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第3章 シスター・セシリアの語り~葛城少佐・セシリアの妹の回想
少年時代-葛城少佐視点1
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「それまで!」
親父の声が道場に響く。
間合いを取り、形ばかりの儀式として頭を下げる。いつも通り、詩織に負けた。
力はもう俺の方が強いはずで、その差を頼みの綱にしたごり押しの戦法だった。だが攻めはことごとく読まれて軽くいなされ、右に一歩踏み込まれたと思った次の瞬間には、俺の左の面をあっさり打ち抜かれていた。
さっさと俺は面を外して床にたたきつける。
「直輝!防具を粗末に扱うな!」
あれは師範としての形式上言っているだけで、本心からでないのはわかっていた。親父は昔から甘すぎる人間だった。あの頃の剣術師範なんて、大抵は暴力的で、怒鳴り、殴り、恐怖で子供を従わせるのが常だったけど、親父にはそれができなかった。どっかの私立学校で文学を学んだ中途半端なインテリの優男だったから――剣の腕は確かでも、どうにも胡散臭く感じるのだ。
俺の目の前で、詩織が面を外す。俺よりも二歳も年下のたかが十二歳の娘に俺は負けた。技術だけじゃなくて仕草さえも洗練されていて、汗を拭く動作、武具防具の扱い方、そのすべてが俺の上を行っていた。
「ありがとうございました」
そんなあいつを横目に俺はさっさと道場を出ようとした。水浴びでもして上諏訪の湯治場にでも行くつもりだ。温泉街じゃ常識だ――昔は湯女と呼ばれた遊女が裏にいるのなんて、みんな知ってるくせに知らん顔してる。この家は石頭のように固い上級武士出身の母が仕切っているから、家の金勘定なんざ細かくしていない。だから俺が金をくすねて遊んでも全くばれないのさ。
そんなことを思いながら外に出ようとすると、視線を感じる。うげ、まさか今日の試合観客がいたのか。そんな奴は大体あいつら二人――
「坊ちゃん、今日も詩織さんにぼろ負けでやんしたね」
見学席の奥の柱の影に、俺の使い魔である銀色の狐、お銀を抱いたひとりの少女が立っていた。
「あっしは未熟な主人を成長させるのが仕事でやんす。ダメダメな試合もキッチリ見届けましたよ」
そう言って歯を見せて憎らしく笑うお銀。でもそれを抱えてる奏は、柔らかく微笑んだ。
「でも――直輝くんも手を抜いてなかった。わたし、それ、ちゃんとわかったわ」
褒められているのか慰められているのか複雑な心境だ。「お前、全力でぶつかっても勝てなかったよな」と揶揄されているようにも聞こえなくもなかったから。もちろん裏表のない奏にそんな意図はないだけれども。
「直輝!」
後ろから声がした。振り返るまでもなく声の主が誰だかわかる。俺は無視して歩き続けた。でも予想通り、その声の主も俺を追ってくる。
「もう少しまじめにやりなさいよ。葛城先生の息子なんだからやればできるんじゃない?」
少し面倒になったので俺は振り返って詩織に言った。
「才能は全部兄貴が持っていったからな」
俺は口を曲げて笑った。
「才能のないことをいくらやっても無駄なんだよ。俺は中学卒業したら適当に東京で遊びながら働くんだ。何せ中学卒業でも上位一割には入るんだからな、この国では。あくせく努力しなくても俺は勝ち組なんだよ」
そして俺は、ほんの少しだけ声を低くして、言葉を継いだ。
「だいたい、この道場に本当に期待の星がいたら、誰もお前なんか引き上げたりしなかっただろ」
詩織の目が、わずかに揺れた。
「男子に混じって剣術やりたそうに見ていたからって、月謝も払えない貧農の娘なんて、本来なら入門できる立場じゃないんだ。タダ乗りみたいなお前を親父が入れたのは――この道場があまりにカスの集まりだから、ちょっとだけでもまともなお前を入れたかっただけさ。要するに、お前が強いんじゃなくて、周りが弱すぎだけなんだよ、あまり調子に乗らない方がいい」
俺がそう言い放った瞬間、詩織の表情が変わった。無言のまま殺気立った瞳で竹刀を構えていて、お銀と奏が血相を変えて止めに入っている。
「坊ちゃん、すぐに謝った方がいい、命にかかわるでやんす!」
次の瞬間、詩織の竹刀が鋭く振り下ろされた。
「ちょ、おい!お前、それは卑怯だろ!俺、丸腰だぞ!」
「ちょっと詩織、やめなってば!」
竹刀片づけるのも面倒でほっぽってたのが仇となった。まあ武器があっても勝てないがね。ただ俺は逃げ足だけは速い。試合では逃げることが許されないからこいつに負けるしかなかったが、今は違う。危ないところだったが詩織の追撃をかわしながら、道場の外への逃げ道を確認して安堵すると、そのまま一直線で駆け抜けようとしていたその時――
「直輝!」
建物にいる全員がその声に凍り付いた。俺も、詩織も奏も、お銀も、そして親父でさえも。理由がある。この声の主は事実上、この家の最高権力者であること、そしてめったに口を開かないこの人物が怒鳴りつけるようなとき、ろくなことが起きないからだ。
「話がある。すぐ居間に来なさい」
母だった。
**
母の傍らには、親父が縮こまって座っている。男が家主として偉そうにしていたこの時代でも、うちはいつもこうだった。高島藩の上級藩士で維新後も大きな家を持っていた母方の家に男の跡継ぎがいなかったから、剣の腕を見込まれ、下級武士である卒族出身の父が婿入りしたのだ。そんなわけで親父は母にいつも頭が上がらない。
空気が明らかにおかしい。懐にいるお銀もそれを察知したのか、かすかに身じろぎしているのがわかる。俺は、ゆっくりと畳に腰を下ろした。
「誠司が戦死した」
時間が畳の上で止まったかのようだった。お銀はぴったりと動きを止め、俺の頭はその意味を理解するのを拒んでいるようにすら感じる。
「日清の戦でな。清国軍の銃撃を受け、斥候中に即死だったそうだ。軍からの電報が届いた」
あの優秀だった兄さんが。学問も運動も抜群で、この家の、そしてこの国の将来を嘱望されていたあの兄さんが。だが、そんな感情に浸る時間も与えてくれないかのように、母は続けたのだ。
「厄介なのは、これで諏訪家からの援助が絶たれるということだ」
母の声には冷たさといら立ちの両面が現れていた。息子が死んだのだから感情が高ぶるのは当然だが、それ以外にこの家のことを考えなくてはならない冷静さもあったのだ。
「我が葛城家がどうにかやってこられたのは、高島藩主だった諏訪家の温情ゆえだ。特に諏訪忠誠公のご意向で、私のような上級武士の家にはとりわけ手厚くしてくださった。だが、諏訪家とて苦しい。そこで諏訪家の雇われ弁護士どもが条件をつけた――『誇りある士族の家であること』。すなわち、子弟が帝国陸海軍の将校・士官となり、軍人として家名を立てること。それが援助の資格だ」
隣で父が、小さく頷いた。いかにも、母の言うことを追認するしかない婿養子であろうという態度。
「だからこそ誠司は陸軍士官学校へ行き、将校になった。あの子のおかげで、我が家は面目を保ち、贅沢はできずとも、この諏訪でそれなりの暮らしを続けてこられた。いずれは大佐ぐらいで退き、この家を継ぐはずだった」
部屋の木戸が、遠くで軋む音を立て、お銀が胸元で震える。
「――だが、もう誠司はいない。援助は打ち切られる。夫は家の経営には向かん。金も商いも知らず、剣と、少しばかりの学問しか能がない男だ。そして、そうなってしまった以上――」
母の視線がようやく俺を正面から射抜いた。
「私としてはお前ごときに家を継がせるのは不本意だが、夫が老いた先、そうしてもらうほかはない。そしてこの家は売り払い、田舎の小さな家に移ることになる」
うちの財務状況に見合わぬほど広いこの家。しかも多くの奉公人がいる。江戸の治世はそれが当然だったのだろうが、今となっては重荷でしかない。
幼い頃から家族のように接してきた人たちだ。年老いた者も、まだ物心つく前の幼子を抱えた者も多くいる。諏訪家の支援があってこそ、どうにか賄えていた。だが、それも終わる。この辺は控えめに言っても豊かな土地とは言えない。しかも農業をしているわけでもない彼らがうちを追い出されたらどうなるか。貧窮の道に進むのが目に見えている。
――そして思ったのは、詩織のことだ。
この家を手放して他に移るなら、道場は終わりを迎えるだろう。今の時代、女が剣を強くしたって何の役に立つのかはわからない。でも、あいつの剣がここで終わってしまうのはあまりにも惜しかったのだ。
ある日のことだった。
東京で北辰一刀流の千葉道場に学び、免許皆伝を受けたという男が、たまたま諏訪を旅していて、うちの道場を訪ねてきたことがあった。親父が張り切って、俺を含む門下生に次々と手合わせを願わせた(正直、俺は気が進まなかったけどな。だって絶対勝てないし)。
結果は言うまでもない。体格も力も技も桁違いで、誰ひとり太刀打ちできない。最後に親父が出ることになったのだが、ふと何を思ったのか、もう一人、相手をさせることにした――詩織に。
いくら実力は道場一番とは言え、十二歳の娘。誰しもが驚いて固唾をのんで見守った。詩織には面をつけさせたまま道場に入らせ、男女がわからない状況でそのまま試合開始。すると――圧倒的な体格と力の差だったのに、詩織はその男に善戦していたんだ。男の剣筋をきれいに読んで、攻撃を受けるときは衝撃が全身に響かないよう体をしならせ、逆に打ち込むときは、男を思わずたじろがせるほど的確に攻め立てる。普通なら大の大人と十二歳の女の子の試合なんて大けがしてもおかしくないのに。
信じられないことに、結局勝負がつかなかった。男は面を外すと満面の笑みでこう言うのだ。
「坊主、お前、この国で一番の剣士になれるぞ。今は決着はつかないが、あと十年後、俺はお前に勝てないだろう。ここで精進せよ」
そう言い残して男は道場を去った。
男でもなければ、月謝を払える家の子でもない。ただ、貧しい農家の娘が、稽古を眺めては一緒に竹刀を振りたそうにしていた。興味本位で親父が握らせてみたところ、天賦の才があるとわかり、そのまま道場一の腕前にまで駆け上がった――それが詩織だ。もしかしたらあいつは、この先の時代を変えてしまうほどの存在になるのかもしれない。ここで諏訪家からの援助が無くなったら、詩織の剣もここで終わってしまう。だったら。
「――俺が、陸士に入る」
言った瞬間、両親は呆気にとられて、俺を凝視した。懐の中で、お銀もぴたりと身動きをやめる。
「俺が、陸軍士官学校に入れば、諏訪家の援助は続く。家も奉公人も、今すぐ路頭に迷わずに済む、そうだろ?」
一瞬だけ顔を上げかけた親父は、困ったような表情のまま母の方をちらちらみて様子をうかがっている。すると――爆発した。
「黙っとれ!」
母は眉間に深く皺を寄せ、母の顔は怒りに染まっていた。
「お前のような馬鹿が、陸士に入れるとでも思っているのか?まさか、自分の立場を本当に理解していないわけではあるまいな?」
いわゆるヒステリックな人間の典型。もうこうなると母は止まらない。
「お前が中学に入れたのは、私が校長に頭を下げたからだ。入学試験の点数など到底足りていなかった。だが、あの校長も高島藩の旧臣で、身分の低い武家の家柄。私のような上級武士の娘が頼めば、断れなかっただけのこと。それだけではない。お前は入学後も、進級の試験で合格点を一度も取っていない。だからこそ、諏訪家から回された援助の一部を使って中学に金を送り、進級の帳尻を合わせたのよ」
母は畳に手をつき、さらに前のめりになった。
「中学でさえ、ろくにやり遂げられぬ者が、一高と並び称される陸士に入れる?笑わせるな。戯言も大概にせよ!皆が誠司の死に悲しんでいるというときに、家の恥であるお前が舐めたことを抜かすな!」
*
「今日は一日中、雨になりそうでやんすねえ、坊ちゃん」
窓の外をぼんやりと眺めていた俺の肩越しに聞こえるその声で、俺は現実に引き戻された。
あのあと俺は母に何も反論せずに部屋を後にした。言い返したところで物事は悪くなるだけ。そして何より――母の言っていることも全部正しかったから。要するに俺は、遊び人で成績が悪く、家の金で学校にぶら下がっているだけのドラ息子であることは否定できないということ。
お銀がちょこんと机の上に上り、尻尾で俺の肩をつつく。苦笑して俺から切り出した。
「言いたいことはわかるよ、お銀。母の言っていることは正しい。俺みたいなしょーもない奴が何をトチ狂ったこと言ったのかってことだろ?」
「違いますよ坊ちゃん」
お銀は俺の湯のみで勝手に茶を飲みながら言う。
「火がついたときの坊ちゃんは、怖いくらいでやんすよ。剣術でもそうでやんした。たまーに、相手が詩織さんみたいな圧倒的実力差がある相手でも、どうしても勝ちたいと思ったきは、坊ちゃんの動きが変わった。あれを見たらねえ、『こいつは本気になったら止まらねえ』って、あっしは思ったもんでさ」
そんな大げさな――と言い返そうとしたが、お銀は止まらない。
「だからあっしは、坊ちゃんが陸軍士官学校に合格するのも夢じゃないと思ってるんですよ」
俺は思わずふっと笑ってしまった。お銀の言葉がうれしかったのもあるが、苦笑も含めて。
「まあ褒めてくれるのはうれしいけどな。今となっちゃ馬鹿なこと言ったと思ってるよ」
でも口ではそう言いながら、実は頭の片隅では別の場面がよぎっていた。最近ますます綺麗になっていく詩織の顔だった。どうせ陸士になんて入れないだが――もしそんなことが起きえたなら。ただで親父が指導してくれるうちの道場が続くことで、あいつの悲しむ顔を見なくて済むのだろうか。
すると、お銀がわざと音を大きく立てて茶をすすりながら、にやりと口の端を上げた。
「なんだよ急に」
お銀は俺の顔をじろりと眺め、さらにおかしそうに目を細める。
「青春ってのは、美しいでやんすねえ、坊ちゃん」
からかわれているのはわかっていたが、言い返せない。ただ、俺が慌てている一方で、お銀はお茶を飲み干すとふっと真顔になった。
「坊ちゃん、とりあえず永田鉄山に会いましょう」
「は?」
全然知らない人間の名前を突然出されて俺がまごついていると、お銀は地図を広げて見せた。
「宮川村の安国寺の近くに、『大同義塾』って私塾があるでやんす。聞いたことくらいはあるでしょう?」
確か、東京にある福沢論吉だか諭吉だかの何ちゃら義塾だかを真似て、維新の頃にどこかの町人上がりが始めた塾――そんな噂を耳にしたことがある。
「そこの塾に、『永田鉄山』ってガキがいるんでさ。まだ十歳でやんすが、あっしから見ても頭の切れは一級品でやんす。いわゆる一を聞いて十を知るって奴でして。その上要領もよくて勉強の段取りってやつを知ってるでやんすよ。そいつに坊ちゃんの勉強を見てもらえばうまくいくんじゃないかと思うのでやんす」
思わず声が裏返る。
「何が悲しくて十歳のガキから勉強を教わらなくちゃいけないんだっての。俺もう十四よ?」
「そんなこと言ってられる場合じゃないのは坊ちゃん自身がわかってるはずでやんす。どうせお母上が回してる賄賂で中学の成績は授業なんか出なくても帳尻ついてるはず。なら一度そいつに会ってみるのもいいんじゃないでやんすか?」
俺は口を閉じて冷静に考え直した。お銀の言うことももっともだ。確かに、母の言う「家の恥」である俺だったら、年下から勉強を教わったとしてもそんなにおかしくはないかもしれない。大体、本当にそのガキのおかげで成績が上がるなら、悪くない話のわけだし。
「その永田って奴、本当にそんなにできるのか?まあいいか、そのなんちゃら義塾に行ったところで何か失うものがあるわけでもねえし、いっちょ行ってやっか」
「その意気ですよ坊ちゃん。最初の一歩ってのが肝心でやんす。さっきも言いやしたが、坊ちゃんは一度火が付くと誰よりも突き進むでやんすからね」
窓の外では、まだ冷たい雨が降り続いていた。しかし、庭の石灯籠にともされた小さな灯りが、雨ににじみながらも、輝きを放っていた。
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