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第4章
火花バチバチ
ハビット辺境伯もルゲイエさんから手を離そうとするのだけど、ルゲイエさんはぐっと握って離さない。
「ちょっはな!力強いな!!」
可憐な少女には似合わない力の強さにハビット辺境伯がツッコむけどルゲイエさんは泣きそうな顔のまま絶対離しませんって感じでうるうる攻撃を続けている。
「は…話が終わるまで離すなぁってオーレがぁ。」
「当たり前です。何のためにわざわざ此処に来たと?こっちに来るのも結構な力が必要なのですよ?」
だって~っと泣き出すルゲイエさんにオーレさんがぴしゃりと言い放つ。
「あー、では…ハビット辺境伯様。これで妖精の存在は認めてくださいますか?」
若干カオスな空間となりつつある中、半泣きになっているハビット辺境伯が少し不憫に思えてできるだけ早く解放してあげようと話を本来の道に進める僕。
「そ…存在は、認めるわ…しかし!この地を発展させてきたのが妖精だという言い分は受け付けないわ!!」
「妖精だけが発展させてきたと言っているわけじゃないですよ。あまりにも西の人族達が他種族の存在を認めず、妖精達の力でさえもさも自分達の力であるように声高らかに言うので注意をしに来たのです。今日まで妖精族が怒らずにいてくれたことを貴方達は感謝するべきですよ。」
妖精族を怒らしたらその地が枯れるし、魔法を使うことも難しくなる。
こういうのって、結構魔術書とか魔法に関する教科書に書かれてあるのだけど…ハビット辺境伯は勉強をする暇がなかったのか、それとも勉強が嫌いでしてこなかったのか…。
ハビット辺境伯だけじゃない。
他種族に対してここまで排他的なのは西の人族全体の知識不足も原因のような気もする。
「では妖精達が西の地を豊かにしたという証拠はあるのかしら?」
「はぁ…では貴方達が西の地を豊かにしたという証拠も提示してください。相手に要求できるのなら自分達ももちろん示せるのですよね?」
この地を守ってきたというプライドがあるのは分かる。
事実、この地が今まで他国から侵略を受けて来なかったのは辺境伯の尽力あってこそだ。
しかしそれはそれ、これはこれ、なのだ。
今までは見えなかったのだから仕方ないにしても、今妖精達の姿を認識したのだから共存という道を考えてもらわなくては困る。
アーナンダ国は多種多様な種族が暮らす国ではあるが、完全に他種族への差別がないとは言えない。
それに未だ他種族への差別と迫害が酷い国に共存する道を示さなければならない。
「もちろん証拠ならあるわ。明日の夕刻にお互い証拠を提示する。それができなかった場合貴方達も妖精族も此処から出て行ってちょうだい。」
「分かりました。」
僕とハビット辺境伯の間にバチバチと火花が散る。
僕はさっさとこの問題を解決して観光したいんだ。今に見てろ。
と、いうわけで。
ハビット辺境伯から部屋を貸してやってもいいと言われたが、敵地で安眠何てできるわけないし、僕を狙った暗殺者が来ないとも限らないので僕達はハビット辺境伯から許可をもらい街の外の森の近くに簡易的な家を建てさせてもらった。
建てた、と言っても大変な作業はいらなくてノヴァの魔法でちゃちゃちゃーと作った簡易的なお家だ。
ノヴァの結界が張られているので僕達の屋敷と同じくらいの安心建築。
そこで僕達は作戦会議を始めた。
「ルナイス、証拠はどうするつもりだ。」
始めにノヴァが渋い顔をして僕に問うてくる。
「そんなの簡単だよ。妖精達が植物や土地に手を加えなければいい。」
「明日の夕刻まで手を出さないだけで証拠になるのですか?」
「あんまり変化ないんじゃ~?」
僕の回答にオーレさんとルゲイエさんも渋い顔。
「もちろんそれだけじゃないよ。妖精達には一時的にこのハビット辺境伯領から消えてもらいます。妖精がまったくいない土地がどうなるのか…見てもらった方が早いと思うんだ。」
「なるほど。しかしそれだと領民達も不安にさせ混乱を招くぞ。」
「それでいいんだよ。ハビット辺境伯だけじゃない。領民達にもきちんと理解してもらわないと。」
一時的でも妖精が土地からまったくいなくなれば魔素は薄れ、植物は萎れる。
人間っていうのは自分の身に危険を感じないとなかなか学習しない生き物だと僕は思うので、この策でいきます。
「ルナイスもなかなかよなぁ。」
「ホルス様はどうお考えで?」
「ふはは!良いと思うぞ。時には劇薬も必要であろう。」
ぼそぼそとノヴァとホルス様が喋っているのが気になるけど、楽しそうだから邪魔しないでおこう。
さて、
「オーレさん、ルゲイエさん。そういうわけで妖精さんたちはどう言ってますか?」
出しゃばっている僕ですが、元々は西の人族と妖精族の問題だ。
当人の意見を無視して物事を強引に進めては元も子もない。
「ちょっはな!力強いな!!」
可憐な少女には似合わない力の強さにハビット辺境伯がツッコむけどルゲイエさんは泣きそうな顔のまま絶対離しませんって感じでうるうる攻撃を続けている。
「は…話が終わるまで離すなぁってオーレがぁ。」
「当たり前です。何のためにわざわざ此処に来たと?こっちに来るのも結構な力が必要なのですよ?」
だって~っと泣き出すルゲイエさんにオーレさんがぴしゃりと言い放つ。
「あー、では…ハビット辺境伯様。これで妖精の存在は認めてくださいますか?」
若干カオスな空間となりつつある中、半泣きになっているハビット辺境伯が少し不憫に思えてできるだけ早く解放してあげようと話を本来の道に進める僕。
「そ…存在は、認めるわ…しかし!この地を発展させてきたのが妖精だという言い分は受け付けないわ!!」
「妖精だけが発展させてきたと言っているわけじゃないですよ。あまりにも西の人族達が他種族の存在を認めず、妖精達の力でさえもさも自分達の力であるように声高らかに言うので注意をしに来たのです。今日まで妖精族が怒らずにいてくれたことを貴方達は感謝するべきですよ。」
妖精族を怒らしたらその地が枯れるし、魔法を使うことも難しくなる。
こういうのって、結構魔術書とか魔法に関する教科書に書かれてあるのだけど…ハビット辺境伯は勉強をする暇がなかったのか、それとも勉強が嫌いでしてこなかったのか…。
ハビット辺境伯だけじゃない。
他種族に対してここまで排他的なのは西の人族全体の知識不足も原因のような気もする。
「では妖精達が西の地を豊かにしたという証拠はあるのかしら?」
「はぁ…では貴方達が西の地を豊かにしたという証拠も提示してください。相手に要求できるのなら自分達ももちろん示せるのですよね?」
この地を守ってきたというプライドがあるのは分かる。
事実、この地が今まで他国から侵略を受けて来なかったのは辺境伯の尽力あってこそだ。
しかしそれはそれ、これはこれ、なのだ。
今までは見えなかったのだから仕方ないにしても、今妖精達の姿を認識したのだから共存という道を考えてもらわなくては困る。
アーナンダ国は多種多様な種族が暮らす国ではあるが、完全に他種族への差別がないとは言えない。
それに未だ他種族への差別と迫害が酷い国に共存する道を示さなければならない。
「もちろん証拠ならあるわ。明日の夕刻にお互い証拠を提示する。それができなかった場合貴方達も妖精族も此処から出て行ってちょうだい。」
「分かりました。」
僕とハビット辺境伯の間にバチバチと火花が散る。
僕はさっさとこの問題を解決して観光したいんだ。今に見てろ。
と、いうわけで。
ハビット辺境伯から部屋を貸してやってもいいと言われたが、敵地で安眠何てできるわけないし、僕を狙った暗殺者が来ないとも限らないので僕達はハビット辺境伯から許可をもらい街の外の森の近くに簡易的な家を建てさせてもらった。
建てた、と言っても大変な作業はいらなくてノヴァの魔法でちゃちゃちゃーと作った簡易的なお家だ。
ノヴァの結界が張られているので僕達の屋敷と同じくらいの安心建築。
そこで僕達は作戦会議を始めた。
「ルナイス、証拠はどうするつもりだ。」
始めにノヴァが渋い顔をして僕に問うてくる。
「そんなの簡単だよ。妖精達が植物や土地に手を加えなければいい。」
「明日の夕刻まで手を出さないだけで証拠になるのですか?」
「あんまり変化ないんじゃ~?」
僕の回答にオーレさんとルゲイエさんも渋い顔。
「もちろんそれだけじゃないよ。妖精達には一時的にこのハビット辺境伯領から消えてもらいます。妖精がまったくいない土地がどうなるのか…見てもらった方が早いと思うんだ。」
「なるほど。しかしそれだと領民達も不安にさせ混乱を招くぞ。」
「それでいいんだよ。ハビット辺境伯だけじゃない。領民達にもきちんと理解してもらわないと。」
一時的でも妖精が土地からまったくいなくなれば魔素は薄れ、植物は萎れる。
人間っていうのは自分の身に危険を感じないとなかなか学習しない生き物だと僕は思うので、この策でいきます。
「ルナイスもなかなかよなぁ。」
「ホルス様はどうお考えで?」
「ふはは!良いと思うぞ。時には劇薬も必要であろう。」
ぼそぼそとノヴァとホルス様が喋っているのが気になるけど、楽しそうだから邪魔しないでおこう。
さて、
「オーレさん、ルゲイエさん。そういうわけで妖精さんたちはどう言ってますか?」
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当人の意見を無視して物事を強引に進めては元も子もない。
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