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第11話 本当はエッチな冒険者生活

③ まずは装備を整えて(H)

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「ここがその“おすすめ”さ!」

「ほほう……意外と、こじんまりとしたところなんだな」

 クリスに案内され、ヴィルはとある商店へと辿り着いた。
 ここだけで様々なアイテムが揃う、という謳い文句を聞かされていたため、さぞ大きな商会なのだろうと考えていたのだが。
 実際は、想像より少々――いやかなり小さめのお店だった。

「ちっちっち、外見だけで判断しちゃいけないぜ?
 ここの店長、目利きな上にコネも広くてさぁ。
 色んなルート使って、上質なアイテム揃えてんだよ」

「なるほど。隠れた名店という訳か」

「そゆこと。
 しかも喜べ、この店にはさらなるお得ポイントがある!」

「むむ、それはいったい?」

「それはだな――最近入った店員さんが、凄い美人だということさ!」

 胸を張って言い切られた。

「……いやあの」

「なんだよ!?
 男なら歓声あげるところだぞ、ここは!
 綺麗な女性がいれば、それだけでテンション上がるだろう!!」

「それはまあ、そうかもしれないが」

 今更言うまでもないが、ヴィルとて美人は好きだ。
 ただやはり、物事には流れというものがある。
 気持ちが冒険へ大きく傾いていたところなので、ちょっとそっち方面への反応が鈍くなったのだ。

「ふん、いいさ、実物を見ればそんなクールぶった態度ではいられないだろうさ。
 ククク、恥ずかしがらずに鼻の下伸ばしてもいいんだぞ?」

「……期待させて貰おう」

 とりあえず頷いておくことにした。
 そのまま妙にハイテンションなクリスに促され、ヴィルは店の扉を潜る。



 ――果たして。
 確かに、件の店員は美人であった。

「あら、ヴィルさん?」

「おーう」

 というか、思いっきり知人だった。

「セリーヌ? 何故こんなところに」

 セリーヌは、王都への旅の最中に出会った未亡人だ。
 長く綺麗な黒髪を携え、泣きホクロが艶っぽいこの妙齢の女性は、なるほど、美人と形容するに相応しい容貌をしている。
 グラマラスなスタイルは、長袖シャツにロングスカートという露出の少ない服の上からでも色気を醸し出していた。
 しかし彼女は確か、ここから程遠い町で暮らしている筈だが……?

「何時までも実家の世話になっている訳にもいきませんし。
 伯父の一人が王都で店を構えていましたので、そこで働かせて頂くことにしましたの」

「……へー」

 世間は狭かった。
 想像以上に狭かった。
 思いがけない展開に頭が追いついていないヴィルへ、クリスがニヤつきながらポンポンと肘でつついてくる。

「なんだよ、知り合いだったのかよー。
 いいなー、何をやったらこんな美人さんとお近づきになれるのさ?」

 ナニをやりました――等とジョークを言える筈も無く。
 こちらが返答できない一方で、セリーヌはクリスへ上品な笑みを浮かべ、

「あらやだ、お上手ですこと」

「いやいや、お世辞じゃないよ?
 セリーヌが美女だってのは、ここ利用してる冒険者連中皆が思ってることさ」

「それを言ったら、クリスさんだってお綺麗ではないですか。
 熱い視線を送っている殿方も多くいると聞いていますよ?」

「……いやそれ、普通にぞっとしない話なんだけど」

 本気で嫌そうな顔だった。
 確かにセリーヌの言う通り、クリスもなかなか整った容貌をしている。
 この青年が女性ならば、だが。

(どっちなんだろう?)

 再度疑問が顔を覗かせてくるが、別段今聞くことでもあるまい。
 まずは冒険に向けて必要品を手に入れておかなければ。

「じゃあ早速だがクリス、装備やアイテムを選びたいので助言を頼む」

「お、任せとけ!」

 青年のアドバイスを受けながら、店内を見て回る。
 戦闘にも携わるという点は同じなものの、やはり軍人と冒険者では価値観が大きく異なっていた。
 クリスの意見には新鮮なものが多く、

「武器は短めのヤツを選んどいた方がいいぞ。
 洞窟にせよ遺跡にせよ、狭い空間で戦うことが多いからさ。
 初心者はリーチ長い武器の方が相手と距離取れるからいいんだけど、アンタは違うだろ?」

「む」

 ちなみにヴィルが軍隊に居た頃、愛用していたのは大剣グレートソードである。

「荷物袋は収納性を吟味しないとな。
 冒険中に持ち歩ける量は限られてるんだし。
 あとポーションは大抵ガラス瓶に入れられてるから、瓶が割れないよう一つ一つ固定できるタイプがいい」

「むむ」

 これまでの旅路、備品は適当に大袋へ投げ込んで済ませていた。

「鎧は皮鎧一択さ。
 金属鎧はとにかくうるさい。
 音で余計な魔物を引き寄せちまう。
 それに、多少は財布に優しいからな」

「むむむ」

 なお、ヴィルは全身金属鎧プレートアーマーを好んで使用している。

 ――こんな塩梅である。
 自分の好みで選んでいたら、大変な装備になっていたかもしれない。

(いや流石にプレートアーマーは買わなかったぞ!?)

 しかし動きやすい金属鎧・・・を選んでいた可能性は高い。
 やはり熟練の冒険者について来て貰って正解だった。
 そんな風にアレコレ物色していると、

「……ん?
 ここでは服の注文もできるのか?」

「ええ、そうですわ。
 こちらで採寸して、専属の職人さんに作って頂いてますの。
 服だけではなく、鎧のオーダーメイドも受け付けていますわ」

 何気ない質問に、セリーヌが商売っ気たっぷりに答えてくれる。

(……ここで王との面会用の服を調達するか)

 サンプルとして陳列されている衣装は、高い品質であることが伺える出来栄え。
 この分なら王宮での使用にも十分耐えうる服を用意してくれるだろう。

「では一つ、頼んでもいいだろうか」

「はい、承りますわ」

 にっこりと笑って請け負ってくれた。



 場所を移して。

「――あらあら、それで冒険者に登録したのですね」

「まあ、そんなところかな」

 ここは商店内の個室。
 採寸はこの部屋で行われるとのことだ。
 実際、ヴィルは今セリーヌに身体のあちこちの長さを測って貰っている。

「ところで疑問に思っていたのですけれど」

「ん? なんだ?」

 手を動かし続けながら、未亡人な店員が質問を振ってきた。
 こちらの店で働き出したのはつい最近と聞いたが、実に慣れた手つきだ。
 元々経験あったのかもしれない。

「ヴィルさん達が出発してから大分遅れて王都を目指したのですが、何故わたくしの方が先に王都に着いていたのでしょう?」

「……色々、あったんだ」

 神獣ズィーガの件は伏せてある。
 守護騎士として聖女護送の任が一段落したので、後学のため休暇を利用した冒険者の業務体験をしている、とだけ伝えた。
 まあ嘘はあまり混じっていない。

「それと、もう一ついいですかしら?」

「うん?」

 一瞬、セリーヌの手が止まる。

「本当に――わたくしがここへ来た理由が、実家離れのためだと思っております?」

「……いや」

 頭を振る。
 そうは思わなかった。
 何故なら、さっきからこの店員、やたらとボディタッチ・・・・・・が多いからだ。
 服には大して詳しくないヴィルであったが、採寸の時に胸を押し当てる必要が無いこと位は分かる。

「まさか、俺達を追ってきたのか?」

ヴィルさんを・・・・・・追いかけてきたのですわ」

 彼女がさらにこちらへ近づいてきた。
 もう隠すことなく――最初から隠すつもりなど無かったかもしれないが――堂々とこちらに密着してくる。
 脚が絡み、腕が首に回され、甘い吐息が当たる程に顔が接近する。

「努力はしましたのよ?
 貴方のことは忘れようと、努力しましたの。
 でも、無理でしたわ。
 貴方が恋しくて恋しくて、我慢できませんでした」

 そう言うや否や、こちらに口づけをしてくる。

「――ん、ちゅっ――ああ、ヴィルさん――ん、んん――ずっと、ずっと待ち焦がれてましたわ――ちゅっちゅっ――」

 ぴちゃぴちゃと音を立て、互いの唇を、舌を、舐め合った。
 涙目になった彼女の顔が実に淫猥で――そこまで自分を想ってくれることに、愛おしさを感じてしまう。
 たっぷりとキスを堪能してから一旦顔を離し、

「いいのか、仕事場でこんなことをして?」

「構いませんわ。
 今日は私一人だけですから、他に誰もこの部屋に入ってきませんもの」

 だとすると接客する店員が居なくなると思うのだが、それを口にするほどヴィルは野暮でもない。
 それに――

「セリーヌ、さっきから愛液が垂れているぞ」

 ――こんな状態で、彼女が店頭に立てる筈も無かった。
 部屋の床には、セリーヌの愛液で幾つもの“染み”ができている。
 そしてそれは今なお増え続けていた。

「だ、だってぇ、仕方ないじゃありませんか!
 ヴィルさんが、こんな近くにいたら、もう疼いて疼いて……!
 先程接客をしていた時から、ずっと我慢していたのですわよ!?」

「そいつは、男冥利に尽きるな」

 そんな言葉を吐きながら、青年は女性のスカートを捲る。
 現れたのは真っ白なショーツ――但し、ビチャビチャに濡れ、彼女の肌に張り付いている。

「こんなに漏らしていたのか」

「ああっ、そんなにまじまじと見ないで下さいまし!」

 セリーヌが恥ずかしそうに顔を赤く染めるが、ヴィルはお構いなしに彼女の臀部を観察する。
 肉感たっぷりに巨尻が、愛液に塗れて透き通った下着に覆われる光景は、煽情的なことこの上ない。
 スカートの中に溜まっていた“雌の匂い”がムンムンと香ってくるのも堪らなかった。
 自然、イチモツがむくむくと起き上がってくる。

「良かった……ヴィルさんも興奮して下さっているのですわね」

「そりゃ、こんな状況で勃たたない男なんていないだろう」

 恋人や妻を持つ男ならその限りでない――という意見もあるかもしれないが。
 そんな考えを振り切るように、やや乱暴に彼女の尻を掴む。

「ひゃんっ」

 想定外に可愛らしいセリーヌの声。
 ぐにぐにと揉むと、柔らかい肉感が手の平に広がった。
 熟れた女性相手でなければ味わえない感触だ。

「あっ、あっ、そんな、強くされたら――あっあっあっ、か、感じてしまいますっ――」

「いいじゃないか、それが目的だろう?」

「あ、ああぁああああっ!?」

 さらに強く揉みしだいてやると、たちまち彼女の口から嬌声が飛び出す。
 指を尻肉に食い込ませたり、軽く叩いてやったり。
 その度に、甘美な喘ぎ声が部屋に響いた。

「あっ! はぁんっ! あっあっあああっ!!」

 まだ尻を弄っているだけだというのに、うっとり顔を蕩けさせるセリーヌ。
 そんな表情をされると、さらに責めてやりたくなる。

「ああっ!! あ、あ、あ、あっ!! はぁああああんっ!!
 お尻っ! お尻をそんなっ!! あっあっあっあっあっあああっ!!」

 悶え、肢体をくねらせながらも、腕はヴィルの身体に抱き着いたまま離れる様子は無い。
 しかしその瞳にはやや欲求不満な色もあり――

「ヴぃ、ヴィルさんっ、お尻、だけではなくて――んん、くぅっ――わたくし膣内なかにも、ヴィルさんの逞しいモノをお恵み下さいませっ!」

 ――息を荒げながら、こちらにおねだりをしてきた。
 ヴィルはその言葉に一つ頷いてから、

「そうだ、な!」

 ショーツをずりさげ、セリーヌの下半身を丸裸にすると――その股間を後ろから鷲掴み・・・にした。

「おほうっ!?」

 彼女の声色が変わる。
 それはそうだろう。
 股間をがしっと掴まれて――アヌスに親指を、女性器に中指と薬指を挿し込まれているのだから。

「そ、んな――いき、なり、両方だ、なんて――!?」

「どうしたんだ? まだ俺は君にイチモツを挿入していないんだが?」

 にやりと笑いながら、二穴に突っ込んだ指を動かす。

「おおっ!? お、お、お、おおっ!! んほぉおおおっ!!?」

 セリーヌは与えられた刺激に身を震わせていた。
 そんな彼女の顔に、ヴィルは舌を這わせる。
 しっとりと汗ばんだ肌は、うっすら塩の味がした。

「おぉおおおっ!? おっおっおっおっおっおっ!! おぉあああああっ!!」

 濡れてぬるぬるになった股間を弄っていると、嬌声に混じり水の音も鳴り始めた。
 彼女の股間から愛液がだらだらと垂れ流れ出したのだ。
 部屋の床には、愛液の水たまりができつつある。

「おっ! おっ! おっ! おっ! おっ!
 い、イクっ! イキますっ!! わたくし、もう、イってしまいますわぁっ!!」

 だらしなく口を開け、涎を垂らしながら、セリーヌは“終わり”を宣言してくる。

「ああ、いいぞ。
 思い切り絶頂してくれ」

 それを合図に、手を激しく動かし始めた。
 じゅぽじゅぽと音を立てながら、尻穴と膣を指が出入りする。
 滴る愛液は量を増し、ヴィルの手は雌汁に塗れていた。

「おっ!! あっ!! あっ!! あっ!! あっ!!!
 イ、クっ!! イクっ!! あっ!! イクっ!! イキますっ!!
 あっあっあっあっあっあっ!! あはぁあああああああっ!!!」

 彼女の肢体がピンと固まり、ガクガクと震え出した。
 抱きかかえて支えてやらねば、その場で倒れそうな程に。

「イ、イった――あっ――あっ――イキ、ました――あっ――あっ――あっ――」

 絶頂の余韻を味わうように、セリーヌは目を閉じながらなおも細かく震えている。
 そんな彼女を抱き寄せると、

「さあ、次は俺の番だ。
 まだやれるな?」

「はーっ、はーっ、はーっ――は、はい。
 ど、どうか、わたくしの身体を存分に味わって下さいまし」

 まだ呼吸は落ち着かないものの、待望の“逸品”を味わえるとあって口元を綻ばせるセリーヌ。
 自らスカートをたくし上げ、ねだるような顔で股を開いた。
 それに応えるようにヴィルは自らの剛直を取り出すと――


「おーい、採寸まだ終わらないのかー?」

「「ッ!?」」


 ――2人して息を飲む。
 クリスだ。
 彼が、ドアのすぐ向こうに居る。

「ど、どうしたんだ?」

 おそるおそる声をかけると、

「どうしたもこうしたも、他の客が来たからさ、セリーヌに知らせようと思って。
 そっち、まだ時間かかりそう?」

 どうやら、気づかれた訳ではないようだ。
 ヴィルは一度セリーヌに目配せしてから、

「いや、もう終わったよ。
 もう少ししたら戻る」

「そっか。
 じゃ、そんな感じに伝えとくさ」

 その言葉と共に、立ち去る足音が聞こえる。
 十分にクリスの気配が離れてから、

「あの、ヴィルさん……」

 セリーヌが上目遣いにこちらを見つめてきた。
 一度イったからか、その面持ちは先ほどに比べて大分しっかりしている。

「今は仕事中だからな。
 客が来たと言うなら、おざなりにする訳にもいかないだろう?」

「……そ、そうですわね」

 少し――いや、かなり不満げな顔をしつつも、彼女は了承してくれた。
 ヴィルはそんなセリーヌの頭を撫でながら、

「大丈夫だ。
 俺はしばらく王都に滞在する予定だし、冒険者をしていればこの店には頻繁に来ることになるだろう?
 服の受け取りにも来なければいけないからな」

「ッ! はい、毎日通って下さいまし!
 たっぷりと、サービス致しますわ!」

 打って変わって、笑顔になるセリーヌ。
 なんとも愛らしい。
 ヴィルは彼女の肢体をぐっと引き寄せ、

「――んっ――んんっ――ふぅ」

 深く口づけを交わしてから、2人はその部屋を後にした。



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