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第2章
忙しそうな人達観察は前世からの趣味
しおりを挟むノヴァの誕生日から二週間後、今日は風船についてプロ達を招いて会議をする日。
行動がお早い。
家には朝からぞろぞろと色んな人がやってきていて、使用人達も忙しそう。
ばぁやも今日はお客様への対応で忙しくて朝からあっちへこっちへ歩き回っている。
ばぁやの朝のおはようがないのは何だか違和感。
小さい頃から傍に居てくれたばぁやに着替えを手伝われるのは慣れているからいいのだけど、他の使用人に着替えを手伝われるのは嫌なので、今日は一人で着替えた。
最後にヨハネスにちょっと整えられたけど…。
廊下に置かれている椅子に座って応接室に吸い込まれていく人達、厨房へ早足で吸い込まれていく使用人達、外に慌てた必死の形相でしゅばばばーって超早足でかけていく使用人数名を観察する公爵家の次男。
使用人達は僕に軽く会釈するとさっさと自分のお仕事をこなしていくけれど、初めましてのお客様や久しぶりのプロ達は椅子に座っている僕を二度見して戸惑っているご様子で、僕の前でステップを踏み挨拶をして、またステップを踏んでそそそそーっと使用人について応接室へと入っていく。
「ルナイス、何をしている。」
ぼぉっと応接室の扉を見ていると、聞きなれた声が聞こえ、振り向くとノヴァが不思議そうな顔をして立っていた。
「ノヴァ!おはようございます。」
「あぁ、おはよう。それで?」
「忙しそうな人達観察です。」
主催者のにぃ様はあちらへこちらへ指示を出すのに忙しいし、とーさまはお仕事があるので合流するのが少し遅れるってことで屋敷に居ない。
ばぁやもメルナも忙しそうで、ヨハネスは僕の傍に居てくれるけどちょいちょい借りられていく。
たぶんヨハネスが離れていく時があるってことは、近くにコルダが居るのだろうけど例のごとく姿を現すことは無い。
本当は呼ばれるまで自室に居た方がいいことは分かっているのだけど、最近は働いている人達を観察するのにはまっているんだ。
こういったことするとこうなるってことが分かるから。
ふと思い出したけど、これは前世の僕も一時期ハマっていた。
人の振り見て我が振り直せってやつ。
「そうか。だが、そろそろ会議が始まる。準備をしておいで。」
ノヴァに懐中時計を見せられながら言われて慌てて立ち上がる。
思ったよりも観察してた。
きょろきょろと辺りを見渡していると借りられていたヨハネスが急ぎ気味に僕の方へ向かってきているのが見えた。
「ルナイス様、遅くなりました。1度お部屋に戻って準備を致しましょう。」
ヨハネスはノヴァに一礼してから、僕にそう言った。
ノヴァと一旦ばいばいして自室に戻り、服を整え、会議に必要なことを書き出した紙を持つ。
すぐに使用人がやって来て、会議始まりますよーって事で、ヨハネスを引き連れ先程まで座っていた椅子のある廊下を通り会議室にたどり着いた。
使用人がノックをしてから僕、入場。
既にとーさま以外の皆が集まっていて、慌てて指定された席に腰掛ける。
「父、ルグノス・アーバスノイヤーが後ほど合流致します。我々で先に会議を進めていこうと思いますのでよろしくお願い致します。」
僕が座ったのを見届けてにぃ様が挨拶をして会議が始まった。
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