【R18】生贄の姫は皇子に喰われたい

あまやどんぐり

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42.満ちる、そして(中)

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 それから、宿にて――目の前のベッドを見つめながら、もうこれ以上無理だと思うくらい激しく脈打つ鼓動がアリシアの緊張を物語っていた。

『……帰ったら、そのとき』

 ギルバートとした約束――もうずっと前から、彼とそうなることを望んでいたし、半年前だって、素直に彼に「欲しい」と言えた。
 なのに、なんで、こんな……今になって、なぜか恥ずかしさが込み上げてきてアリシアはベッドに近付けずに立ち尽くしていた。

 お気に入りの香油を使ったマッサージを受けて、湯浴みを済ませてギルバートと共にする寝室にやってくると、ギルバートはまだいなくて、ベッドに座って待っていようかと向かったはずなのに、足がピタリと止まった。

 この流れは、今夜、これから、ギルバートとしたあの約束が果たされるのではないのかと、急に気が付いたから。

 今この瞬間まで、アリシアはそんなこと考えることすらしていなかった。

 確か、ギルバートを港まで迎えに行って、色んな話をしながら、あの頃みたいに一緒のベッドに並んで眠る……そのときは、もう遠慮なんかしないでギルバートの胸にくっついて眠るのだと、そのときを楽しみにして胸を高鳴らせていた。

 (それ以上のことは、いつか……とは思っていたけど……今?)

 いや、今でもいい。いいのだけど、心の準備が出来ていなくて、でもそうこうしている内に彼がやって来てしまうからと、焦っていると顔が熱くなっていることに気が付いて、落ち着こうと両頬をぺちぺちと叩いた。皇宮を離れてから、癖になってしまったそれをしているときだった。

「シア、どうしたの?」

「……!」

 背後からそっと、アリシアの腰に手を当てたギルバートが声を掛けると、びくりと体が跳ねた。

「ギル……」

 ぺちぺち叩いていたから、ドアの開く音に気が付かなかった。
 頬に手を当てたまま振り返ると、アリシアの様子を不思議そうに見るギルバートが、アリシアの手の上から自分の手を重ねて、アリシアの顔を覗き込んだ。

 ギルバートの青い瞳と目が合うと、体が縛られたように動けなくなって、ギルバートの口付けが額に落ちてくると、少しだけ鼓動の音が落ち着いた。そのまま、アリシアの唇にギルバートが軽い口付けをしてから、また視線を絡めると、ギルバートの指がアリシアの下唇を撫でた。

「あの、私……」

 微かに開けた口から声を出すと、その口を塞ごうとしていたギルバートは動きを止めて、アリシアの声に耳を傾けた。

「緊張してて……だから、その」

 ギルバートにも気持ち良くなって欲しいのに、上手く出来ないかもしれない。その不安を伝えたいのに、ギルバートは最後まで待てずにアリシアの口を塞いで言葉を飲み込ませた。

「ん……ぅ」

 アリシアは舌を舐められると、それだけで下腹部が疼いた。
 舌を吸われた刺激に、アリシアが堪らず甘い声を漏らすと、ギルバートが唇を離して一時の休憩を与えると共に、抑えることが難しくなった欲情を打ち明けた。

「ごめんね……もう、我慢できない」

 そう言って、すぐにまた重ねた口の中で激しい愛撫が始まると、体が痺れて、アリシアの脚の間から蜜が垂れた。蜜が太ももを伝う感触に、立っているのが恥ずかしくなったアリシアが、ギルバートのガウンを掴んで引っ張った。
 アリシアの口を解放してあげると、菫色の瞳を潤ませて、熱い吐息を漏らしながら見上げてくる彼女の姿が、ギルバートの欲望を刺激する。

「……ベッド、行こ……?」

 湯浴みをしているときから、ギルバートは体が疼いて仕方なかった。
 アリシアの蜜の味が口の中で鮮明に思い出されると、彼女の甘い香りが漂ってきた。幻であることをわかっていながらも、欲望が疼いてどうしようもなくて、だけどその欲望は今夜アリシアにぶつけたいのだと、頭の中の理性を無理矢理引っ張って、どうにか抑えてここまで来たのだ。

 だけど、もう限界だった。

 アリシアを抱えて数歩先のベッドに辿り着くと、アリシアを座らせてネグリジェの胸元の紐を解いて、上半身の素肌を露わにした。
 優しくする余裕なんてなくて、すぐに首にかぶりつくと、そのままアリシアを押し倒して、口で肌を味わいながら、手で体を弄った。

「あ……! ひあ……あっ」

 肌を強く吸われる痛みが体を襲うと、快感に変わってアリシアを悶えさせて、腰が浮いて下腹部がビクビクと震えた。
 追い打ちをかけるように胸を咥えて噛むと、アリシアの足の指がシーツを撫でて、刺激される度に溢れる蜜がアリシアの脚の間を濡らしていた。

 休む暇もなく襲ってくる快感に堪らずに、アリシアがギルバートのガウンを掴んで引っ張るおかげで、乱れてしまったそれが邪魔に感じて、ギルバートは脱ぎ捨てて素肌を晒した。

 以前よりも屈強な体を見せたギルバートの姿を目にしただけで、アリシアの体が震えて悦んだ。
 これから、この肉体が自分を快楽に溺れさせるのだと想像するだけで、早く欲しいと求めてしまう。

 乱れたネグリジェを剝ぎ取られて裸になったアリシアが手を伸ばすと、その誘いに引き込まれるようにギルバートは唇を重ねた。

 溢れる唾液を舐め取ってから、互いに舌を舐め合った。
 ギルバートの髪を撫でながら、涙で潤んだ瞳で「もっと」と強請るアリシアの太ももに手を滑らせると、蜜で濡れるそこに触れた。

「シア……すごい濡れてる」

 アリシアと過ごした最後の夜も数ヵ月ぶりにした行為であったのに、ここまで濡れてはいなかった。

「感じやすくなった?」

 唇を吸いながら声を掛けると、甘い声を漏らしながらアリシアも話した。

「久しぶり……だか、ら……」

 ギルバートが濡れたそこを指で撫でて刺激するから、体がビクビク跳ねて喋り辛かった。

「自分でしなかったの?」

 離れている間に、この可愛い人はどうやって自分の体を慰めるのかと想像したことがあったけれど、そうしなかったのだろうか。

「……し、てな……っい」

 指先で蜜を撫でて、ぴちゃぴちゃと音を楽しむギルバートにもどかしくなるアリシアの気持ちとは裏腹に、体が悦んで頭がおかしくなりそうだった。

「ギルじゃ、ないと……やだ」

 自分の手で彼が触れたところを触ってみたけれど、何も感じなかった。
 彼に噛まれて、舐められて、吸われたことを思い出したけど、ギルバートの温もり以外にアリシアの体は反応しなかった。
 思っていた以上に、アリシアの体は彼に溺れていたらしい。

「……そう」

 嬉しいことを言ってくれるアリシアに、褒美として蜜が溢れるそこに指を咥えさせてあげた。

「んあぁ……!」

 中までびっしょりと濡らしている蜜のおかげで、難なく入った指がアリシアの体に快感の電気を流して仰け反らせた。

「いっぱい、気持ち良くしてあげるね」

 指で激しく突くと、さらに蜜が溢れてシーツを汚していく。
 ギルバートは、愛しい人が自分の手で乱れて、喘いで腰を振る姿をもっと見たくて、アリシアの胸の先を摘まむと、淫らな体が悦んで跳ねた。
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