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84 countless eyes★(2)
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まるで何かの芸事を楽しむように、舐めるような視線が纏わりつく。無数の視線に晒されている肌は、何かの刺激を受けているように粟立った。それは、肌に刺激の与えることなど出来ない形のないはずのものだ。
裸体の上に、不思議なほどに快感に似たような感触を持つ視線という筆のようなものに撫で回されているようだ。
頬を染めたままでロミオの前に座ると、彼の目はすぐに見て察してしまえる程の強い悔しさを滲ませていた。自分の大事な恋人の裸体がこんなにも多くの目に晒され、我慢ならないほどの怒りが湧いて来たのだろう。
「ロミオ……大丈夫だから」
彼の大きくて熱い手を握れば、ぎゅっと握り返した後で、そのままぎゅうっと抱きすくめられた。力強い抱擁で、彼の強い思いは知れた。
胸の先に舌を這わせて、ロミオの丁寧な愛撫は始まった。もうどうしてもしなければいけない事なのなら、こんな状態で時間は掛けたくない。
だが、ミルドレッドの身体には負担は掛けたくない。そんな相反する気持ちが見えるような、無駄のない動きで勝手知ったるミルドレッドの身体の感じるところをこれでもかと責め立てた。
「うっ……ああっ……気持ち良いっ……はあっ……ロミオ……」
両胸の尖りをしっかりと快感に堕とされて、ミルドレッドは背を逸らし一度目の絶頂を味わった。息をつく間もなく無数に居る魔物の一人が興奮するように声を上げて、叫んだのでビクリと身体を緊張させたミルドレッドの髪をロミオは目を合わせて優しく撫でた。
「大丈夫だ。俺だけを見て。目を逸らさないで」
ロミオの安心させるようなゆっくりとした声を聞き、ミルドレッドは顔をより赤くして頷いた。
彼は閉じていた両足をそろりと開き、隠れていた花芽に舌を這わせた。今までの念入りの愛撫で高められた鋭い快感は、速度を上げて増していく。ぴちゃぴちゃと熱い舌はそのものが生き物のように動き、時折啜るような音も混じった。そのまま何度か絶頂を味わい、とろけた視線をロミオを向けているミルドレッドに、彼は微笑んだ。
「大丈夫?」
「ロミオ……」
聞けば切なくなるような声音でロミオを呼んだことで、彼はそれでどうして欲しいのかという意図をきっと理解してくれたはずだ。覚悟を決めるように彼は下衣を落として、雄々しく勃ち上がったものを濡れている蜜口に当てた。
ゆっくりと何度かその上を往復して、くぷりと大きく丸いものが柔肉に包まれて彼の形になってしまっている中を奥まで一気に貫いた。いきなり良いとこをを刺激されて、思わずミルドレッドは声を上げた。
「ふっ……ああっ……あっ……」
蜜口辺りはとろけて、彼が一度抜いて戻る時にずちゅっとした淫らな水音が響いた。それが開始の音になり、ミルドレッドの甘い声と肉のぶつかり合う音だけが広い空間に響いた。
目だけが存在を表す聴衆たちは、一様に興奮したような荒い息をついている。
「っ……ふっ……」
ロミオが一度熱を放つと、彼はやっとこの苦行を終えることが出来たとみて、眉を寄せつつ苦い顔で男根を引き抜こうと後ろに下がろうとした時に、幼い声は響いた。
「一回だけでは、足りない。もっと見せてくれ……それに、確か後ろから突くような体勢も、あったとは思うが」
エレクゼイドの声は、淡々としていた。性欲があるかないか良くわからない彼は、研究対象を熱心に見つめる研究者のようだ。
「っ……お前……」
余りの悔しさにロミオが奥歯を鳴らした音を聞いて、快感に視界を曇らせていたミルドレッドは上半身を起こして声を出した。
「ロミオっ……やめて。しましょう。短気を起こさないで。お願いだから」
そして、ミルドレッドは四つん這いになり、腰を上げ出来るだけ悲壮な様子を見せずに言った。
エレクゼイドは、きっとどっちでも良いのだ。殺しても、殺さなくても。彼に満足してもらえば帰れるのなら、そうするべきだった。
蜜口から、とろりと何かがこぼれるような感覚を感じた。
「ミルドレッド……本当に、ごめん……」
辛そうな声を出したロミオ自身だってこれが命が助かるためだとは、理解はしている。
だが、どうしても無数の目に自分の恋人との性行為を晒している状況が耐え難いのだろう。自分の迷いを振り切るようにぐずぐずに濡れ切った蜜口に、彼はまた大きくなっている熱杭を押し当てた。
裸体の上に、不思議なほどに快感に似たような感触を持つ視線という筆のようなものに撫で回されているようだ。
頬を染めたままでロミオの前に座ると、彼の目はすぐに見て察してしまえる程の強い悔しさを滲ませていた。自分の大事な恋人の裸体がこんなにも多くの目に晒され、我慢ならないほどの怒りが湧いて来たのだろう。
「ロミオ……大丈夫だから」
彼の大きくて熱い手を握れば、ぎゅっと握り返した後で、そのままぎゅうっと抱きすくめられた。力強い抱擁で、彼の強い思いは知れた。
胸の先に舌を這わせて、ロミオの丁寧な愛撫は始まった。もうどうしてもしなければいけない事なのなら、こんな状態で時間は掛けたくない。
だが、ミルドレッドの身体には負担は掛けたくない。そんな相反する気持ちが見えるような、無駄のない動きで勝手知ったるミルドレッドの身体の感じるところをこれでもかと責め立てた。
「うっ……ああっ……気持ち良いっ……はあっ……ロミオ……」
両胸の尖りをしっかりと快感に堕とされて、ミルドレッドは背を逸らし一度目の絶頂を味わった。息をつく間もなく無数に居る魔物の一人が興奮するように声を上げて、叫んだのでビクリと身体を緊張させたミルドレッドの髪をロミオは目を合わせて優しく撫でた。
「大丈夫だ。俺だけを見て。目を逸らさないで」
ロミオの安心させるようなゆっくりとした声を聞き、ミルドレッドは顔をより赤くして頷いた。
彼は閉じていた両足をそろりと開き、隠れていた花芽に舌を這わせた。今までの念入りの愛撫で高められた鋭い快感は、速度を上げて増していく。ぴちゃぴちゃと熱い舌はそのものが生き物のように動き、時折啜るような音も混じった。そのまま何度か絶頂を味わい、とろけた視線をロミオを向けているミルドレッドに、彼は微笑んだ。
「大丈夫?」
「ロミオ……」
聞けば切なくなるような声音でロミオを呼んだことで、彼はそれでどうして欲しいのかという意図をきっと理解してくれたはずだ。覚悟を決めるように彼は下衣を落として、雄々しく勃ち上がったものを濡れている蜜口に当てた。
ゆっくりと何度かその上を往復して、くぷりと大きく丸いものが柔肉に包まれて彼の形になってしまっている中を奥まで一気に貫いた。いきなり良いとこをを刺激されて、思わずミルドレッドは声を上げた。
「ふっ……ああっ……あっ……」
蜜口辺りはとろけて、彼が一度抜いて戻る時にずちゅっとした淫らな水音が響いた。それが開始の音になり、ミルドレッドの甘い声と肉のぶつかり合う音だけが広い空間に響いた。
目だけが存在を表す聴衆たちは、一様に興奮したような荒い息をついている。
「っ……ふっ……」
ロミオが一度熱を放つと、彼はやっとこの苦行を終えることが出来たとみて、眉を寄せつつ苦い顔で男根を引き抜こうと後ろに下がろうとした時に、幼い声は響いた。
「一回だけでは、足りない。もっと見せてくれ……それに、確か後ろから突くような体勢も、あったとは思うが」
エレクゼイドの声は、淡々としていた。性欲があるかないか良くわからない彼は、研究対象を熱心に見つめる研究者のようだ。
「っ……お前……」
余りの悔しさにロミオが奥歯を鳴らした音を聞いて、快感に視界を曇らせていたミルドレッドは上半身を起こして声を出した。
「ロミオっ……やめて。しましょう。短気を起こさないで。お願いだから」
そして、ミルドレッドは四つん這いになり、腰を上げ出来るだけ悲壮な様子を見せずに言った。
エレクゼイドは、きっとどっちでも良いのだ。殺しても、殺さなくても。彼に満足してもらえば帰れるのなら、そうするべきだった。
蜜口から、とろりと何かがこぼれるような感覚を感じた。
「ミルドレッド……本当に、ごめん……」
辛そうな声を出したロミオ自身だってこれが命が助かるためだとは、理解はしている。
だが、どうしても無数の目に自分の恋人との性行為を晒している状況が耐え難いのだろう。自分の迷いを振り切るようにぐずぐずに濡れ切った蜜口に、彼はまた大きくなっている熱杭を押し当てた。
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