Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶

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第1章

第十五話 ~ツキの作った美味しい夕飯を食べ終わりお風呂に入ると美女二人が乱入してきた~

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 第十五話




「ふふふ。自室ではお楽しみだったみたいですね?」
「えぇそうね。沢山ベルを味わえて幸せだったわよ」

 自室を後にして、居間へと降りていくと夕食の準備を終えたツキが出迎えてくれた。

 彼女からの若干棘を感じるような言葉も、リーファにとっては特に気するのものでもなかったようで、笑顔で切りかえしていた。

「冷蔵庫の中にはそれほど食材がある訳じゃなかったけど、大丈夫だったかな?」
「ふふふ。大丈夫ですよ。有り合わせのもので作るのも『良妻スキル』ですからね」
「……ち、私も料理の勉強をするべきね」

 ツキの言うように、冷蔵庫に残っていた野菜や肉はシチューに変わっていた。
 そして簡単なサラダも添えられている。
 これはご馳走だな。

「ちょうど明日は一度故郷に帰ろうと思ってたところだからな。冷蔵庫の中を使い切ってくれたのはとてもありがたい」
「あら、そうだったのね」
「ふふふ。では夕飯を食べながらその話をしましょうか」

 ツキのその言葉を受けて、俺たちは椅子に座る。
 目の前に用意された夕飯からはとても良い匂いがしていて、食欲をかき立てられる。

「じゃあ食べようか。いただきます」
「「いただきます」」

 俺たちはそう声を揃えたあとに、夕飯を口に運ぶ。

 しっかりと煮込まれたシチューを口にすると、ほろほろになった肉が口の中でとろけた。

「これは美味いな。本当にツキは料理が上手だな」
「ふふふ。お褒めいただいて光栄です」
「悔しいけどここまで美味しい料理を食べたのは初めてよ」

 そして、バケットと一緒にシチューを味わいながら、俺は先程の話の続きを話し始めた。

「明日は故郷に帰ろうと思ってたって話だけど、平気ならリーファにも着いてきてもらいたいと思ってるんだ」
「あらそうなの?構わないわよ。新しいクエストを受けてる訳でもないし、時間ならあるわ」

 俺の言葉に、リーファは二つ返事で答えてくれた。
 ふぅ。良かった。大丈夫だとは思ってたけど少し緊張はしたな。

「結婚をする。という報告をしようと思っていてな。リーファとツキの紹介をしたいと考えてる」
「ふふふ。とても嬉しいですベルフォード」
「そんな話なら尚更ついて行かない訳にはいかないわね」

「そう言ってくれると助かるよ。朝も早くに出ようと思ってるからな。リーファもこのままうちに泊まって行ってくれると楽だと思うんだ」
「ふふふ。構わないわよ」
「それでは食事が終わったらお風呂の支度をしましょう」

「あら、刀のツキはお風呂に入っても平気なのかしら?錆びたりしないの?」
「……失礼な事を言わないでください、リーファ。この身体は基本的には『人』と変わりはないので錆びるということは無いです。ベルフォードと子供を作るためにこの身体になったのですからね!!」
「しょ、食事中にする話では無いと思うぞ……」

 そんな話をしながら、俺たちはツキの作った美味しい夕飯を全て食べきった。



 そして、食事の片付けをツキがやっている時に俺はお風呂の準備を始めていた。

 掃除は毎日しているので浴室は清潔に保たれてる。
 俺の風呂場はこだわっていて『檜(ひのき)』と呼ばれる香りの良い木材を使って造られている。

 冒険者たるもの身体が資本だからな。
 一日の疲れを癒すためにもお風呂には拘りを持っていた。

 そんな俺の自慢のお風呂の準備を終えると、片付けを終えたツキとが人数分の着替えを用意してくれていた。

「お風呂の準備お疲れ様ですベルフォード。着替えなどの準備は出来ております」
「ありがとうツキ。助かるよ」

 俺がそう言って彼女にお礼をすると、ツキは微笑みながら少し気になる言葉を返した。

「いえいえ、この位は当然ですよ。では『皆で』入ることにしましょうか」
「……?あぁ、そうだな」

 ツキの言葉は気なったが、とりあえず俺は彼女から着替えとタオルを受け取り風呂場へと向かった。


 そして、脱衣所で服を脱ぎ裸になった後で浴室へと入る。

 中は檜の良い香りがして先程まで感じていた妻二人からの『プレッシャー』から解放されて気持ちがリラックス出来た。

 浴槽に貯めたお湯を身体に掛けていく。

「あぁ……気持ちいぃな……」

 そんなことを呟きながら、石鹸(せっけん)とボディタオルを手に取る。

 石鹸(せっけん)をボディタオルで泡立てていると、ガラリと浴室の扉が開く音がした。

「……え?」
「お邪魔します、ベルフォード」
「あら、身体を洗うところなのね。それなら調度良いわね」

 身体に大きめのバスタオルを巻いた美女二人が、浴室の扉を開けて中へと入り俺の目の前に立っていた。

「ま、待ってくれ!!そんな話は聞いてないぞ!!」

 慌てたように俺がそう言うと、ツキは少しだけ首を傾げながら俺に言ってきた。

「おかしなことを言いますね、ベルフォード。先程私は言いましたよ?皆で入りましょうと」
「それは一人づつ皆でこの風呂場を使うって意味じゃないのか!?」

 俺がそう言葉を返すと、リーファが呆れたような声で言ってきた。

「ばかね。そんな話のはずないでしょ?ほら、背中を流してあげるからボディタオルを寄越しなさい」
「……そもそも俺は裸でお前たちはタオルを巻いてるのはズルくないか?」

 俺が負け惜しみのようにそう言うと、リーファは少しだけイタズラっぽく笑みを浮かべる。

「あら?見たいのならタオルを外してあげても良いわよ?」
「……え?」
「そうですね。こうしてタオルを巻いているのはベルフォードの為だったのですが、ご希望でしたら脱いでも構いませんよ」

 それなりに広く作られている風呂場とは言え、大人三人で使えば手狭さを感じる。

 こんな場所で美女二人が裸になって、理性を保てる自信は無い……

「初めてがお風呂場ってのは少し思うところはあるけど、ベルの家と思えば悪くないわね」
「ふふふ。私はどこでもベルフォードと繋がれるのでしたら不満はありませんよ」
「…………タオルは巻いたままでお願いします」

 情けなく頭を下げる俺に、二人は少しだけ笑いながら言ってきた。

「ふふふ。そうね、貴方がそう言うなら巻いていてあげる。でも、取って欲しかったら言ってくれて構わないわよ?」
「そうですね。いつでも私たちは準備万端ですので」
「……そ、そうですか」


 ……随分と仲良くなったように思えるな、お前たち。

 そんな妻二人の魅惑的過ぎる提案に頭を抱えながら、俺は理性を保つ努力をして三人で風呂場を利用した。
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