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天文28年
第四十七話 愛染明王vs王大猿
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私はお市、そして目の前に現れたのは大猿の絡繰人形。
「愛染明王!」
私も自分の絡繰人形を呼び出し、対峙する。
さて相手の絡繰人形は抱えた球体以外に武器らしい武器を持ってないようだが、あの球でどうやって戦うのやら、と思ったら。
いきなり手にした球を落下させ、右足で勢いよく蹴り出した。
まんま蹴鞠の直接攻撃かっ!
「蒼玉!」
私は目の前に蒼光の大楯を展開する……が、球はそれも貫通する!
うわっとと!
間一髪私は球を避けたが、いや防御すら出来ない武器とかやばいだろ。
しかし所詮は球、投げっぱなしで次は続かないだろうと思っていたら、球が勝手に相手の絡繰人形の手元に戻っていった。
「糸の糸で回収できるようになってるんですー」
糸の糸って面倒くさいな!
最初が彼女の名前で、その次のは本当の糸の方か。
しかしあんな攻撃、どうやって対策をしろと。
例によって光が貫通するなら、天叢雲剣で撃ち返したり防ぐのも無理だろうからなあ。
あっいや待て……よく考えたら対策はあるな。唐突に思いついたよ。
「避けたのは偉いですが、次はないですよー?」
そう言って彼女は両手に球を持ち、それを蹴……ると同じ瞬間に、愛染明王を全解除。
「えっ!?一体何処に」
急に目の前の標的がいなくなり、慌てる糸さん。
その隙に私は、蒸着絡繰で素早く絡繰・王大猿の近くまで移動する。
「あっ見つけましたー!
踏み潰しますが、悪く思わないで下さいねー」
あと一歩で私が彼女の絡繰人形に触れようかという瞬間、近づいた側の足を振り上げる。
うん、絶対そうすると思ったよ。
しろぶ……もとい賢政っ!
「承知したでござる、愛染様!」
どんな生き物ででも絡繰人形でも、片足立ちは平衡感覚が悪くなる。
そこに守護豚で体当たりすれば……
「……わわっ!」
当然、転倒する。
そして起きあがろうとした、その隙に。
「……まいりましたー」
と声をあげる糸さん。
倒れた絡繰の胸部に乗り、操縦席を強引に天叢雲剣でこじ開けると、中の人である糸さんは丸腰。
蒸着絡繰で完全武装した私の敵ではなかった。
「うー、でも悔しいですー
もう一度、今度は私の得意分野で戦わせて欲しいですー」
負けた糸さんが本当に悔しそうに、泣きの一回を要求してきた。
「何と図々しい。
愛染様に相手してもらっただけでも光栄に……ぶげらっ!」
黙れ白豚、とばかりに私は彼の腹に肘鉄を喰らわせる。
まあうん、こっちも騙し討ちみたいな勝利だし、内容によっては再戦を了承するよ?
それで、何の勝負がしたいの?
「ずばり!守護者を使った猿式蹴鞠での対決ですー」
「愛染明王!」
私も自分の絡繰人形を呼び出し、対峙する。
さて相手の絡繰人形は抱えた球体以外に武器らしい武器を持ってないようだが、あの球でどうやって戦うのやら、と思ったら。
いきなり手にした球を落下させ、右足で勢いよく蹴り出した。
まんま蹴鞠の直接攻撃かっ!
「蒼玉!」
私は目の前に蒼光の大楯を展開する……が、球はそれも貫通する!
うわっとと!
間一髪私は球を避けたが、いや防御すら出来ない武器とかやばいだろ。
しかし所詮は球、投げっぱなしで次は続かないだろうと思っていたら、球が勝手に相手の絡繰人形の手元に戻っていった。
「糸の糸で回収できるようになってるんですー」
糸の糸って面倒くさいな!
最初が彼女の名前で、その次のは本当の糸の方か。
しかしあんな攻撃、どうやって対策をしろと。
例によって光が貫通するなら、天叢雲剣で撃ち返したり防ぐのも無理だろうからなあ。
あっいや待て……よく考えたら対策はあるな。唐突に思いついたよ。
「避けたのは偉いですが、次はないですよー?」
そう言って彼女は両手に球を持ち、それを蹴……ると同じ瞬間に、愛染明王を全解除。
「えっ!?一体何処に」
急に目の前の標的がいなくなり、慌てる糸さん。
その隙に私は、蒸着絡繰で素早く絡繰・王大猿の近くまで移動する。
「あっ見つけましたー!
踏み潰しますが、悪く思わないで下さいねー」
あと一歩で私が彼女の絡繰人形に触れようかという瞬間、近づいた側の足を振り上げる。
うん、絶対そうすると思ったよ。
しろぶ……もとい賢政っ!
「承知したでござる、愛染様!」
どんな生き物ででも絡繰人形でも、片足立ちは平衡感覚が悪くなる。
そこに守護豚で体当たりすれば……
「……わわっ!」
当然、転倒する。
そして起きあがろうとした、その隙に。
「……まいりましたー」
と声をあげる糸さん。
倒れた絡繰の胸部に乗り、操縦席を強引に天叢雲剣でこじ開けると、中の人である糸さんは丸腰。
蒸着絡繰で完全武装した私の敵ではなかった。
「うー、でも悔しいですー
もう一度、今度は私の得意分野で戦わせて欲しいですー」
負けた糸さんが本当に悔しそうに、泣きの一回を要求してきた。
「何と図々しい。
愛染様に相手してもらっただけでも光栄に……ぶげらっ!」
黙れ白豚、とばかりに私は彼の腹に肘鉄を喰らわせる。
まあうん、こっちも騙し討ちみたいな勝利だし、内容によっては再戦を了承するよ?
それで、何の勝負がしたいの?
「ずばり!守護者を使った猿式蹴鞠での対決ですー」
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