異世界に召喚されたからって、何で俺を従者に指名するんだよ!?

オフィス景

文字の大きさ
3 / 8

3 この中で一番強いヤツは?

しおりを挟む
「これから王様に会ってもらうんだけど……哲平くん、暴れないでね?」

「あのなあ……」

 なにげに傷ついた。

「おまえの中の俺はどんだけならず者なんだ?」

「な、ならず者なんて思ってないよ?」

「いやいや、今のはならず者に刺す釘だから」

「…だって、哲平くん、喧嘩したそうな顔してるんだもん……」

「よくわかったな」

「ほらぁ」

「って言っても、喧嘩じゃねえぞ。どれくらいできるヤツがいるのか知るのは大事なことだと思うぞ」

 よくわからん顔してるが、どんなことでも最初が肝心なんだ。今回みたいなケースだと、最初にガツンとかましとかないと、いいように使われるのが目に見えてるからな。

 そこは、俺の流儀でやらせてもらう。

「そう言えば、おまえって、勇者なんだよな?」

「うん」

「おまえって、どれくらい強いんだ?」

「よくわかんない……」

「何かと戦ったりはしてないのか?」

「してないよ」

「そうか」

 それほど無茶をさせるつもりはないってことなのか?   それならそれでいいが、じゃあ何のために召喚したのかって話になるよな……いずれにしても、情報がなさすぎるか……

 向こうの出方次第だな。穏便に済むならそれでいいが、一戦やらかす覚悟くらいはしておこう。

 そんなことを考えているうちに、一際重厚な扉の前で歩みが止まる。

 舞子が心配そうな視線を送ってくるので、頭をくしゃっとやったら怒られた。

「勇者様と新たな召喚者様をお連れしました」

 案内してくれた人が声をかけると、扉が内側へ開いた。

 謁見の間ってほど大仰ではないようだが、空気は十分な重さを持っていた。

 案内してくれた人は部屋に入れないらしく、俺たちに部屋に入るように促してきた。

 舞子が先に足を踏み入れ、俺がその後に続く。

 中ほどまで進んだところで足を止める。舞子に合わせて頭を下げる。

「勇者殿に従者殿、顔を上げてくれ」

 言われて顔を上げると、王様と目が合った。結構なプレッシャーをかけて来やがったので、対抗して「ぶっ殺すぞ、コラ」と思ってみた。さっき騎士を相手に出したものよりは強めにしてみた。

 途端に皆ガクブルし始めた。

 こいつら、大したことないのか?

 これくらいでビビってるようじゃ、そのへんのヤンキーの方が根性据わってるじゃねえか。

「哲平くん!」
 
 悲鳴混じりの舞子の声に、殺気を引っ込めた。

 …色々と問題が多そうだな……

 早いとこ、現状は把握しとかないといかんな。

 そこで、訊いてみた。

「ーーここで一番強いヤツは誰だ?」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!

貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

『ゴミ掃除』が役立たずと追放されたが、実は『存在抹消』級のチートだった。勇者一行がゴミで溺れているが、俺は辺境で美少女と温泉宿を経営中なので

eringi
ファンタジー
「悪いが、お前のスキル『ゴミ掃除』は魔王討伐の役には立たない。クビだ」 勇者パーティの雑用係だったアレクは、戦闘の役に立たないという理由で、ダンジョンの最深部手前で追放されてしまう。 しかし、勇者たちは気づいていなかった。 彼らの装備が常に新品同様だったのも、野営地が快適だったのも、襲い来る高レベルモンスターの死体が跡形もなく消えていたのも、すべてアレクが『掃除』していたからだということに。 アレクのスキルは単なる掃除ではない。対象を空間ごと削り取る『存在抹消』レベルの規格外チートだったのだ。 一人になったアレクは、気ままに生こうと辺境の廃村にたどり着く。 そこでボロボロになっていた伝説のフェンリル(美少女化)を『洗浄』して懐かれたり、呪われたエルフの姫君を『シミ抜き』して救ったりしているうちに、いつの間にかそこは世界最高峰の温泉宿になっていて……? 一方、アレクを失った勇者パーティは、武器は錆びつき、悪臭にまみれ、雑魚モンスターの処理すら追いつかず破滅の一途をたどっていた。 「今さら戻ってきてくれと言われても、俺はお客さん(美少女)の背中を流すのに忙しいんで」 これは、掃除屋の少年が無自覚に最強の座に君臨し、幸せなスローライフを送る物語。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

処理中です...