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茶園 渚篇
第25話
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☆「『現代の麒麟児』か、これは厄介だな...」
(現代の麒麟児?)
◆「現代の麒麟児って、あの現代の麒麟児か⁉」
♪「残念ながらそうらしい...」
「その人、そんなに偉い人なの?」
黒羽は思わず疑問を口にした。
▼「...やっぱり俺のそばに、人を置くべきじゃなかったな」
「渚...?」
◯「渚、それは違う。それはおかしい」
▼「何にも間違ったこと言ってねえだろ⁉俺のそばにいたからおまえの家も突き止められて襲われた、こいつも顔を覚えられて襲われた!俺はやっぱり、間違ってたんだ...」
そう言って渚は立ち上がる。
「渚!」
黒羽は腕を掴んで止めようとしたが、振り払われてしまった。
▼「もう、俺に近づくな」
そう言って走り去ってしまった。
「渚のせいじゃないのに...どうして...」
◯「...あなたに、いや、あなた方に話しておこうと思います」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《雪の回想》
渚は、まともな家庭で育ったわけではありません。
日々親の機嫌をうかがい、外では親が原因で差別を受けて育ったのです。
渚は無実の人間を救おうと躍起にやりました。
しかし罪をなすりつけた側の背後にいたのが『現代の麒麟児』だったのです。
渚は無実の人間を救うことはできました。
しかしそのあとはもっと凄惨な目に遭うことになったのです。
...『現代の麒麟児』の息がかかったものたちが、渚を攻撃したのです。
渚は居場所を失いました。
それでも渚は、無実の人々を『裏』から救い続けた。
だから...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◯「それが原因で、人と関わったことを責任に感じているのだと思います。私もはじめは心を開いてもらえませんでしたから...」
「...それなら渚は悪くない」
♪「でも渚からすると...」
「渚は、居場所を捨ててきたのに...悪いのはこの人たちなのに...。私、渚を迎えに行ってくる」
◯「居場所に心当たりが?」
「...勘だけど、それでも行ってみるよ。渚は、私の大事な人だから」
黒羽は雨が降ってきたのを見て、白玉と共に駆け出していく...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆「...俺たちにできることをしよう。犯人を捕まえるのは勿論だが...帰ってきたとき、何もないのは寂しいだろう?」
遥が余裕の笑みを見せる。
▲「遥らしいね」
◇「笑顔は大事だから...」
各々が頷きあっているなか、錬が少し気まずそうに言う。
♪「僕、この前見ちゃったんだけど...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこは、黒羽が襲われた場所。
▼「弾痕は...残ってるな」
(私のために、調査してくれてるの?)
▼「やっぱり俺、一人じゃないとダメみたいだ。でも...一人はやっぱり寂しいな」
そこまで聞いて、黒羽は黙っていられなくなった。
「一人じゃないよ」
渚の頭に傘を差し、抱きしめる。
▼「おまえ...」
「言ったでしょ?私は、渚がいいの。『裏』のお仕事がどんなに危険かは分かってるよ。でも...私がいたいのは、渚の隣だから」
ふわり。
▼「...なんでそんなに優しいんだよ」
渚がぽつりぽつりと呟く。
▼「一人でも平気だと思ったのに、いつもみたいに振る舞えばいいと思ったのに...無理だった」
「渚は一人じゃない。私だけじゃない、色んな人たちが渚自身を見つめてる。だから...帰ろう?風邪引いちゃうよ...?」
渚の足に白玉がすりよっている。
▼「悪い、しばらくこのままいさせてくれ...」
黒羽はより強く抱きしめかえされる。
▼「悪い...悪い...」
大粒の雨によって隠されていた渚の涙を、黒羽は何度も拭ってやるのだった。
(現代の麒麟児?)
◆「現代の麒麟児って、あの現代の麒麟児か⁉」
♪「残念ながらそうらしい...」
「その人、そんなに偉い人なの?」
黒羽は思わず疑問を口にした。
▼「...やっぱり俺のそばに、人を置くべきじゃなかったな」
「渚...?」
◯「渚、それは違う。それはおかしい」
▼「何にも間違ったこと言ってねえだろ⁉俺のそばにいたからおまえの家も突き止められて襲われた、こいつも顔を覚えられて襲われた!俺はやっぱり、間違ってたんだ...」
そう言って渚は立ち上がる。
「渚!」
黒羽は腕を掴んで止めようとしたが、振り払われてしまった。
▼「もう、俺に近づくな」
そう言って走り去ってしまった。
「渚のせいじゃないのに...どうして...」
◯「...あなたに、いや、あなた方に話しておこうと思います」
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《雪の回想》
渚は、まともな家庭で育ったわけではありません。
日々親の機嫌をうかがい、外では親が原因で差別を受けて育ったのです。
渚は無実の人間を救おうと躍起にやりました。
しかし罪をなすりつけた側の背後にいたのが『現代の麒麟児』だったのです。
渚は無実の人間を救うことはできました。
しかしそのあとはもっと凄惨な目に遭うことになったのです。
...『現代の麒麟児』の息がかかったものたちが、渚を攻撃したのです。
渚は居場所を失いました。
それでも渚は、無実の人々を『裏』から救い続けた。
だから...
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◯「それが原因で、人と関わったことを責任に感じているのだと思います。私もはじめは心を開いてもらえませんでしたから...」
「...それなら渚は悪くない」
♪「でも渚からすると...」
「渚は、居場所を捨ててきたのに...悪いのはこの人たちなのに...。私、渚を迎えに行ってくる」
◯「居場所に心当たりが?」
「...勘だけど、それでも行ってみるよ。渚は、私の大事な人だから」
黒羽は雨が降ってきたのを見て、白玉と共に駆け出していく...。
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☆「...俺たちにできることをしよう。犯人を捕まえるのは勿論だが...帰ってきたとき、何もないのは寂しいだろう?」
遥が余裕の笑みを見せる。
▲「遥らしいね」
◇「笑顔は大事だから...」
各々が頷きあっているなか、錬が少し気まずそうに言う。
♪「僕、この前見ちゃったんだけど...」
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そこは、黒羽が襲われた場所。
▼「弾痕は...残ってるな」
(私のために、調査してくれてるの?)
▼「やっぱり俺、一人じゃないとダメみたいだ。でも...一人はやっぱり寂しいな」
そこまで聞いて、黒羽は黙っていられなくなった。
「一人じゃないよ」
渚の頭に傘を差し、抱きしめる。
▼「おまえ...」
「言ったでしょ?私は、渚がいいの。『裏』のお仕事がどんなに危険かは分かってるよ。でも...私がいたいのは、渚の隣だから」
ふわり。
▼「...なんでそんなに優しいんだよ」
渚がぽつりぽつりと呟く。
▼「一人でも平気だと思ったのに、いつもみたいに振る舞えばいいと思ったのに...無理だった」
「渚は一人じゃない。私だけじゃない、色んな人たちが渚自身を見つめてる。だから...帰ろう?風邪引いちゃうよ...?」
渚の足に白玉がすりよっている。
▼「悪い、しばらくこのままいさせてくれ...」
黒羽はより強く抱きしめかえされる。
▼「悪い...悪い...」
大粒の雨によって隠されていた渚の涙を、黒羽は何度も拭ってやるのだった。
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