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Ⅱ:お姫様は護衛様!?
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しおりを挟む「一回戦はーーゴスVSユリフィアです!!」
司会者が声高らかに叫ぶ。
(まさかのトップバッター!!)
内心驚くものの、けれど今更トーナメント表は覆らない。
(これは気合いを入れなきゃ)
よし、と己の両頬を叩き鼓舞する。
「お二人は壁の内側、特設会場へと移動して下さい。また、他の選手はこの舞台袖にあるテントで待機して下さいませ」
司会者の指示のもと、各々行動に移した。
バトルフィールドに足を踏み入れると、先ほどまでとは異なった独特の雰囲気に包まれる。
周囲から溢れる熱気、四方を壁に囲まれ逃げ場がないという圧迫、何より相手の威圧を肌で感じた。
地面はグラウンド状に整えられている。
このバトルフィールドには私と、それからゴスという名の相手のみが立っていた。
背はそこまで高くないものの、筋肉隆々の体躯に鋭い眼光を持つ男だった。
いかにも、傭兵やっています的な見た目と相まった大剣を引っさげている。
「さて、一回戦は可憐な少女ユリフィアと“豪剣のゴス”の名で知られている傭兵団長という、異例な組み合わせです!」
司会者の口上に合わせるように、互いにフィールドの中央まで歩み寄った。
「申し遅れましたが、私は本日司会を務めさせて頂きますマイケルです。どうぞ宜しくお願いします」
一礼する司会者ーーマイケルに拍手がおくられる。
「では、試合を始める前に両名の武器を教えて下さい」
「俺様のは、これだ!」
ゴスは大剣を見せびらかす様に構えた。
幅も太く、長さも彼の身長ほどあり、見るからに重そうだった。
むしろ剣と言うより大きな鉄の塊と表現した方がしっくりくるだろう。
対するユリフィアも同じく剣だ。
ただし、ユリフィアの剣は細く、突き専門とされるレイピアである。
ゴスの攻撃をまともに食らえば折れてしまうのではないか、そう思わせるほど心もとない物だった。
「それでは早速始めましょう。ゴスVSユリフィア、レディーーファイトッ!!」
マイケルは掛け声と共に空へ向かって魔法の花火を打ち上げる。
それを合図に各モニターにはユリフィアたちの姿と時間のカウントが表示された。
「ふっ、わりーな。この試合は楽に勝たせてもらうぜ」
「どうして楽なの?私が女だから?」
「さぁーね。だが、会場の皆さんも同じ考えらしい」
そう、さっきから観客席からは「ゴス!!ゴス!!」と彼の名を叫んでいた。
「これは2分で終わるなぁ~。剣を抜くまでもねぇーわ」
ゴスは馬鹿にしたように笑いながら独りで喋り続ける。
(…これはカナリ舐められているなぁ。普通、勝負が始まったら無駄口を叩かないよね?)
私が呑気に考えている間も彼は熱弁しているし、観客の「ゴス!!」コールも一層大きくなっている。
どうやらこのバトルフィールドにはマイク機能も設置しているようで、私たちの声も観客席まで届けられるらしい。
ゴスの声に呼応するように観客席が沸いた。
「ーーお前のその細い剣で何を斬るんだ?あぁ?子供はお家に帰りなっ」
私の細い剣で何を斬るのか、だって?
教えてあげる。
「はぁ?何か言ったか?」
「……さっき貴方は2分で終わると言ったよね?」
「それがどうした!」
「…2分もいらない」
余裕ぶって剣さえ構えていないゴスの隙をつき、一気に距離を詰めた。
「3秒で終わる」
「……っ!!?」
鳩尾に柄で強い一撃を与える。
念のため微量の電撃を流し込むと、彼は呆気なく気を失いその場に崩れ落ちた。
会場はいつの間にか静寂に包まれており、みな目を点にして事の顛末を見届ける。
ユリフィアが去り際に、
「確かに、剣を抜くまでもなかったね」
と微笑むと静まり返っていた会場から一転、また「わぁー」と騒がしくなった。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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