僕と先生との物語

げんき

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中学校

中学1年生【持久走②】

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相談室に行くと僕は自ら正座した。
早速、高橋先生は話し出した。



「何で持久走サボったんや?」

僕は答えるべきか迷った。
でも、どうせもう先生たちはわかってる事だと思い、覚悟を決めて言ってみた。

「走りたくなかった。」

「そんな理由が通用しやんってわからんか?嫌な事から逃げて、そんな事がアカンってまだわからんか?」

「わかる。」

「じゃ、何でそんな事すんねん。」

「めんどくさかったから。」

「サボる為にわざと体操服忘れて。やってる事、最低やと思わんか?」

「うん。ごめん。」

「そんな行動してる事知ったら先生怒るってわかるやんな?」

「うん。」

「それでもサボったって事は、怒られる覚悟があるって事やな?」

僕は黙った。

「もうすぐ先生との付き合いも1年になる。そんな事したらどうなるかぐらいわかるやろ?」

「それはわかるけど、高橋先生から怒られるとは正直思ってなかった。だから覚悟なんてできやん。」

「先生はげんきの担任やで。げんきが何か問題起こしたり、間違った事したら先生は絶対にげんきの事を指導する。これだけは覚えときや。それに他の先生の授業なら何をやっても良いとかないからな。」

「うん。」

「今回も先生はげんきが反省できるまで指導するから。」

「もう反省したから。これからちゃんと走るから、今回の事は許して。」

「許さん。ここで許したらげんきまた同じ事繰り返すやろ。ズボン脱いで、壁に手ついて用意して。」



めっちゃ怖いし、ホンマに嫌だった。
でも、僕はもう諦めた。
このまま粘ってもいい事は何もないと思った。



先生は「100発いくで。」と言い竹刀を取り出した。

そして叩き始めた。

やっぱり最初から痛い。
一回一回がめっちゃ強打という訳ではないが1発でもそれなりに呻き声が出てしまう。
でも、回数を重ねるごとに痛みが蓄積されてより痛くなる。

僕は30発ぐらい叩かれた時点で既に後悔した。

「先生ホンマにごめん。もう無理。ちゃんとやるから。」

何度もお願いした。
でも聞き入れてもらえなかった。



そして、何度も姿勢を崩し怒られ号泣しながらも何とか100発耐えた。



その後、高橋先生は一度出て行き井上先生を連れて戻って来た。

僕はその場に立って井上先生に謝った。

「井上先生、持久走嫌やからってわざと体操服忘れてごめん。」

「げんきがそんな事すると思わんかった。体育は好きでがんばってたやろ?」

「うん。」

「嫌な事とかやりたくない事もあると思う。そんなんは大人になってからもあるんや。でも、だからってサボって解決するか?逃げてて上手くいくんか?」

僕は首を振った。

「じゃ、サボるな。逃げるな。」

「うん。」



高橋先生からも「げんき約束やで。」と言われ返事した。



そして、僕は次の持久走からちゃんと走った。

さらに今までサボった分は補習に参加する事になり、結果みんなと同じ回数、同じ距離を走る事になった。
完全に怒られ損。



高橋先生の授業以外でもサボってるとバレた時に怒られるという事がわかり、僕は少し警戒した。
ただ、常に気を張っている状態は長続きしない。
あっという間に怒られた事を忘れ、また事件を起こしてしまう。









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