


これはボコボコにされるなと覚悟を決めて服を動きやすい物に変え、訓練場に移動する。

アドルファス様との戦いは身体強化以外の魔法禁止だ。
アドルファス様はハンデとして右手以外で剣に触れてはいけない。



しかしこの勝負、毎回俺がボコボコにされる。
だからルナイスには見て欲しくない。

この俺の気持ちは流石にアドルファス様も分かってくれてて、ルナイスの目がないの時にしか話を持ちかけてはこない。


つまり、ルナイスは今アーバスノイヤー家には居ないという事だ。





キィン

「…ルナイスは明日に帰ってくる。ノヴァは今日は寝ていなさい」

剣を弾き飛ばされて、アドルファス様からそう言われてしまった。

ここで反発してもアドルファス様は絶対にルナイスの居場所を口にはしないし、使用人も絶対に情報を漏らしてはくれない。




諦めて指示通りその日はアーバスノイヤー家の一室、俺の部屋(代替わりしても残してくれている)で1日寝て過ごした。

もうしばらく十分な睡眠をとっていなかったので、気づけばベッドの上で寝ていて朝を迎えていた。


朝食をしっかりと用意してもらい、何の説明もないまま馬車に揺られてしばらく…着いたのはヒル家だった。




辿り着いた場所に思わずため息がこぼれる。
ここにはアドルファス様に負けず劣らずのルナイスの騎士がいる。


「よぉ、魔法使い様。まさかお前が女の尻を追いかける趣味があるなんてなぁ」

迎えてくれたのはヒュー様。

ニヤニヤと笑ってからかわれていると分かるが、彼の目は半分笑っていないことにも気がついている。


そんなヒュー様の少し後ろからはチル様が無の顔でこっちをじっと見ている。
どちらかというとチル様の方がこういう時は怖い。

ルナイスに崇拝に近い感情を抱いているから、ルナイスを傷つける者は許せない気持ちが人一倍強いのだ。




どうこの2人を乗り越えようかと頭を働かせていると不意に親しみなれた存在を近くに感じた。

「あれ?ノヴァだ」

「ルナイス…迎えに来た」


視界に捕えたのは会いたかったルナイス。

ルナイスは機嫌が良いようで、予想と違って笑顔で近づいてきて俺の体にぎゅっと抱きついてきた。



「ノヴァー」

ぐりぐりと頭をめりこませてくるルナイスの頭を撫でてやりながら、鋭い視線をこちらに向けてくるヒュー様に目をやった。、



「ルナイスを1番に出来ないなら研究所なんて辞めちまえ」

「そうですね」

ヒュー様の言葉に深く頷く。

ルナイスは恐らくお酒に酔っていて、気分が良いのだろう。
お酒に弱くは無いルナイスがこんな状態になるってことは、メンタル的に今回のことが大分きてたってことだ。



こんな状態にさせてしまうのならば、ヒュー様の言う通り研究なんてしなくていい。


「ノヴァ、娼婦の髪の毛と血液が必要な研究は止めといた方がいいと思う」


「…そうだな」



ルナイスの言う通りだ。

研究所の皆が睡眠不足で妙なハイテンションになっていて、変な方向に進んでしまっていたことに昨夜気がついた。






帰り道、何故かヒュー様が同行しアーバスノイヤー家に。

俺とルナイスの家に帰る前に、アドルファス様とヒュー様からの説教と訓練ななされ、もう二度と研究をやり過ぎないと心に誓った。






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