王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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白鳥雪 編

第41話

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この日、雪は珍しく寝坊した。
○「すいません、今日の朝食当番は私だったのに...」
「ううん、気にしないで。私にも、たまには役に立たせて...」
○「黒羽...」
「食べよう?」
○「はい。...いただきます」
「いただきます」
両手を合わせ、無言の朝食がはじまった。
どうやら雪は食べ物に執着があるらしく、じっくり食べたいようだ。
会話がないのは寂しい気もするが、そんな雪を見るのが黒羽は好きで仕方ない。
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「おはようございます、真緒さん」
●「おはよう!」
(真緒さん、いつも朝から元気だな...)
○「...」
雪は少し眠そうだ。
二人は二人専用の事務室に入る。
「雪、少し寝たら?」
○「しかしここには枕が」
(...少し恥ずかしいけど)
「雪、こっちきて」
○「なんです!?」
黒羽の膝の上に雪の頭はあった。
「ずっとこうしているから、寝て?ちゃんと仕事の時間には起こすから」
ふわり。
○「で、ではお言葉に甘えます」
膝枕したまま、雪は眠りへおちていった...。
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