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8.冷めない熱
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力が抜けて、意識が何かに引っ張られる感覚に抗えなくて、深い眠りに落ちていった。
何かを求めていた。望んで手を伸ばして、掴んだような気がしていた。なのに、握った手を開いてもそこには何も無かった。
その開いた手のひらを、なんとなしに胸に当ててみた。
トクトクと鼓動を感じる。
生きている音が心地良くて、ずっと聞いていたくなった。
この穏やかな時間に似た日を、知っている。
会いたい。突然湧いた感情が、誰に向けたものなのか……考えていると、甘い香りが鼻をくすぐった。
欲情に溺れた余韻が思い起こされて、閉じていた瞼を開ける。
霞んだ視界が次第にはっきりしてくると、目の前に露わになった素肌と胸があった。
意識が遠のくまでの記憶が少しづつよみがえる。
(……あのまま、眠ってしまったのか)
今の時刻が明け方であることはわかった。目の前に広がる光景が、桃色や赤い痕跡で色鮮やかに瞳に映ったから。
「……はあ」
呼び起された記憶と、夢ではなかった光景を見せつけられて、冷めた熱が再度沸き上がると、息が漏れた。
「ギル……起きた?」
視線を頭上から聞こえた声に向けると、アリシアが心配そうに見つめていた。
いつから、そうしていたのか。もしかして、ずっと……?
心配を掛けたことに申し訳なさが込み上げたけど、頭を撫でてくれるアリシアの手が優しくて、愛しくて、甘えたくなった。
「大丈夫?」
昨夜、甘い声を漏らしていた唇に視線を奪われていた。
「……うん」
アリシアの指先が伸びてきて、ギルバートの体調を確認するために頬を撫でる。それだけで、ギルバートの欲望が疼いた。
昨夜のように熱に浮かされて溺れたい衝動が沸き起こる。
けれど、また中途半端に終わらせて彼女に失望されたくはない。
なのに止まらない欲情がギルバートの口をついて出た。
「シア……しても、いい?」
肯定される前にすでに手はアリシアの腰を撫でていた。
「……っ」
アリシアの心配を他所に、昨夜の熱を呼び起こしたギルバートの言葉と、撫でる手つきにアリシアの体がビクリと反応した。
ギルバートが意識を失うように眠ってしまって、アリシアは心配で眠れなかった。
いつ発作を起こすか心配で、そのときは血を与えなければ……唇を噛んで、そこから出血したものを飲ませようかと考えながら。
ギルバートに吸われた体をそっと撫でて、自分が触っただけでは感じない体が不思議だと思った。
くすぐったいだけ。なのに、ギルバートが触れると跳ねる。
熱くなって、頭が朦朧として、自分が自分ではなくなるようで……けれど、嫌ではない。
むしろ――。
「ギルが、好きなようにして……」
答えると、肯定の言葉を待っていたギルバートがアリシアの唇を奪った。
軽い口付けを何度か交わして、視線を合わせると欲望で熱が込められた互いの瞳を確認して、舌を絡ませた。
体の上に乗りかかるギルバートの体重が、すでに上半身が露わになったアリシアには温かくて心地良かった。
肩や背中、腰、太もも……下半身に向かって流れていく彼の手の温もりも、そこから沸き上がる熱も気持ち良い。
唾液の絡まる音と、漏れる吐息の声に酔いしれながらギルバートの手はアリシアの下腹部を撫でて、下半身まで下ろされた着衣の中に滑り込んだ。
ふと、そこにあると思っていた感触がないことに気付いて、ギルバートの動きが止まった。
触れ合った唇は離れ難かったけど、言葉を出すにはそうせざるを得ないから、離した。
名残惜しいので、軽い口付けを一度だけして。
「……シア、下着、穿いてないの?」
熱が込められたままの青い瞳に、蕩けた目をした菫色の瞳が映される。
「……?寝る時は着けてないよ」
当然の様に言う。アリシアの習慣を初めて知って、ギルバートは悶えた。
毎晩、シルクの下に隠れた彼女の体をこっそりと眺めて想像していた。
少女から女性に変わっていく体が、滑らかな曲線を描いて、膨らみを増す胸は横たわる彼女が谷間を見せつけるようになった。
身に着けた衣の下がどれだけ甘く誘ってくれるのか……勝手に想像して、渇望していた。
そんな夜を何度も繰り返したことを思い出しながら、アリシアの衣を剥いだ。
露わになったアリシアの全身を眺めて、息を飲んだ。
想像していたよりも、ずっと、とてもきれいだと思った。
愛しくて、堪らなかった。
まだ口を付けていない箇所である下腹部を指でなぞると、アリシアの腰がピクリと跳ねて微かに声が漏れる。その反応にギルバートの欲望が擽られた。
「あ……」
アリシアの太ももを持ち上げて左右に広げると、甘い蜜で誘うそれが姿を見せた。
目にしただけで、ギルバートの下腹部が熱くなった。
鼓動が速くなったのを感じたが、昨夜のように体力の限界を迎えたわけじゃない。興奮しているせいだ。
下半身が疼いた。
渇きを覚えた喉が生唾を飲み込んだ。
初めて目にする箇所だから、形を確認するために指で広げながら撫でてみる。
「ふぁ……っ」
アリシアが欲情を煽る声を出して体を震わせると、撫でていたそこから蜜がとろりと垂れてきたのを指先で感じた。
その蜜を指先で掬い取って、さらに撫でた。
「ふ……ぅん」
甘い声が耳を伝って、脳を刺激してくる。
溢れ出る蜜が甘い香りを漂わせて、誘うように鼻先をくすぐってくるから、口の中で唾液が溢れた。
ゆっくり堪能したくて、暴れて彼女を傷つけないように気を付けようと耐えていたのに。
我慢できなくて、アリシアの脚の間に顔を埋めた。
開けた口から飲み込み切れなかった唾液が垂れて、溢れた蜜と混ざった。
「あ!」
指で愛撫されていた箇所に降ってきた熱いものに、体が反応して声が勝手に出た。
弄られてるそこから伝わる感触が、ギルバートの指ではない何かで。
熱くて、柔らかい何かがぴちゃぴちゃと音を立てている。
それまでの快感で熱に浮かされているけれど、その何かを知りたかった。
首を動かして下を向くと、青い瞳と視線がぶつかって心臓が跳ねた。
「……あ、あぁ……」
ギルバートの口から伸びた舌が蜜を舐め取っていた。中まで舌を入れて刺激していた。
その光景を目の当たりにして、快感を与えている正体を理解するとゾクゾクと背中が震えた。
体が悦んでいる。
昨夜もそうだった。ギルバートの手が触れると気持ちがいい。だけど、それよりも口で愛撫される方がアリシアの体は悦んで跳ねた。
ビクビクと跳ねる体に呼応して声が漏れる。
アリシアの体が熱に侵されていくと、ギルバートの口はどこよりも敏感な突起を吸った。
「ああ!」
電気が脳天まで走って、アリシアの腰が捩れた。
逃がさないように脚を掴んでギルバートはさらに口で強く吸って、舌先で舐めて追い詰める。
「あぁん!あ……はあっ」
アリシア本人も知らなかった。
こんなに刺激されて頭をおかしくさせる部位が自分にあったこと。
悦んでいるのに、逃げたい衝動に襲われる。
気持ちいい。熱い。もっと。いや。だめ。頭の中がぐちゃぐちゃに搔き混ぜられた。
口で追い詰める愛撫が今度は指に変わって、強く擦られると喘ぐ声が悲鳴に変わった。
アリシアの腰がビクビクと激しく痙攣して、蜜が垂れ流れるほど溢れてきたところで、ギルバートの指が蜜を絡めながら中に入ってきた。
「ひあぁ!」
アリシアの中は、きゅうきゅうと締め付けて、入ってきた指に吸い付くように蠢いていた。
ギルバートは昨夜のように自分の欲望だけを彼女にぶつけないように努めた。
アリシアに気持ち良くなってほしかったし、その姿を眺めるのも自分にとっては甘美な褒美だから。
それに、この体でアリシアを抱きたくなかった。
どうしても鏡で見た姿が思い出されて、それがギルバートの理性を呼び起こしてくれた。
自分勝手なことはわかっている。結局これだって欲望をぶつけているだけの行為なのに。
それでも止まらない。
アリシアが欲しくて、堪らなくなってしまった。
もしこれが指ではなくて、自分の欲望で硬くなったそれで突いたなら……どれだけ、甘美だろうか。
ギルバートの下で腰を振って鳴いているアリシアを見つめながら疼いて暴れそうな欲望を抑え込んだ。
指を激しく出し入れさせると、蜜が溢れて掻き混ざって、いやらしい音を立ててギルバートの指を濡らした。
「あ!ひゃ……あっ!ひ……くぅ!いくぅ!」
アリシアの声に感化されて、ギルバートの熱く破裂しそうな欲望がビクビクと反応していた。
「……うぅっ」
爆発しそうな欲望の渦が下腹部を刺激して、ギルバートの腰を動かした。
それでも脳裏に残るみっともない姿が、僅かな理性を保って、シーツを手で握り締めることで耐えた。
果てた後も余韻で快感に酔いしれているアリシアを眺めながら、指に絡みついた蜜を舐めた。
それでもまだ足りないから、ビクビクと痙攣して蜜を垂れ流しているそこを舐めて味わった。
アリシアは意識が朦朧としていた。
止まらない快感に襲われていると、下から突き上げるように電気が流れて、胸の先がゾクゾクと震えた。目がチカチカしてくると、ぐちゃぐちゃになった頭の中が真っ白になって、それまで掻き混ざっていたものが全部、津波に攫われたように消えていった。
その後も余韻に浸っていると、ギルバートの舌がアリシアの下半身を這いずり回って、舐めたり吸ったりしているのがわかっていたけれど、目を開ける力もなくて……眠りに落ちた。
眠ったアリシアの頬を撫でて、額に口付けをした。
眠っている彼女に触れる行動が癖になっている自分が可笑しくなって、静かに笑いながらベッドを離れた。
床に足をつけると、昨日までは杖を使っても困難だった歩行が、杖もなしで可能なことに気付いた。
昨日のように杖を手に取って、立ち上がろうとした。杖はその役目を果たせず、支えもなくギルバートは腰を持ち上げると、呆然と足元を見下ろして片足を床から離して、前に進んだ。
これは気のせいで、たまたまの出来事なのだと、信じられなかった。だから杖は念のために手に持っておいて、もう一歩試した。さらにもう一歩。
そうやって辿り着いた浴室にある鏡に映し出された自分の姿を見た。
相変わらず痩せ細った体は、理想の体格からは程遠く、頼りなさそうで見るに耐えなかった。
だけど、顔色が違った。
青白かった顔は血色が良くなって、そこだけを見れば健康に見える。
そういえば、アリシアを抱いていたとき、いつもは無いに等しかった握力を感じた。
手のひらを見つめて、握って開いてみた。
微弱だけど、力を込めて拳を握れた。
(どうして急に? いや、それよりも……なぜ?)
昨夜は、疲れを感じて体力がないことを嘆いたけれど、今は――。
考えられる原因は、アリシアのことだけだった。
治らない病だと医師から匙を投げられた。
どうせ死ぬのだからと満足に世話をしなかった者達。
アリシアだけが大丈夫だと励まし、生きてと望んでくれた。懸命に世話までして、ずっと側にいてくれたのは、彼女だけだ。
なぜかはわからない。不思議なことが今、自分の身に起きている。
アリシアが何かしたのか、どうやったのかわからないけれど、そんなことはどうでも良かった。追求する気も起きなかった。
叶わない夢だと諦めていたことが、叶えられるかもしれないという望みに変わると、ギルバートの胸が高鳴って止まらなかった。
何かを求めていた。望んで手を伸ばして、掴んだような気がしていた。なのに、握った手を開いてもそこには何も無かった。
その開いた手のひらを、なんとなしに胸に当ててみた。
トクトクと鼓動を感じる。
生きている音が心地良くて、ずっと聞いていたくなった。
この穏やかな時間に似た日を、知っている。
会いたい。突然湧いた感情が、誰に向けたものなのか……考えていると、甘い香りが鼻をくすぐった。
欲情に溺れた余韻が思い起こされて、閉じていた瞼を開ける。
霞んだ視界が次第にはっきりしてくると、目の前に露わになった素肌と胸があった。
意識が遠のくまでの記憶が少しづつよみがえる。
(……あのまま、眠ってしまったのか)
今の時刻が明け方であることはわかった。目の前に広がる光景が、桃色や赤い痕跡で色鮮やかに瞳に映ったから。
「……はあ」
呼び起された記憶と、夢ではなかった光景を見せつけられて、冷めた熱が再度沸き上がると、息が漏れた。
「ギル……起きた?」
視線を頭上から聞こえた声に向けると、アリシアが心配そうに見つめていた。
いつから、そうしていたのか。もしかして、ずっと……?
心配を掛けたことに申し訳なさが込み上げたけど、頭を撫でてくれるアリシアの手が優しくて、愛しくて、甘えたくなった。
「大丈夫?」
昨夜、甘い声を漏らしていた唇に視線を奪われていた。
「……うん」
アリシアの指先が伸びてきて、ギルバートの体調を確認するために頬を撫でる。それだけで、ギルバートの欲望が疼いた。
昨夜のように熱に浮かされて溺れたい衝動が沸き起こる。
けれど、また中途半端に終わらせて彼女に失望されたくはない。
なのに止まらない欲情がギルバートの口をついて出た。
「シア……しても、いい?」
肯定される前にすでに手はアリシアの腰を撫でていた。
「……っ」
アリシアの心配を他所に、昨夜の熱を呼び起こしたギルバートの言葉と、撫でる手つきにアリシアの体がビクリと反応した。
ギルバートが意識を失うように眠ってしまって、アリシアは心配で眠れなかった。
いつ発作を起こすか心配で、そのときは血を与えなければ……唇を噛んで、そこから出血したものを飲ませようかと考えながら。
ギルバートに吸われた体をそっと撫でて、自分が触っただけでは感じない体が不思議だと思った。
くすぐったいだけ。なのに、ギルバートが触れると跳ねる。
熱くなって、頭が朦朧として、自分が自分ではなくなるようで……けれど、嫌ではない。
むしろ――。
「ギルが、好きなようにして……」
答えると、肯定の言葉を待っていたギルバートがアリシアの唇を奪った。
軽い口付けを何度か交わして、視線を合わせると欲望で熱が込められた互いの瞳を確認して、舌を絡ませた。
体の上に乗りかかるギルバートの体重が、すでに上半身が露わになったアリシアには温かくて心地良かった。
肩や背中、腰、太もも……下半身に向かって流れていく彼の手の温もりも、そこから沸き上がる熱も気持ち良い。
唾液の絡まる音と、漏れる吐息の声に酔いしれながらギルバートの手はアリシアの下腹部を撫でて、下半身まで下ろされた着衣の中に滑り込んだ。
ふと、そこにあると思っていた感触がないことに気付いて、ギルバートの動きが止まった。
触れ合った唇は離れ難かったけど、言葉を出すにはそうせざるを得ないから、離した。
名残惜しいので、軽い口付けを一度だけして。
「……シア、下着、穿いてないの?」
熱が込められたままの青い瞳に、蕩けた目をした菫色の瞳が映される。
「……?寝る時は着けてないよ」
当然の様に言う。アリシアの習慣を初めて知って、ギルバートは悶えた。
毎晩、シルクの下に隠れた彼女の体をこっそりと眺めて想像していた。
少女から女性に変わっていく体が、滑らかな曲線を描いて、膨らみを増す胸は横たわる彼女が谷間を見せつけるようになった。
身に着けた衣の下がどれだけ甘く誘ってくれるのか……勝手に想像して、渇望していた。
そんな夜を何度も繰り返したことを思い出しながら、アリシアの衣を剥いだ。
露わになったアリシアの全身を眺めて、息を飲んだ。
想像していたよりも、ずっと、とてもきれいだと思った。
愛しくて、堪らなかった。
まだ口を付けていない箇所である下腹部を指でなぞると、アリシアの腰がピクリと跳ねて微かに声が漏れる。その反応にギルバートの欲望が擽られた。
「あ……」
アリシアの太ももを持ち上げて左右に広げると、甘い蜜で誘うそれが姿を見せた。
目にしただけで、ギルバートの下腹部が熱くなった。
鼓動が速くなったのを感じたが、昨夜のように体力の限界を迎えたわけじゃない。興奮しているせいだ。
下半身が疼いた。
渇きを覚えた喉が生唾を飲み込んだ。
初めて目にする箇所だから、形を確認するために指で広げながら撫でてみる。
「ふぁ……っ」
アリシアが欲情を煽る声を出して体を震わせると、撫でていたそこから蜜がとろりと垂れてきたのを指先で感じた。
その蜜を指先で掬い取って、さらに撫でた。
「ふ……ぅん」
甘い声が耳を伝って、脳を刺激してくる。
溢れ出る蜜が甘い香りを漂わせて、誘うように鼻先をくすぐってくるから、口の中で唾液が溢れた。
ゆっくり堪能したくて、暴れて彼女を傷つけないように気を付けようと耐えていたのに。
我慢できなくて、アリシアの脚の間に顔を埋めた。
開けた口から飲み込み切れなかった唾液が垂れて、溢れた蜜と混ざった。
「あ!」
指で愛撫されていた箇所に降ってきた熱いものに、体が反応して声が勝手に出た。
弄られてるそこから伝わる感触が、ギルバートの指ではない何かで。
熱くて、柔らかい何かがぴちゃぴちゃと音を立てている。
それまでの快感で熱に浮かされているけれど、その何かを知りたかった。
首を動かして下を向くと、青い瞳と視線がぶつかって心臓が跳ねた。
「……あ、あぁ……」
ギルバートの口から伸びた舌が蜜を舐め取っていた。中まで舌を入れて刺激していた。
その光景を目の当たりにして、快感を与えている正体を理解するとゾクゾクと背中が震えた。
体が悦んでいる。
昨夜もそうだった。ギルバートの手が触れると気持ちがいい。だけど、それよりも口で愛撫される方がアリシアの体は悦んで跳ねた。
ビクビクと跳ねる体に呼応して声が漏れる。
アリシアの体が熱に侵されていくと、ギルバートの口はどこよりも敏感な突起を吸った。
「ああ!」
電気が脳天まで走って、アリシアの腰が捩れた。
逃がさないように脚を掴んでギルバートはさらに口で強く吸って、舌先で舐めて追い詰める。
「あぁん!あ……はあっ」
アリシア本人も知らなかった。
こんなに刺激されて頭をおかしくさせる部位が自分にあったこと。
悦んでいるのに、逃げたい衝動に襲われる。
気持ちいい。熱い。もっと。いや。だめ。頭の中がぐちゃぐちゃに搔き混ぜられた。
口で追い詰める愛撫が今度は指に変わって、強く擦られると喘ぐ声が悲鳴に変わった。
アリシアの腰がビクビクと激しく痙攣して、蜜が垂れ流れるほど溢れてきたところで、ギルバートの指が蜜を絡めながら中に入ってきた。
「ひあぁ!」
アリシアの中は、きゅうきゅうと締め付けて、入ってきた指に吸い付くように蠢いていた。
ギルバートは昨夜のように自分の欲望だけを彼女にぶつけないように努めた。
アリシアに気持ち良くなってほしかったし、その姿を眺めるのも自分にとっては甘美な褒美だから。
それに、この体でアリシアを抱きたくなかった。
どうしても鏡で見た姿が思い出されて、それがギルバートの理性を呼び起こしてくれた。
自分勝手なことはわかっている。結局これだって欲望をぶつけているだけの行為なのに。
それでも止まらない。
アリシアが欲しくて、堪らなくなってしまった。
もしこれが指ではなくて、自分の欲望で硬くなったそれで突いたなら……どれだけ、甘美だろうか。
ギルバートの下で腰を振って鳴いているアリシアを見つめながら疼いて暴れそうな欲望を抑え込んだ。
指を激しく出し入れさせると、蜜が溢れて掻き混ざって、いやらしい音を立ててギルバートの指を濡らした。
「あ!ひゃ……あっ!ひ……くぅ!いくぅ!」
アリシアの声に感化されて、ギルバートの熱く破裂しそうな欲望がビクビクと反応していた。
「……うぅっ」
爆発しそうな欲望の渦が下腹部を刺激して、ギルバートの腰を動かした。
それでも脳裏に残るみっともない姿が、僅かな理性を保って、シーツを手で握り締めることで耐えた。
果てた後も余韻で快感に酔いしれているアリシアを眺めながら、指に絡みついた蜜を舐めた。
それでもまだ足りないから、ビクビクと痙攣して蜜を垂れ流しているそこを舐めて味わった。
アリシアは意識が朦朧としていた。
止まらない快感に襲われていると、下から突き上げるように電気が流れて、胸の先がゾクゾクと震えた。目がチカチカしてくると、ぐちゃぐちゃになった頭の中が真っ白になって、それまで掻き混ざっていたものが全部、津波に攫われたように消えていった。
その後も余韻に浸っていると、ギルバートの舌がアリシアの下半身を這いずり回って、舐めたり吸ったりしているのがわかっていたけれど、目を開ける力もなくて……眠りに落ちた。
眠ったアリシアの頬を撫でて、額に口付けをした。
眠っている彼女に触れる行動が癖になっている自分が可笑しくなって、静かに笑いながらベッドを離れた。
床に足をつけると、昨日までは杖を使っても困難だった歩行が、杖もなしで可能なことに気付いた。
昨日のように杖を手に取って、立ち上がろうとした。杖はその役目を果たせず、支えもなくギルバートは腰を持ち上げると、呆然と足元を見下ろして片足を床から離して、前に進んだ。
これは気のせいで、たまたまの出来事なのだと、信じられなかった。だから杖は念のために手に持っておいて、もう一歩試した。さらにもう一歩。
そうやって辿り着いた浴室にある鏡に映し出された自分の姿を見た。
相変わらず痩せ細った体は、理想の体格からは程遠く、頼りなさそうで見るに耐えなかった。
だけど、顔色が違った。
青白かった顔は血色が良くなって、そこだけを見れば健康に見える。
そういえば、アリシアを抱いていたとき、いつもは無いに等しかった握力を感じた。
手のひらを見つめて、握って開いてみた。
微弱だけど、力を込めて拳を握れた。
(どうして急に? いや、それよりも……なぜ?)
昨夜は、疲れを感じて体力がないことを嘆いたけれど、今は――。
考えられる原因は、アリシアのことだけだった。
治らない病だと医師から匙を投げられた。
どうせ死ぬのだからと満足に世話をしなかった者達。
アリシアだけが大丈夫だと励まし、生きてと望んでくれた。懸命に世話までして、ずっと側にいてくれたのは、彼女だけだ。
なぜかはわからない。不思議なことが今、自分の身に起きている。
アリシアが何かしたのか、どうやったのかわからないけれど、そんなことはどうでも良かった。追求する気も起きなかった。
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