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Ⅱ:お姫様は護衛様!?
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しおりを挟むその後もユリフィアは順調に勝ち進み、ついに決勝戦となった。
(これに勝てば優勝…賞金もかかっているし、頑張らなきゃ)
緊張した面持ちで対戦相手を待つが、いつまで経っても現れる気配がない。
確か、準決勝で残ったもう一人はあの優しそうな男性だったはず。
運営側にも予想外の出来事だったのか、慌てて調整を行っている。
「……皆様お待たせ致しました。えー、予定しておりました決勝戦ですが、急遽メビウス選手が棄権されたのでーーユリフィア嬢の優勝となります!」
突然の事に私も観客も理解が追いつかない。
パチパチとまばらに拍手が送られるが、消化不良というか、素直に喜べないのが正直なところだった。
それは運営側も承知なのだろう。
マイケルはマイクを持ち直すと、真顔で宣言した。
「これよりスペシャルゲストとの強制バトルを開催します!今回のゲストはなんとーーこのプルメリア王国の王子様です!!」
その一言で一気に会場は温まる。
(えっ!?王子様??そんな話聞いてないよ!!)
まさかスペシャルゲストに王子自ら登場するなんて…予想外すぎる!
プルメリア王国とフリージア王国は隣国、しかも和親条約を結んでいる間柄だ。
(プルメリアの王子なら私の正体も知っているかも…?)
一国の姫が他国に、しかもお供もなしに一人旅など論外だ。
正式な訪問でもない以上、問答無用で自国に返されるのがオチだろう。
最悪の未来を考えて、慌ててそれを否定する。
(でも、私はここ数年国交にも出ていないし、そもそも私はこの国の王子の顔を知らないから大丈夫、かな…?)
うん、きっと大丈夫!
そう甘い考えをしながら私は対戦相手を待った。
入場口が開きゆっくりと近づいてくる足音。
現れたのはまだ若い一人の青年だった。
漆黒の髪が風に揺れ、紅蓮の瞳が私を射抜く。
「……う、そ……」
私はその人を知っている。
「……どうして?」
否、今日初めて知り合った人だった。
でもまさか王子様だったなんて…!
青年が口パクで私の名を呼んだ。
間違いない。
間違えるはずがない。
「…アレク…?」
⚔ ⚔ ⚔
カツン、カツンと長い廊下に二人分の足音が響く。
突き当たりにある扉の前に辿り着くと、自動でそれは開いた。
「お待ちしておりました。お出でにならないかと思いましたよ、アレクシオ王子」
初老の紳士が二人ーーアレクシオとその従者であるレストを出迎える。
「そのつもりだったがな。気が変わった」
「左様でございますか。では、こちらにどうぞ。ここからだとよくお見えになりますよ」
そう言ってアレクシオたちを部屋の奥へと案内した。
そこは一面ガラス張りになっており、バトルフィールドを見下ろせる設計になっている。
外から見ればちょうど司会者用の舞台の真上に位置するだろう。
(たしかに、ここからならよく見えそうだ)
下では今、トーナメント表の発表が行われている最中だった。
「レスト、一回戦は誰だ?」
運営側からこの大会の流れを一通り資料で貰っている。
「えーと…少しお待ち下さい」
手元の紙をパラパラめくり、そしてピタリと手を止めた。
が、レストはニヤニヤと笑うだけで肝心の答えを言おうとしない。
「知りたいですか~?」
「早く言え!」
「一回戦はーー」
司会者の声とレストのそれが重なる。
「「ゴスVSユリフィアです!!」」
「なっ!?」
アレクシオは目を見開き、いきなりかよ!と心の中でツっこんだ。
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