222 / 425
第4章
火花バチバチ
しおりを挟む
ハビット辺境伯もルゲイエさんから手を離そうとするのだけど、ルゲイエさんはぐっと握って離さない。
「ちょっはな!力強いな!!」
可憐な少女には似合わない力の強さにハビット辺境伯がツッコむけどルゲイエさんは泣きそうな顔のまま絶対離しませんって感じでうるうる攻撃を続けている。
「は…話が終わるまで離すなぁってオーレがぁ。」
「当たり前です。何のためにわざわざ此処に来たと?こっちに来るのも結構な力が必要なのですよ?」
だって~っと泣き出すルゲイエさんにオーレさんがぴしゃりと言い放つ。
「あー、では…ハビット辺境伯様。これで妖精の存在は認めてくださいますか?」
若干カオスな空間となりつつある中、半泣きになっているハビット辺境伯が少し不憫に思えてできるだけ早く解放してあげようと話を本来の道に進める僕。
「そ…存在は、認めるわ…しかし!この地を発展させてきたのが妖精だという言い分は受け付けないわ!!」
「妖精だけが発展させてきたと言っているわけじゃないですよ。あまりにも西の人族達が他種族の存在を認めず、妖精達の力でさえもさも自分達の力であるように声高らかに言うので注意をしに来たのです。今日まで妖精族が怒らずにいてくれたことを貴方達は感謝するべきですよ。」
妖精族を怒らしたらその地が枯れるし、魔法を使うことも難しくなる。
こういうのって、結構魔術書とか魔法に関する教科書に書かれてあるのだけど…ハビット辺境伯は勉強をする暇がなかったのか、それとも勉強が嫌いでしてこなかったのか…。
ハビット辺境伯だけじゃない。
他種族に対してここまで排他的なのは西の人族全体の知識不足も原因のような気もする。
「では妖精達が西の地を豊かにしたという証拠はあるのかしら?」
「はぁ…では貴方達が西の地を豊かにしたという証拠も提示してください。相手に要求できるのなら自分達ももちろん示せるのですよね?」
この地を守ってきたというプライドがあるのは分かる。
事実、この地が今まで他国から侵略を受けて来なかったのは辺境伯の尽力あってこそだ。
しかしそれはそれ、これはこれ、なのだ。
今までは見えなかったのだから仕方ないにしても、今妖精達の姿を認識したのだから共存という道を考えてもらわなくては困る。
アーナンダ国は多種多様な種族が暮らす国ではあるが、完全に他種族への差別がないとは言えない。
それに未だ他種族への差別と迫害が酷い国に共存する道を示さなければならない。
「もちろん証拠ならあるわ。明日の夕刻にお互い証拠を提示する。それができなかった場合貴方達も妖精族も此処から出て行ってちょうだい。」
「分かりました。」
僕とハビット辺境伯の間にバチバチと火花が散る。
僕はさっさとこの問題を解決して観光したいんだ。今に見てろ。
と、いうわけで。
ハビット辺境伯から部屋を貸してやってもいいと言われたが、敵地で安眠何てできるわけないし、僕を狙った暗殺者が来ないとも限らないので僕達はハビット辺境伯から許可をもらい街の外の森の近くに簡易的な家を建てさせてもらった。
建てた、と言っても大変な作業はいらなくてノヴァの魔法でちゃちゃちゃーと作った簡易的なお家だ。
ノヴァの結界が張られているので僕達の屋敷と同じくらいの安心建築。
そこで僕達は作戦会議を始めた。
「ルナイス、証拠はどうするつもりだ。」
始めにノヴァが渋い顔をして僕に問うてくる。
「そんなの簡単だよ。妖精達が植物や土地に手を加えなければいい。」
「明日の夕刻まで手を出さないだけで証拠になるのですか?」
「あんまり変化ないんじゃ~?」
僕の回答にオーレさんとルゲイエさんも渋い顔。
「もちろんそれだけじゃないよ。妖精達には一時的にこのハビット辺境伯領から消えてもらいます。妖精がまったくいない土地がどうなるのか…見てもらった方が早いと思うんだ。」
「なるほど。しかしそれだと領民達も不安にさせ混乱を招くぞ。」
「それでいいんだよ。ハビット辺境伯だけじゃない。領民達にもきちんと理解してもらわないと。」
一時的でも妖精が土地からまったくいなくなれば魔素は薄れ、植物は萎れる。
人間っていうのは自分の身に危険を感じないとなかなか学習しない生き物だと僕は思うので、この策でいきます。
「ルナイスもなかなかよなぁ。」
「ホルス様はどうお考えで?」
「ふはは!良いと思うぞ。時には劇薬も必要であろう。」
ぼそぼそとノヴァとホルス様が喋っているのが気になるけど、楽しそうだから邪魔しないでおこう。
さて、
「オーレさん、ルゲイエさん。そういうわけで妖精さんたちはどう言ってますか?」
出しゃばっている僕ですが、元々は西の人族と妖精族の問題だ。
当人の意見を無視して物事を強引に進めては元も子もない。
「ちょっはな!力強いな!!」
可憐な少女には似合わない力の強さにハビット辺境伯がツッコむけどルゲイエさんは泣きそうな顔のまま絶対離しませんって感じでうるうる攻撃を続けている。
「は…話が終わるまで離すなぁってオーレがぁ。」
「当たり前です。何のためにわざわざ此処に来たと?こっちに来るのも結構な力が必要なのですよ?」
だって~っと泣き出すルゲイエさんにオーレさんがぴしゃりと言い放つ。
「あー、では…ハビット辺境伯様。これで妖精の存在は認めてくださいますか?」
若干カオスな空間となりつつある中、半泣きになっているハビット辺境伯が少し不憫に思えてできるだけ早く解放してあげようと話を本来の道に進める僕。
「そ…存在は、認めるわ…しかし!この地を発展させてきたのが妖精だという言い分は受け付けないわ!!」
「妖精だけが発展させてきたと言っているわけじゃないですよ。あまりにも西の人族達が他種族の存在を認めず、妖精達の力でさえもさも自分達の力であるように声高らかに言うので注意をしに来たのです。今日まで妖精族が怒らずにいてくれたことを貴方達は感謝するべきですよ。」
妖精族を怒らしたらその地が枯れるし、魔法を使うことも難しくなる。
こういうのって、結構魔術書とか魔法に関する教科書に書かれてあるのだけど…ハビット辺境伯は勉強をする暇がなかったのか、それとも勉強が嫌いでしてこなかったのか…。
ハビット辺境伯だけじゃない。
他種族に対してここまで排他的なのは西の人族全体の知識不足も原因のような気もする。
「では妖精達が西の地を豊かにしたという証拠はあるのかしら?」
「はぁ…では貴方達が西の地を豊かにしたという証拠も提示してください。相手に要求できるのなら自分達ももちろん示せるのですよね?」
この地を守ってきたというプライドがあるのは分かる。
事実、この地が今まで他国から侵略を受けて来なかったのは辺境伯の尽力あってこそだ。
しかしそれはそれ、これはこれ、なのだ。
今までは見えなかったのだから仕方ないにしても、今妖精達の姿を認識したのだから共存という道を考えてもらわなくては困る。
アーナンダ国は多種多様な種族が暮らす国ではあるが、完全に他種族への差別がないとは言えない。
それに未だ他種族への差別と迫害が酷い国に共存する道を示さなければならない。
「もちろん証拠ならあるわ。明日の夕刻にお互い証拠を提示する。それができなかった場合貴方達も妖精族も此処から出て行ってちょうだい。」
「分かりました。」
僕とハビット辺境伯の間にバチバチと火花が散る。
僕はさっさとこの問題を解決して観光したいんだ。今に見てろ。
と、いうわけで。
ハビット辺境伯から部屋を貸してやってもいいと言われたが、敵地で安眠何てできるわけないし、僕を狙った暗殺者が来ないとも限らないので僕達はハビット辺境伯から許可をもらい街の外の森の近くに簡易的な家を建てさせてもらった。
建てた、と言っても大変な作業はいらなくてノヴァの魔法でちゃちゃちゃーと作った簡易的なお家だ。
ノヴァの結界が張られているので僕達の屋敷と同じくらいの安心建築。
そこで僕達は作戦会議を始めた。
「ルナイス、証拠はどうするつもりだ。」
始めにノヴァが渋い顔をして僕に問うてくる。
「そんなの簡単だよ。妖精達が植物や土地に手を加えなければいい。」
「明日の夕刻まで手を出さないだけで証拠になるのですか?」
「あんまり変化ないんじゃ~?」
僕の回答にオーレさんとルゲイエさんも渋い顔。
「もちろんそれだけじゃないよ。妖精達には一時的にこのハビット辺境伯領から消えてもらいます。妖精がまったくいない土地がどうなるのか…見てもらった方が早いと思うんだ。」
「なるほど。しかしそれだと領民達も不安にさせ混乱を招くぞ。」
「それでいいんだよ。ハビット辺境伯だけじゃない。領民達にもきちんと理解してもらわないと。」
一時的でも妖精が土地からまったくいなくなれば魔素は薄れ、植物は萎れる。
人間っていうのは自分の身に危険を感じないとなかなか学習しない生き物だと僕は思うので、この策でいきます。
「ルナイスもなかなかよなぁ。」
「ホルス様はどうお考えで?」
「ふはは!良いと思うぞ。時には劇薬も必要であろう。」
ぼそぼそとノヴァとホルス様が喋っているのが気になるけど、楽しそうだから邪魔しないでおこう。
さて、
「オーレさん、ルゲイエさん。そういうわけで妖精さんたちはどう言ってますか?」
出しゃばっている僕ですが、元々は西の人族と妖精族の問題だ。
当人の意見を無視して物事を強引に進めては元も子もない。
1,071
あなたにおすすめの小説
竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
四葉美名
恋愛
「危険です! 突然現れたそんな女など処刑して下さい!」
ある日突然、そんな怒号が飛び交う異世界に迷い込んでしまった橘莉子(たちばなりこ)。
竜王が統べるその世界では「迷い人」という、国に恩恵を与える異世界人がいたというが、莉子には全くそんな能力はなく平凡そのもの。
そのうえ莉子が現れたのは、竜王が初めて開いた「婚約者候補」を集めた夜会。しかも口に怪我をした治療として竜王にキスをされてしまい、一気に莉子は竜人女性の目の敵にされてしまう。
それでもひっそりと真面目に生きていこうと気を取り直すが、今度は竜王の子供を産む「運命の花嫁」に選ばれていた。
その「運命の花嫁」とはお腹に「竜王の子供の魂が宿る」というもので、なんと朝起きたらお腹から勝手に子供が話しかけてきた!
『ママ! 早く僕を産んでよ!』
「私に竜王様のお妃様は無理だよ!」
お腹に入ってしまった子供の魂は私をせっつくけど、「運命の花嫁」だとバレないように必死に隠さなきゃ命がない!
それでも少しずつ「お腹にいる未来の息子」にほだされ、竜王とも心を通わせていくのだが、次々と嫌がらせや命の危険が襲ってきて――!
これはちょっと不遇な育ちの平凡ヒロインが、知らなかった能力を開花させ竜王様に溺愛されるお話。
設定はゆるゆるです。他サイトでも重複投稿しています。
王子のこと大好きでした。僕が居なくてもこの国の平和、守ってくださいますよね?
人生2929回血迷った人
BL
Ωにしか見えない一途なαが婚約破棄され失恋する話。聖女となり、国を豊かにする為に一人苦しみと戦ってきた彼は性格の悪さを理由に婚約破棄を言い渡される。しかしそれは歴代最年少で聖女になった弊害で仕方のないことだった。
・五話完結予定です。
※オメガバースでαが受けっぽいです。
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
分厚いメガネ令息の非日常
餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」
「シノ様……素敵!」
おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!!
その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。
「ジュリーが一番素敵だよ」
「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」
「……うん。ジュリーの方が…素敵」
ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい
「先輩、私もおかしいと思います」
「だよな!」
これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話
【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。
夏灯みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。
妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
王太子殿下のやりなおし
3333(トリささみ)
BL
ざまぁモノでよくある『婚約破棄をして落ちぶれる王太子』が断罪前に改心し、第三の道を歩むお話です。
とある時代のとある異世界。
そこに王太子と、その婚約者の公爵令嬢と、男爵令嬢がいた。
公爵令嬢は周囲から尊敬され愛される素晴らしい女性だが、王太子はたいそう愚かな男だった。
王太子は学園で男爵令嬢と知り合い、ふたりはどんどん関係を深めていき、やがては愛し合う仲になった。
そんなあるとき、男爵令嬢が自身が受けている公爵令嬢のイジメを、王太子に打ち明けた。
王太子は驚いて激怒し、学園の卒業パーティーで公爵令嬢を断罪し婚約破棄することを、男爵令嬢に約束する。
王太子は喜び、舞い上がっていた。
これで公爵令嬢との縁を断ち切って、彼女と結ばれる!
僕はやっと幸せを手に入れられるんだ!
「いいやその幸せ、間違いなく破綻するぞ。」
あの男が現れるまでは。
誰よりも愛してるあなたのために
R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。
ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。
前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。
だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。
「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」
それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!
すれ違いBLです。
初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。
(誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる