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失ったもの2
しおりを挟む世界とは、折り重なって組み上げられた元素の集合体だ。
生命もその心も、風に吹かれる小さな花片に過ぎない。
散って、舞って、そしていつかは地に落ちる。
落ちるまでの時間に、過程に意味はあるのだろうか。
何度も問い続けた答えは、常にただ一つの答えに……あるいは願望に帰結する。
けれど概念や観念とは別に、彼らはそこに在ろうとする。
その一瞬を確かに生きて、煌めいている。
なれば、わしがやるべきことはひとつだけだ。
たとえ何度迷い、悔い、焦れたとしても。
いつか地に落ちるその時まで、彼らが笑顔でいられるように――
◆
闇色が濃くなった夜の家は少しだけ肌寒い。
それが、初秋の気温に由るものか。
寂しがりな心がそう感じさせているのかは、わからないけれど。
人が、はじまりを忘れて生きているように。
廊下に伸びる暗色の床板もまた、元の色を忘れて久しい。
相変わらず きしきしと軋む床を歩みながら過去に思いを馳せていると、知らぬうちに目的の場所についていた。
――コンコン、コン
目の前の扉を軽く叩いて反応をうかがう。
眠れているならそれでいい。
でも、彼女はきっと――
「誰、ですか?」
予想どおりの問いが扉の向こうから投げかけられた。
追い詰められた小動物のような、保身のための攻撃性を孕んだ声。
……遠い日を思い起こさせる、懐かしい声音だ。
「わしじゃよ。アルダメルダ……おじいちゃん、じゃ」
安心できるように、普段よりゆっくりと語りかける。
怯えをやさしく溶かすように。
いびつな記憶を抱える少女のために。
「エイミー。少し、付き合ってくれんか?」
……静寂。
扉の向こうに気配はあるものの、返事は返ってこない。
こういうときは心の準備が整うまで待ってやるのも解法の一つだ。
「――入るぞ」
だが、辛い想いをする時間なんて短い方がいいに決まってる。
エイミーに限らず、ここにいるみんなはたくさんの苦しみを経験してきた。
痛い思いをして。嫌われて。蔑まれて。嬲られて。壊されて……一生分の絶望を味わった。
だから、もういいだろう。
悲しいことも苦しいことも、彼女たちが味わう必要はない。
絶望なんて、ここにはないのだから。
「ぁ……」
小刻みに震える唇。薄く濡れた瞳。血色を失った頬。
じっとりと汗ばんだ額には、夜の闇を溶かしたような黒髪が張り付いている。
今日わしがエイミーと名付けた少女は恐怖に囚われていた。
「……すまんな」
もっと早くに来ればよかったのかもしれない。
がらんどうの部屋を歩き、彼女のもとへと歩み寄る。
足元に置かれた水瓶は、武器のつもりだったのだろうか。
怯えきった少女に言葉を紡がせるのは酷だろう。
こういったとき、言葉は意味を成さないことを知っている。
「触れるよ」
それだけを告げ、ていねいに彼女の頬に張り付いた髪をはがしてゆく。
髪と同色の瞳は、わしの眼を真っ直ぐに射抜いていた。
最後の仕上げに、額の汗をローブの裾で拭うころ。少女は、肩上に切りそろえられた髪を薄い月光に輝かせながら、
「……ありがとう」
小さな声で礼を告げてくれた。
風が吹けば掻き消えてしまいそうなほどに弱い声。
けれどもそれは、しっかりとわしの耳に届いた。
「――どうら、ちょっと外で話さないかの?」
少しの時間が経って、落ち着きを取り戻したらしい彼女に問いかける。
みんなには内緒だと、こっそり付け加えながら。
「え? もう、夜なのに?」
部屋の隅の暗闇に視線を落としながら、エイミーはとまどい気味に聞き返してきた。
ふうむ。もしや夜の闇が怖いのかもしれない。
「ほっほっほ。だからこそ、じゃよ」
苛む不安を打ち払うように、明るく微笑みながら。
わしは小さな手を握った。
◆
この孤児院の敷地はかなり広い。
石の塀で囲まれた敷地内には何本かの木や、畑もあり、存分に駆け回ることすらできるのだ。
ふと目をやれば、映るのは白と青を基調として建てられた教会造りの孤児院。
ひび割れが目立つ、煤けた礼拝堂の外壁も。
庭の花壇に咲く花々も、昔と何一つ変わっていない。
たとえ辺りを覆うのが薄闇でなく暗黒だったとしても、この光景は鮮明に思い描けるだろう。
「今日は少し冷えるのう。さあ、こっちへおいで」
腰をおろし、膝上へとエイミーを招く。
枯草や土で汚れてしまわないよう、ローブの上に座るように言い含めて。
少しの逡巡のあと駆け寄ってきた少女を膝に乗せ、持ってきた毛布に二人でくるまって空を見上げた。
「……星、みえないね」
ぽつりと、彼女が俯き加減につぶやいた。
言葉のとおり、空は鉛色を塗りこめたような曇が埋め尽くしている。
赤と青に輝く月光だけがその壁を透過して、淡い光を地上へと届けていた。
「私のもといた世界ではね、月は黄色かったの」
でも、
彼女は寂しげに継げる。
「この光を見たとき、私は何も“おかしい”って思えなかったんだ」
切れ切れの声で語る少女の肩を、わしは後ろから抱きしめた。
力はゆるく。乱れた呼吸を整えられるように。
細い肩には強い力が入っていて、内心の不安をひた語る。
「そうか」
無感動な相槌を返して話の続きを促す。
同情的な言葉は、勇気には成りえないから。
想いは言葉の代わりに、触れあった体温が伝えてくれる。
「…………」
訪れるは暫しの沈黙。だが、脈打つ鼓動が存在を知らしめる。
寄り添う心は、決して人を孤独にはさせない。
エイミーは聡明な子だ。たった半日程度 言葉を交わしただけだが、それは会話の端々から滲んでいた。
相手の気持ちを推し量る道徳心。状況を把握する判断力に、特に長けている。
そんな彼女のことだ。自分で問題に気付き、悩んでいたことは想像に難くない。
そして気付いてしまったのだろう。
自身を苛む、得体の知れない恐怖の本質に。
異世界から転移してきたエイミーの記憶は変質してしまっている。
過去の想いは感情と引き剥がされ、彼女の手を離れた。
――遠い昔の少年と同じように。
父母の愛すら曖昧になった彼女が心の底で欲するは、自分を肯定してくれる“誰か”の存在だろう。
だが、それを言葉にすることは年端もいかない少女にできることではない。
漠然とした“ズレ”は想いにもならず、ただ心の内で腐れ、焦げ付く。
「私ね、覚えてるんだ」
何度目かの深呼吸のあと。
エイミーは沈黙を破り、ぽつりぽつりと語りはじめた。
自身が感じる漠然とした恐怖。……その根幹を。
「友達と一緒に映画を見にいったこと。帰りにアイスを食べたこと」
きっとそれは楽しい思い出だったのだろう。
だが、語る彼女の顔に笑みはない。
「告白をする子をお手伝いしたこと。それでそのあと、友達とケンカになっちゃったこと」
ひとつひとつ記憶の糸を手繰りながら、過去の出来事が指折り数えられていく。
小さな、震える手によって。
「泣き続ける私を抱きしめてくれたお母さん。明るい声で元気づけてくれたお父さん」
数瞬の空白。
こぼれる雫は彼女の頬を滑り、毛布のなかへと吸い込まれた。
そして、エイミーは揺らぐ声を絞り出す。
「……友達と、仲直りしたことも」
再び呼吸が乱れた彼女をあやそうとするも、首を横に振って拒絶されてしまう。
それでも、抱きしめる手を解かれることはなかった。
「みんなみんな覚えてるのに、もう、私のものじゃないの。……わかっちゃったんだ、」
彼女は継げる。
まるで二つの眼球が抜け落ちてしまったような、虚ろな喪失感を与える声で、
「今まで私が与えられた想いが、人に与えた想いが。心から……殺されてたんだ」
恐怖の元凶を看破した。
悲しい、その感情の行き場さえも根こそぎ殺されてしまう絶望。
それは生き残った転生、転移者が、最初に味わう苦痛でもある。
人格を形成するのは経験から得られた感動だ。
そんな言葉をむかし聞いたことがある。
人は、人との触れ合いのなかで成長してゆくものだから。
それ以外の要因もあると思うが、きっとこの言葉も間違いではない。
なればこそ、この腕のなかの少女を救うのは人との触れ合いだ。
優しき隣人が与えてくれる、愛情だ。
◆
夜の薄闇が占める世界は静かだった。
風さえも死に絶えた空間で。
時の流れを知らしめるのは、膝上の少女だけ。
時折聞こえてくる音が悲しみを伝えてくる。
押し殺そうとしたのだろう。
口端から逃げた吐息は、くぐもった嗚咽となって空気を震わせていた。
わしには、彼女の心を占める闇を祓いきることはできない。
失ってしまったものはあまりに膨大で、一人の人間が補える程度を超えているのだから。
だが、それでも――
「なあ、エイミーや」
少女の肩を、体を全身で包みながらささやく。
優しく、安心させるように。
「……なあに?」
呼吸を落ちつけた彼女は、まわされた腕を握りながら。首だけこちらに向けて問いかけてきた。
黒色の瞳いっぱいにため込んだ雫を、こぼさないようにして。
わしはそんな少女を包む腕に力を入れ、
「そりゃっ!」
「――っ!?」
自分の体ごと後ろに引き倒した。
触れている体がこわばり、掴まれた腕には強い力が籠められる。
固く結ばれたまぶたは、その縁が赤くなっていた。
「…………」
緊張を解くためにやさしく体を揺らしてやる。
一定のリズムで与えられる振動は、余計な力を抜いてくれるから。
腹の上の心地よい体重は、それを拒むことなく受け入れてくれた。
……やがて、鼓動が元の調子を取り戻したころ。
腕のなかの少女は吐息とともに、不満げな声を漏らす。
「もう……驚かさないでよぅ」
「ほっほっほ。すまんのう」
とりあえず謝っておこう。
雑な想いから口に出した言葉は、自分で思っていたよりも誠意がこもっていなかった。
……まあ、そんなことはどうでもいい。おほん と咳払いをしてから、わしは話を切り出した。
「わしはここにいるみんなを、自分の子だと思って愛しておる――もちろんそれは君も含めて。な」
子供というよりは孫かひ孫といったほうが適当な年齢じゃがの。
そんな益体もない独り言を交え、続ける。
「だからな。お前さんがもしも、また別の世界に行ってしまったとしても」
エイミーを包んでいた腕を一瞬ほどき、両手で《しるし》を刻みだす。
十本指のそれぞれで、別々の魔術を起こす《しるし》を。
それらは連なり、やがて術式になる。
「突然、元の世界に戻ったとしても」
術式を編む。編む。編む。
組んだ術式を組み合わせて、それにつなげて新たな術式を。
さらに組み合わせて、つなげて……巨大な法陣を作り出した。
「わしはみんなを連れて、必ず会いに行くからのう」
そしてそれを――解き放つ!
遠い中空で生じた光が視界を覆い、一瞬だけ世界は白に染まる。
やがて、色を取り戻した世界が映し出すのは、どこまでも続く夜の空。
戯曲のような星屑が煌めくそこに、無粋な雲など欠片も残ってはいない。
「…………!」
腕のなかの少女は言葉を失って、ただただ瞳に星月を映していた。
開かれた口からは声なき感動が漏れている。
……全ては演出、見せかけだ。
魔術は強い意志を持たなければ効果を発揮しない。
だから、魔術師はみんな嘘つきなのだ。
嘘は、必ず剥げるもの。
だがやはり、辛い想いをする時間なんて短い方がいいに決まっているのだ。
いつの日か真実を知り、エイミーがわしを憎んだとしても。
明日より今日。全てはこの瞬間の恐怖を引き受けるために。
わしは無垢な少女を騙し、誑かす。
「――わしは、それができるくらいには強いからのう」
駄目押しに強い言葉を囁いてやる。
寄り添うように優しく。けれど絶対を感じさせる力強さも籠めて。
「……ふふ」
小さく可愛らしい声で、エイミーは笑ってくれた。
次へ次へと追っていた涙も、今は止まっている。
仰向けに寝ていた少女は身をよじり、うつぶせに姿勢を変えた。
健やかな吐息がローブに吸い込まれて、じんわりとした熱を伝えてくれる。
「ありがとう。おじいちゃん」
顔をローブにうずめたまま彼女は告げてくれた。
温かい、感謝の気持ちを。
それはとても嬉しくて。
けれど、同時にやるせない気持ちにもなってしまう。
過去と変わらない、無力な自分をかえりみて。
人間に次元を超えるような力はない。
だけど、わしは嘘つきだから。
ずっと昔から、嘘つきだから。
身の丈を超えた強い言葉をうそぶいてしまう。
結局、少女の問題は何も解決していない。
嘘で騙して、喫緊の問題を先延ばしにしただけだ。
――ごめんよ
「……さあ、もう遅いからそろそろお眠り」
気が抜けたのだろう。
かみ殺したあくびを漏らす少女に、やわらかく促す。
すると、彼女はゆっくりと。別れを惜しむようにゆっくりと立ち上がり、
「わざわざごめんね。えっと、おやすみなさい」
一礼をしてから、家の中へと消えていった。
冴えた月明りが照らしたのは、赤みが差した頬と目縁。胸の前で身を寄せ合う、人差し指。
心細げな印象しか与えない様子でありながらも、顔には笑みが浮かんでいた。
……遠くない未来。空の雲のように、彼女の心も晴れてくれれば良いのだが。
心に浮かんだ想いは言葉として旅立つことなく、ただ胸の内で朽ち果てる。
煌めく星々は無力な人間をあざ笑うかのように、遠い空で輝いていた。
◆
少女の温もりが跡形もなく死んだあと。
冷たい空気が満ちるそこで、わしは空を見続けた。
やがて雲は再び現れ、星空を無機質に覆い尽くしてしまう。
これでよかったのか。こんなことに意味はあるのか。
何度となく繰り返してきた自問自答は結局、同じ答えへと行きついた。
「…………」
柄にもなく感傷的になっているらしい。
つぐんでいたはずの口端から、音のない声がこぼれた。
夜の闇に吸い込まれて消えたそれは、二度と会うことのない愛しい人の名前。
――ふと、視界の端を何かが流れた
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