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第10話 参加する理由
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ロドルフ様から届いた手紙を開き、読んでました。
「どうやらルナルド公爵夫人の主催でデビュタントした子息や令嬢を集めた社交パーティを開くそうです。これはその招待状ですね」
「うわぁ、あの屑男はデビュタントの時にあんなこと言ってたんでしょ?絶対何かあるよこのパーティ!」
わたしもその可能性を考えました。ルナルド公爵夫人は釣り上がった目が特徴的で、少し近寄り難い綺麗な女性ですが、心はとても暖かい方です。婚約が決まってすぐに公爵夫人とお茶会をしましたが、会ったばかりのわたしにとても親切にしてくださり、ラパン伯爵家の令嬢としてではなくわたしとして見てくださいました。そんな方が罠を仕掛けるためにパーティを開くとは思えません。
「恐らく、社交パーティ自体は公爵夫人の善意で開かれたものだと思います。ですが、ロドルフ様はこれを利用するに違いありません」
「それなら尚更行かない方がいいんじゃないの?」
確かに、ロドルフ様の計画を知っている今ならそれを回避することは可能です。自ら好奇の視線に晒されにいく必要もありません。
ですが……
「ステフ、この手紙は誰から受け取りましたか?」
「お母さま!しっかりとどけるように言われたの!」
「やはりですか……」
わたしとロドルフ様の事情を知っているはずのお母様が、この手紙を処分せずわたしに渡してきたということは、何か意味があるに違いありません。
それなら……
「パメラ、パーティに参加するとお母様に伝えて」
わたしはその場で返事を書き、それをパメラに渡しました。
「本当に出るの?」
「はい、利用されるのは嫌ですが……わたしもラパン伯爵家の1人です。それを避けて逃げたくありません」
わたしは自分の思いを真っ直ぐに話すと、アニー様はクスリと笑いました。
「もう、しょうないがないなぁ。シエルが行くなら私も行くよ、きっと私のところにも招待状が来てると思うし」
「アニー様!」
「私が側にいるから、一緒にあの屑男を見返そう!」
「はい!」
こうして、わたしは公爵家の社交パーティに行くことになりました。
「どうやらルナルド公爵夫人の主催でデビュタントした子息や令嬢を集めた社交パーティを開くそうです。これはその招待状ですね」
「うわぁ、あの屑男はデビュタントの時にあんなこと言ってたんでしょ?絶対何かあるよこのパーティ!」
わたしもその可能性を考えました。ルナルド公爵夫人は釣り上がった目が特徴的で、少し近寄り難い綺麗な女性ですが、心はとても暖かい方です。婚約が決まってすぐに公爵夫人とお茶会をしましたが、会ったばかりのわたしにとても親切にしてくださり、ラパン伯爵家の令嬢としてではなくわたしとして見てくださいました。そんな方が罠を仕掛けるためにパーティを開くとは思えません。
「恐らく、社交パーティ自体は公爵夫人の善意で開かれたものだと思います。ですが、ロドルフ様はこれを利用するに違いありません」
「それなら尚更行かない方がいいんじゃないの?」
確かに、ロドルフ様の計画を知っている今ならそれを回避することは可能です。自ら好奇の視線に晒されにいく必要もありません。
ですが……
「ステフ、この手紙は誰から受け取りましたか?」
「お母さま!しっかりとどけるように言われたの!」
「やはりですか……」
わたしとロドルフ様の事情を知っているはずのお母様が、この手紙を処分せずわたしに渡してきたということは、何か意味があるに違いありません。
それなら……
「パメラ、パーティに参加するとお母様に伝えて」
わたしはその場で返事を書き、それをパメラに渡しました。
「本当に出るの?」
「はい、利用されるのは嫌ですが……わたしもラパン伯爵家の1人です。それを避けて逃げたくありません」
わたしは自分の思いを真っ直ぐに話すと、アニー様はクスリと笑いました。
「もう、しょうないがないなぁ。シエルが行くなら私も行くよ、きっと私のところにも招待状が来てると思うし」
「アニー様!」
「私が側にいるから、一緒にあの屑男を見返そう!」
「はい!」
こうして、わたしは公爵家の社交パーティに行くことになりました。
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