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赤城 玲音 続篇
第9話
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◆「いらっしゃいませ!」
◇「こちらへどうぞ」
この日、黒羽は座ってできるバーの食器洗いの仕事を手伝っていた。
ー「例の事件、聞いたか?」
ーー「あー、『髪斬り事件』のことか?」
(『髪斬り事件』...?)
黒羽は皿を洗いながら、こっそり聞くことにした。
玲音たちが捜査している、今のところ未解決の事件だ。
女性の髪を鋭利な刃物で斬る為そう呼ばれているらしい。
ー「武器はかなり大きな鋏らしい。この前助かった女を保護した時に言ってた」
ーー「助かった奴がいるのか?」
ー「ああ。警察でさえ見つけていないらしいがな」
黒羽はそこまで話を聞くと、メモ用紙を美音たちに渡した。
「さっき、そこの席にいた二人が話していたの」
◇「ありがとう」
◆「助かるぜ。...こいつは右利きだな」
◇「うん。それからきっと髪に対する異常な執着を見ると...」
本格的な捜査の話がはじまったので、黒羽はその場をそっと立ち去った。
(役にたってよかった)
それから黒羽は食器洗いに没頭していた...。
◆「黒羽!待たせたな!」
◇「遅くなって、ごめん」
「二人とも、お疲れ様」
ふわり。
黒羽は笑って二人の方へ歩いた。
「あとテーブルを拭いたら終わるから、」
◇「立ち仕事は負担になるから、ダメ」
「でも...」
◆「それだけなら、俺一人で充分だし、ありがとな」
二人は黒羽に負担をかけまいと必死に止めた。
結局この日、玲音がテーブルを拭くことになった。
◇「別に気にしなくてもいい」
「ごめんなさい。本当は私の仕事なのに...」
◇「黒羽が笑っていないと、なんだか落ち着かない」
「美音...」
◇「こういうとき、私はなんて言えばいいのか分からないけど...」
「ううん、充分だよ。ありがとう」
黒羽はいつもどおりに笑ってみせた。
それを見た美音は、少し安心したような視線を向けていた。
◆「終わったぞ、帰るか!」
「うん!」
◇「そうだね」
三人仲良く帰宅すると、家のなかでは錬がぽつんと待っていた。
♪「みんな、遅いよ...」
◇「ちょっと仕事に進展があった」
♪「え、どの事件?」
そこからはまた本格的な話になっていた。
黒羽は疲れていたこともあり、先に眠ってしまっていた。
◆「部屋に運んでくる」
◇「ついでに寝たら?寝てないでしょ」
♪「おやすみ」
玲音は幸せなため息をつきながら、二人の気遣いに心から感謝した。
◆「サンキュー、そうさせてもらうわ」
◇「こちらへどうぞ」
この日、黒羽は座ってできるバーの食器洗いの仕事を手伝っていた。
ー「例の事件、聞いたか?」
ーー「あー、『髪斬り事件』のことか?」
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黒羽は皿を洗いながら、こっそり聞くことにした。
玲音たちが捜査している、今のところ未解決の事件だ。
女性の髪を鋭利な刃物で斬る為そう呼ばれているらしい。
ー「武器はかなり大きな鋏らしい。この前助かった女を保護した時に言ってた」
ーー「助かった奴がいるのか?」
ー「ああ。警察でさえ見つけていないらしいがな」
黒羽はそこまで話を聞くと、メモ用紙を美音たちに渡した。
「さっき、そこの席にいた二人が話していたの」
◇「ありがとう」
◆「助かるぜ。...こいつは右利きだな」
◇「うん。それからきっと髪に対する異常な執着を見ると...」
本格的な捜査の話がはじまったので、黒羽はその場をそっと立ち去った。
(役にたってよかった)
それから黒羽は食器洗いに没頭していた...。
◆「黒羽!待たせたな!」
◇「遅くなって、ごめん」
「二人とも、お疲れ様」
ふわり。
黒羽は笑って二人の方へ歩いた。
「あとテーブルを拭いたら終わるから、」
◇「立ち仕事は負担になるから、ダメ」
「でも...」
◆「それだけなら、俺一人で充分だし、ありがとな」
二人は黒羽に負担をかけまいと必死に止めた。
結局この日、玲音がテーブルを拭くことになった。
◇「別に気にしなくてもいい」
「ごめんなさい。本当は私の仕事なのに...」
◇「黒羽が笑っていないと、なんだか落ち着かない」
「美音...」
◇「こういうとき、私はなんて言えばいいのか分からないけど...」
「ううん、充分だよ。ありがとう」
黒羽はいつもどおりに笑ってみせた。
それを見た美音は、少し安心したような視線を向けていた。
◆「終わったぞ、帰るか!」
「うん!」
◇「そうだね」
三人仲良く帰宅すると、家のなかでは錬がぽつんと待っていた。
♪「みんな、遅いよ...」
◇「ちょっと仕事に進展があった」
♪「え、どの事件?」
そこからはまた本格的な話になっていた。
黒羽は疲れていたこともあり、先に眠ってしまっていた。
◆「部屋に運んでくる」
◇「ついでに寝たら?寝てないでしょ」
♪「おやすみ」
玲音は幸せなため息をつきながら、二人の気遣いに心から感謝した。
◆「サンキュー、そうさせてもらうわ」
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