姫様従者と王子様

花夜

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Ⅱ:お姫様は護衛様!?

04

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「…話は分かった。準備次第、すぐに会場に向かうとしよう」

「あ、ありがとうございます!」

 使者は何度も頭を下げ、急いで戻っていった。

「アレクシオ様の出番がようやく来ましたね。頑張って下さい。でも、気を抜いたらダメですよー?」

「言われなくても分かっている。でも、あいつにも弱点はあるだろ?」

「ありますかね?」

「ある。確かに、ユリフィアの剣術・体術は優れているが魔法はも使っていない」

 アレクシオの言葉にレストは笑顔で応える。

「そうですね。対戦相手には魔法を中心に戦う魔術師もいました。それでも正面から魔法で対抗することはなかった…つまり」

「魔法が弱点かもしれない。まぁ、あいつは意外性で溢れているからな。どうなるかは分からないが…ここは魔術の国プルメリアだぞ。その国の王子である俺が魔術で負けるわけにはいかないだろ」

「ええ、それでも油断は禁物ですよ。もし負けたら笑って差し上げますから、気にせず楽しんできて下さい」

「お前はそんな事しか言えないのかっ!!」

 叫ぶアレクシオを笑顔で見送り、部屋に残ったレストは呆れため息をついた。

「ユリフィア嬢は微力ながら魔法を上手く使っていましたよ、我が主」

 彼女の戦闘スタイルは基本、剣と体術による近接攻撃型で、目に見えて分かる魔法は使っていなかった。

 けれど敵と接触した一瞬、一瞬で微かに魔力を帯びた攻撃を繰り出していたのだ。

「それに気づけないとは…魔術の国の王子の名が廃りますね。アレクシオ様、貴方もまだまだ甘いですよ」

 あえてそう彼に助言をしなかったのはーーただ単にその方が面白いと思ったからである。

 レストはどこまでいっても揺るがず、アレクシオ弄りが大好きなのだ。

「と、こうしてはいられない。陛下…聞こえますか?」

 彼は 懐ふところから魔法道具である水晶を取り出した。

 それに呼びかけると、少ししてからホログラムのようにとある人を映し出す。

 黒の長髪に暁の瞳、目鼻立ちがアレクシオとそっくりな彼こそがこの国の王、クロスだ。

「やっほー、聞こえているよ。とうとう我が息子の出番なのかい?」

 満面の笑みを浮かべ、およそ国のトップらしからぬ態度で答えが返ってくる。

「はい。しかも対戦相手はユリフィア嬢という女性ですよ」

「おお、それは好都合!対戦の結果はどちらにせよ話は進めようか。して、ユリフィア嬢とやらはレストの目から見てどうかな?」

「いいと思いますよ。実力も申し分ありませんし、何より本人は素直で良い子そうです」

「うん、それなら決まりだ。レストの目は信用しているからね」

 ほっとした顔でクロスは言い、次にアレクシオの試合が観たいと駄々をこね始めた。

「はいはい。これで見えますか?」

 窓辺に戻り、会場が映るように水晶を向けた。

「バッチリだよ。いやぁ、楽しみだな~」

「そういえば計画、王子に話を通さなくていいんですか?」

「いいんじゃないかな。その方が面白そうだ」

 カラカラと笑い、レストと同類の笑みを浮かべる。

 アレクシオの知らないところで何やら話が進んでいるのだが、その本意が分かるのは数十分後のことである。

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