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第四章 膨らむ欲望の縄痕
30 熟れてくる果実
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◇◇
「行けるか?」
俺達はずっと上方にある果実を見上げている。『スクリーマー・スィート』、物凄い味のしっかりした美味しい果実だ。問題は収穫するのになかなか困難な場所に実るという事。
今回もスクリーマーという種類の木の上の方に実っているのだが、この木は大型に育つ。目を凝らしても掌大の果実は砂粒ぐらいの大きさに見える。更に困難なのは魔法で落とそうとするとこの木は魔法に敏感に反応して悲鳴を上げる。その悲鳴は人間の意識を完全に奪うほど甲高いのである。かといって魔法の出力を上げると果実が燃え尽きたりしてしまうのだ。
商人を犯してから俺達は少し離れた場所で仮眠した。お互いに興奮が長く続いて結局朝日が昇るとすぐに出発をした。目的地はないが取り敢えず西へ向かう事にしたのだ。ちょうど朝食後で小腹が空いてきた時にスクリーマー・スィートを発見した。
俺は蔦の一つをゆっくりと登っている。もう結構高い所にいるのだがもう少しでその果実に手が届く。手を伸ばして少し離れた場所に実っている真っ赤な球体に指が届きそうだ。
ズルッ
「ぅわっ!」
物凄いスピードで体が地上へと落ちていく。
下にいた魔王が手を振り上げて飛行魔法を飛ばそうとしてくる。
――――くそ! その前に……!
手を目いっぱい伸ばし蔦に絡ませる。一気にスピードが緩くなり、肩が持って行かれそうなぐらい衝撃が来る。
ガンッ
「……痛ってぇ……」
俺は衝撃に閉じた目を開けるとぎょっとする。すぐ目の前を艶やかな漆黒の瞳が俺を見つめ返している。
「気付いたか?」
魔王の形のいい口角が上がっている。
俺を受け止めた時に地面に転んだのだろう、俺の右脚が彼の足の間に入っている。
「……」
二人共お互いに視線を外さない。腰を押し付けたまま、身動きを取らない。
彼の顔の横で地面に着いた手が鉛になったような気がして動かせない。彼の右手も俺を受け止めた時に腰に廻されたままだ。
「……ふっ」
魔王は僅かに目を細めて自分の唇を舐める。
あの赤い舌にむしゃぶりつきたいのを一生懸命堪える。まるで忍耐が試されているようだ。
どちらかがゆっくりと深く深呼吸をする。
どちらが先だったか分からない。彼は俺の反応した股間を少し自分の方へと押し付ける。彼の硬い肉棒がグリッと俺の骨盤に食い込む。あまり動かないようにしながらも無言でお互いの硬さを確かめ合っているかのように押し付け合う。
――――触りてぇ! くそ、こいつもこんなに反応しているのに!
俺の爪が地面に食い込む。
「……触らないのか?」
少し笑いを含んだ彼の低く、艶っぽい声が俺の耳を撫でる。
「うるせぇ。この状況で煽るんじゃねぇよ。お前こそ、触らねぇのかよ?」
「ふっ。君がもっと私を欲しくなるまで、触らない」
「……格好いいセリフだが、腰の手は一足先に俺の体を弄っているぞ」
俺の腰をもう一度だけ自分の下半身に押し付けると魔王は笑いながら俺のシャツから手を引き抜き、上半身を押し退ける。彼の指が直接触れていた皮膚が燃えるように敏感に痙攣をしている。
魔法が解けたように彼から体を離して立ち上がり、手を貸す。
「お前が下敷きになってくれた助かったぜ、サンキュー」
「人間より丈夫だからな。何故魔法を嫌がる?」
「勇者としてのプライドはあるんだよ。そんな簡単にやすやすと魔法で助けて貰えばいいってもんじゃねぇよ。なんか癪に触る」
「その割には私がいなければ怪我をしていただろう」
「うるせぇ。……お前、怪我は?」
「ない。そんなヤワに出来ていない」
「俺だってそんなヤワじゃねぇよ」
魔王も俺も今の出来事を流している。地面に食い込ませた時に爪の下に入り込んだ土をチラッと見る。
――――くそ、マジでどうにかなっちゃいそうだ
「行けるか?」
俺達はずっと上方にある果実を見上げている。『スクリーマー・スィート』、物凄い味のしっかりした美味しい果実だ。問題は収穫するのになかなか困難な場所に実るという事。
今回もスクリーマーという種類の木の上の方に実っているのだが、この木は大型に育つ。目を凝らしても掌大の果実は砂粒ぐらいの大きさに見える。更に困難なのは魔法で落とそうとするとこの木は魔法に敏感に反応して悲鳴を上げる。その悲鳴は人間の意識を完全に奪うほど甲高いのである。かといって魔法の出力を上げると果実が燃え尽きたりしてしまうのだ。
商人を犯してから俺達は少し離れた場所で仮眠した。お互いに興奮が長く続いて結局朝日が昇るとすぐに出発をした。目的地はないが取り敢えず西へ向かう事にしたのだ。ちょうど朝食後で小腹が空いてきた時にスクリーマー・スィートを発見した。
俺は蔦の一つをゆっくりと登っている。もう結構高い所にいるのだがもう少しでその果実に手が届く。手を伸ばして少し離れた場所に実っている真っ赤な球体に指が届きそうだ。
ズルッ
「ぅわっ!」
物凄いスピードで体が地上へと落ちていく。
下にいた魔王が手を振り上げて飛行魔法を飛ばそうとしてくる。
――――くそ! その前に……!
手を目いっぱい伸ばし蔦に絡ませる。一気にスピードが緩くなり、肩が持って行かれそうなぐらい衝撃が来る。
ガンッ
「……痛ってぇ……」
俺は衝撃に閉じた目を開けるとぎょっとする。すぐ目の前を艶やかな漆黒の瞳が俺を見つめ返している。
「気付いたか?」
魔王の形のいい口角が上がっている。
俺を受け止めた時に地面に転んだのだろう、俺の右脚が彼の足の間に入っている。
「……」
二人共お互いに視線を外さない。腰を押し付けたまま、身動きを取らない。
彼の顔の横で地面に着いた手が鉛になったような気がして動かせない。彼の右手も俺を受け止めた時に腰に廻されたままだ。
「……ふっ」
魔王は僅かに目を細めて自分の唇を舐める。
あの赤い舌にむしゃぶりつきたいのを一生懸命堪える。まるで忍耐が試されているようだ。
どちらかがゆっくりと深く深呼吸をする。
どちらが先だったか分からない。彼は俺の反応した股間を少し自分の方へと押し付ける。彼の硬い肉棒がグリッと俺の骨盤に食い込む。あまり動かないようにしながらも無言でお互いの硬さを確かめ合っているかのように押し付け合う。
――――触りてぇ! くそ、こいつもこんなに反応しているのに!
俺の爪が地面に食い込む。
「……触らないのか?」
少し笑いを含んだ彼の低く、艶っぽい声が俺の耳を撫でる。
「うるせぇ。この状況で煽るんじゃねぇよ。お前こそ、触らねぇのかよ?」
「ふっ。君がもっと私を欲しくなるまで、触らない」
「……格好いいセリフだが、腰の手は一足先に俺の体を弄っているぞ」
俺の腰をもう一度だけ自分の下半身に押し付けると魔王は笑いながら俺のシャツから手を引き抜き、上半身を押し退ける。彼の指が直接触れていた皮膚が燃えるように敏感に痙攣をしている。
魔法が解けたように彼から体を離して立ち上がり、手を貸す。
「お前が下敷きになってくれた助かったぜ、サンキュー」
「人間より丈夫だからな。何故魔法を嫌がる?」
「勇者としてのプライドはあるんだよ。そんな簡単にやすやすと魔法で助けて貰えばいいってもんじゃねぇよ。なんか癪に触る」
「その割には私がいなければ怪我をしていただろう」
「うるせぇ。……お前、怪我は?」
「ない。そんなヤワに出来ていない」
「俺だってそんなヤワじゃねぇよ」
魔王も俺も今の出来事を流している。地面に食い込ませた時に爪の下に入り込んだ土をチラッと見る。
――――くそ、マジでどうにかなっちゃいそうだ
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