王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第3章

名前の呼び方にも配慮が必要

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ベルちゃんはバグさんに首根っこ掴まれて魔界へ帰って行った。


空間が裂けて、潜る前にバグさんがこれも一種の空間魔法だと教えてくれたのだけど…見ただけでは習得できそうもありません。




「話を戻しましょうか。おのドラゴンを安全に過ごさせたいならベルが言った通り別空間を造る、というのが最適であると私も思います。そして、バグが言ったように安全な亜空間を造るのならばルナイス殿よりノヴァ・ウォードの方が向いていると助言しましょう。出来ますよね?」


残ったマルコシアスさんはにこにこと笑っているのだけど、やっぱり圧強め。


特にノヴァが半魔だからなのか僕よりもノヴァへの当たりが強いのは気のせいではないと思う。







「確かにできます。助言には感謝しますが…貴様の望みは何だ。」


最初は穏やかに返答していたノヴァだけど、言葉の最後には声に圧が籠って僕の体を自分の方へ寄せ防御態勢。


ヨハネスとコルダは様子見をしているようだけど、いつでも動ける体制でいることは分かる。






「ふん。半魔風情が私に牙を向くとは…勝機など欠片もないというのに愚かな。まぁ、今回は亜空間造りを手助ける代わりにルナイス殿の秘密をひとつ、教えて頂きたいだけですよ。どうですか?」




「じゃあ、それで。」




「ルナイス!もっと慎重に。相手は悪魔だ。」





マルコシアスさんの提案に頷くと、ノヴァに叱られた。



確かに悪魔は他者を惑わせるプロだ。
注意するべき対象になるけれど…今回マルコシアスさんには恩があるし、空間魔法はぜひとも教えて貰いたいのだ。

マルコシアスさんが僕の秘密を知りたいのはたぶん…







「歪な魂の理由を知りたいんですよね?」


「ご名答。悪魔われわれにとってあなたの仄暗い感情は美食。最近はあまり堕ちることがないようで…正直なところ残念に思っています。」



やっぱり。

正直に話してくれるマルコシアスさんにノヴァ達は顔を顰めるけど、僕は何だか面白くて笑ってしまった。




「あぁ、でも僕の大切な人達に何かしたら許しませんよ?」


「ふふ、肝に銘じておきましょう。」




念の為、僕を堕とそうと周りに手を出さないように告げれば余裕の笑顔が返ってくる。

僕が脅したところで彼にとっては子猫に甘噛みされた程度だろうけど、とりあえずは今現在は僕や僕の周りに危害を加えるつもりは微塵もなさそうで一安心。












先にマルコシアスさんが僕達に空間魔法について教えてくれることになったので、お家の競技場へとやって来た。

訓練をしている騎士さん達が居たけれど、端の方にお邪魔させてもらって…まずはノヴァが空間魔法を展開する。




展開はできたのだけど、裂けめがとても小さい。

試しに中に放り投げた石を出して見ようと手を突っ込んだが、中々見つからず…






「ドラゴンが過ごすには小さすぎますし、空間も安定していないですね。」


「…想像力の問題ですか?」



夢魔法と同じで想像力をしっかりと強めればいいのかなっと思って質問してみたが、マルコシアスさんは首を横に振った。




「バグのように夢世界と繋げる空間魔法と今その半魔が展開した空間魔法はまた少し別のものなのです。空間魔法のコツは安定した魔力操作を魔法の隅々まで維持すること。それ以外にはありません。」


マルコシアスさんの返答に僕もノヴァもなるほどっと頷く。

しかし、魔法の隅から隅まで魔力を安定させて操作する…何てとっても難しいことだ。
魔力量もいるし、集中力も必要。


確かに安定した魔力操作は僕じゃ向いてない。



魔力量はノヴァは豊富だし問題なし。

課題は集中力と繊細な魔力操作。





「んー…ところでマルコシアスさん。半魔って言いづらくないですか?彼はノヴァって言います。」


「えぇ、分かっていますよ。只、ノヴァ・ウォード…これは君の真名ですか?」



「…俺はその名以外を名乗るつもりはない。」




「なるほど…ではこれからはノヴァと呼ぶことにいたしましょう。」





ノヴァのことを半魔って呼ばれるのが何だか気になって、マルコシアスさんに遠回しにノヴァと呼ぶように要求したのだけど…今の2人のやり取りを聞いたら余計なことを言ったのだと分かる。

半魔であっても、真名っていうのがあることを知らなかったし、そういった呼び名への配慮っていうのを考えていなかった。



ノヴァの真名…すごく気になるけど、ノヴァは誰にも教えるつもりはないようだし、聞かない方がいいだろうな。





「マルコシアスさんは…真名が別にあるのですか?」


「えぇ。っといいましても、マルコシアスが完全な偽りの名というわけでもないのですよ。只、悪魔にとって名は大切なもの。気に食わない者には絶対に呼ばせないので気にしなくても大丈夫ですよ。」



呼び方大丈夫だったかなっと確認をすれば、マルコシアスさんはニコっと微笑み気にしなくていいと頭を撫でてくれた。

本当に悪魔らしからぬ神々しさである。




悪魔の名について学んだところで、お話時間は終了。












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