異世界の孤児院より~やがて少女は旅に出る~

山なき鳥

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書庫の少女1

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 ――コンコン

 古い木の板に、骨のあたる衝撃が音を生む。
 金色のメッキがはげて地の色が見え隠れしている取っ手をつかむより先に、私は書庫の扉をノックした。

「どうぞ」

 扉をへだてた向こうから、お客さんを招き入れるやさしい声が響く。
 安心する声なのだけれど、私はなんとなく緊張してしまって。手のひらを服にこすってから取っ手をつかんだ。
 失礼します……というのも違う気がして、言葉を見つけられないまま入室する。
 やがて敷居のうえを足が通り過ぎたころ、声の主は読んでいた本から顔をあげてくれた。

「あら? エイミーがここに来るなんて珍しいわね」

 窓から差し込む光に空色の髪を輝かせながら、ラピスは小さく驚いてみせる。
 片手は口元へと添えられ、もう一方は膝上の本のもと。
 さくら色の唇を隠す指先が、どことなく上品に見えた。

「何か、探しものかしら?」

 多くの本が埋まる本棚。暗く変色した床板。飾り気のない椅子と机。
 口元から離れたしなやかな指は、鍵盤を叩くような軽やかさで書庫の全てを指さしてゆく。
 髪を結えるリボンの尾が、追いかけるように小さく揺れた。

「書庫だから、本よね。英雄譚? 料理書? ……それとも、私が目当てだったりして」

 次へ次へと巡っていた指先。
 それは最後に、ラピス自身へと向けられる。

 ちょっぴり冗談めかした言葉を送り出したあと、彼女ははにかんだ。
 ほころんだ頬からは喜びの感情が見て取れる。
 もしも私が来たことを喜んでくれたのなら、それはとても幸せなことだと思う。

「うん。ラピスに会いに来たの」

 自然とゆるむ頬を押さえながら答えた。
 私がここに来た目的は、言葉のとおり。
 なんとなく、今日はラピスとお話がしたかったのだ。

 そんな私に対して、彼女は目をつむって頷いてくれた。
 もぞりと動いた膝の、裏。腰かけられている椅子が、小さな声で笑う。
 ラピスは次いで、隣の椅子を軽くたたいた。

(座ってってことかな?)

 私は示された椅子まで とてとてと歩いていって、お尻をのせた。
 そして羊皮紙の、ちょっと獣くさい匂いに鼻をひくつかせながら、ふと気になったことを口にする。

「何の本を読んでるの?」

「『神々の寵愛の奇跡』」

「え?」

 意味がわからなかった私に、ラピスは優しげな口調でもう一度言ってくれる。
 今度はタイトルを指でなぞりながら。

「アルダメルダさんが書いた『神々の寵愛の奇跡』っていう本を読んでるの」

「な、なんだか難しそうな名前だね」

 私には読めそうもないと思った。
 もし書いてあることがすべて理解できたとしても、読みたいとは思わない。
 あんまり難しいのは、好きじゃないから。

 感想を述べた私に浅く頷いてから、ラピスは本棚からもう何冊かの本を取りだして机に置いた。
 『傲慢の代償』『生体魔術と生命蘇生』『魔術的見地から見た人体構造』……何やら難しそうなものばかりである。
 ラピスはそれらをパラパラとめくり、巻末の一文をゆび指した。
 そこに記されていたのは著者の名前。
 アルダメルダ・ファーファレウス著、と書かれている。

(あれ? アルダメルダって、なんか聞いたことがあるような……)

「――これらの本は、全部おじいちゃんが書いた本なの」

 私が思い出せないでいると、答えはラピスの口からもたらされた。
 ずっと“おじいちゃん”って呼んでたから忘れていたけど、それは彼の名前だったのだ。
 それにしても、こんなに本を書いているなんて――

「おじいちゃんって……もしかしてすごい人なの?」

「ええ。むかし、大魔術師と呼ばれていたくらいには」

 大魔術師というのは、きっとすごいことなのだろう。
 自信たっぷりに語るラピスの様子から なんとなくわかる。
 驚いたけれど、私はそれ以上に誇らしかった。
 自分の好きな人が報われることは、自分がほめられるよりも嬉しいものだ。
 おとといの“なぞなぞ”のときみたいな温かい気持ちが、いつしか私の胸を満たしていた。

「大魔術師アルダメルダ・ファーファレウスが著した最後の本。その原本が、ここにあるの」

 ラピスは語りながら、膝の上に置いた本を撫でる。
 緑色の装丁に触れる指先には、愛おしいものを扱うような優しい力が籠っていた。

「……おじいちゃんの本のこと、知りたい?」

 指先が装丁を何巡かしたあと。彼女は、本に落としていた目線を戻して訊ねた。
 あまりに真っすぐに見つめるものだから、私は少し緊張してしまって。あやふやに視線をさまよわせてから、

「知りたい……と思う」

 なんとも歯切れの悪い返事をした。
 この世界では、想いが言葉になる。私の恥ずかしがりな心が、言葉をにぶらせたのかもしれない。
 ちょっと恥ずかしくなった私は、両手で口元を押さえこんだ。
 じんわりと手のひらに伝わる熱が、心を落ち着けてくれるのだ。

 そんな私に対し、ラピスはこほんと咳払いをして向き直る。
 何から話そうかしら。語り出しはそんな言葉からはじまった。

「エイミーはおじいちゃんのこと、好き?」

「……うん」

 次いだ突拍子のない質問に、びっくりしながらも正直に答えた。
 だけど、今の私はそれだけじゃない。

「好きだよ。ラピスも、みんなも」

 好きだって伝えることは、まだちょっとだけ怖い。
 怖いけど、もう好きな気持ちを隠すことはしたくなかった。

「ありがとう。私もエイミーのことが大好きよ」

 ラピスは笑みを交えて、私が一番欲しかった言葉をくれた。
 おしとやかな口調で、ゆっくりと。

「だけど……もし。もしもね?」

 彼女は指先を擦り合わせながら念を押す。

「エイミーの好きな人が。エイミーを好きになってくれなかったら、どう思う?」

「……いや、だ」

 記憶から感情が抜け落ちた私にとって、それはただの想像でしかない。
 けれど、考えるだけで怖いのだ。
 体の端から自分のものでなくなっていくような。そんな暗い寒けが襲い来る。
 
 口元を押さえていた手のひらも、吐息も……私の寒さを和らげてはくれなかった。
 救ってくれたのはラピスが鳴らした指の音。
 パチン! という小気味いい音が、まとわりついていた悪寒を引き裂いた。

「愛しているのに愛されない。この本には、そんな辛い話が記されているの」

 混乱していた頭は、時間をかけて言葉の意味を噛み砕く。
 やがて本の話だと納得したとき。私の喉は、熱い空気のかたまりを吐きだした。

「……愛しているのに、愛されない」

 彼女の言葉を自分の口で紡ぎなおす。
 そうしないと、本当の意味を計り知ることはできないから。

 この世界で“想い”は“言葉”になるけれど、“言葉”は“想い”になるとは限らない。
 言葉に籠めた感情は、全てが正しく伝わることはないのだから。
 人の心は“言葉”の枠にあてはめるには複雑すぎるのかもしれない。
 
 言葉が形を成した文字も、あるじの感情は残っていない。
 だから私は、そこに感情を籠めてみた。
 筆者の想いを知るために、私なりの感情を。
 ――切なくて辛い。そんな私の想いが、旅立った言葉には乗っていた。

 言葉の尾が透けて、書庫の空気に溶けたころ。
 ラピスは浅く頷いてから口を開いた。

「さっきはああ言ったけど……この本はね、表向きは神話と魔法・・についての本なのよ」

「魔法?」

 思わずオウム返ししてしまう。
 ラピスは“魔術”ではなく“魔法”と言った。
 それは前の世界でのフィクション。
 そして、この世界では初めて聞く言葉だった。

「魔法は、神さまから愛されている人に与えられる贈物ギフト。魔術と似てるけど違うものだわ」

 言いながらラピスは膝上の本を、私が見えるようにめくってくれた。
 厚い、緑色の装丁が開かれて。
 まず目に飛び込んできたのは文字ではなかった。

 見開きに描かれていたのは、単色で描かれた五つの挿絵。
 各色に塗り分けられたそれは、礼拝堂にあった彫刻と同じ絵柄のように見える。
 宗教的な何かなのかもしれない……と考えをめぐらせたところで、ラピスは前に垂れた髪をかきわけながら口を開いた。

「この世界に現存される五柱の神さま。そのお名前と司る元素が、これね」

「えっと、神さまって本当にいるの?」

 私はどうにも半信半疑だった。
 前の世界では色んな神さまがいるとされていたけど、その証拠はあやふやなものしかなかったから。

 それは口を突いて出た素朴な疑問。
 けれども、ラピスは言葉をためらった。
 声をともなわない吐息が、空気をかきわける。

「……いるにはいる。けれど、神さまは私たちを助けてはくれない」

 数瞬遅れて、彼女は苦々しげに言葉を吐き出した。
 つむられた目と眉間に寄ったしわが、暗い感情を物語る。

 私はこんなとき、どう声をかけていいのかわからなくて。
 ただ椅子ごと体を近くに寄せて、肩と肩をくっつけた。
 言葉にすると失われてしまう。そんな感情を伝えたかったのかもしれない。

「大丈夫よ。心配掛けて、ごめんなさい」

 あんまり大丈夫そうにない様子で、彼女は力なく言った。
 羊皮紙のにおいを押しのけて香るはラピスの匂い。
 私と同じ麻のチュニックを着て、同じせっけんを使っているはずなのに。
 わき立つ香りは、私のそれとは違っている。

 鼻を撫でる香りに心を奪われていると、新たな言葉が継げられた。

「神さまは個人を助けてくれないけれど、私たち……世界の人々を救ってくれたわ」

 やわらかな弾性を感じさせる唇。
 そこから送り出される言葉は、この世界の在り様ありようだ。

「今から約300年前まで、世界は魔獣。かつて魔物と呼ばれた化け物に支配されていたの」

 しなやかな指が、すっと伸びた。
 羊皮紙の擦れる音のあと、頁(ルビ:ページ)がひとつめくられる。

 そこには見開きで挿絵だけが描かれていた。
 前の頁にあったものと違って、黒だけで彩られた人物画。

 描かれていたのは少女だった。体の何倍も丈がある椅子に腰かける女の子。
 肩にかかる黒髪は片側だけがリボンでまとめられ、耳元で結わえられている。
 そのとなりにある瞳は、伏せられた長い睫毛に遮られて覗けなかった。
 まるで陶磁器人形ビスクドールのような印象を受ける絵だった。

 もちろん、この女の子に見覚えなんてない。
 前の世界で出会ったこともなければ、この世界で見るのもこれが初めてのはずだ。
 なのに、どうしてだろう。

「ロプスキュリテ……」

 塗り潰された闇のドレスに身を包み、周囲に無数の、持ち手のない漆黒の傘を浮かべる少女。
 彼女を見た瞬間、その名前が脳裏をよぎったのだ。

「あら、知ってたのね。誰かから聞いたのかしら?」

「……わかんない」

 そして不思議なことに、絵の少女はロプスキュリテで合っていたらしい。
 見たことも聞いたこともない女の子の名前を知っている。
 それは酷く気味が悪いことで。私は忘れようと、意識して頭から追い出した。

「そう。これが魔獣を生み出して滅ぼされた、闇の元素を司る神《死と腐毒の神 ロプスキュリテ》」

 語るラピスの語調が強まる。
 声に呼応して、なぞる指先にも力が満ちていた。 

「こいつを打ち倒すため。善なる五柱の神々は、異世界からやってきた“転生者”に協力したの。
 ときには“分神”……切り離した力の一部を地上に降臨させて、直接的に。
 ときにはマナの流れを操って、歩むべき道筋を示すとか、間接的に。
 そして苦難の旅のすえ。腐毒の神は滅ぼされ、魔獣も力の大部分を失ったのよ」

 なんだか古いテレビゲームの話みたいだけど、この世界ではそういうものなのだろう。
 魔物とか分神とか。ちょっと現実離れした話よりも、私は気になったことがある。

「“転生者”って、私みたいな転移者とは違うの?」

「えっと、そうね……」

 問いに対し、ラピスは言葉を淀ませた。
 擦り合わせられる指先が、言い難い内心を物語る。……もしかしたら悪いことを聞いてしまったのかもしれない。
 ふぅ、と憂いげなため息一つ。
 それから彼女は、ためらい混じりに唇を開いた。

「転生者も転移者も、本質的にはあまり差なんて無いの。
 前の世界で肉体を失ってから、生まれ変わるのが転生者。そのまま世界を移ろうのが転移者」

 でもね、
 噛んで含めるように彼女は継げる。

「転生者は生まれ変わるまえに、前の世界の神さまからから贈物ギフトを受け取るわ。
 だから、その……転生者はもてはやされるのだけど――」

 言葉の先は察しがついた。
 転移者である私は、そうではないということなのだろう。

 伏せられたまつげが、彼女の気遣いを黙して語る。
 優しい女の子に感謝をしながら、私は図々しく割り込んだ。

「よかった。……私、ちやほやされるの苦手なんだ」

 文字通りに胸を撫で下ろしながら、照れ笑いを浮かべてみせる。
 告げた想いは本当のことなのだけど……ラピスは、私が気を利かせて軽口を言ったと思ったらしい。
 口元に手を添えて、小さく笑いをこぼしていた。

 その笑い声が引いたころ。
 彼女は話の続きを語りだした。

「魔法は、この世界に生きる全ての人に与えられる可能性があるの。転生者のそれとは別に、ね。
 神さまが魔法を与えるのは、約千人に一人と言われているわ」

「千人……」

 私が通っていた学校の全校生徒よりも多い。
 千分の一という数字は、私にとってとても低い確率に思えた。

「それでも魔法は与えられる。目に見えて奇跡がもたらされるわけだから、信心深い人も多いわ。
 ……けれど逆に、信仰していなくても、魔法は与えられることがある」

 神さまはきまぐれだから。
 そう彼女は続ける。

「そして、魔法を与えたらそれっきり。どんなに辛い目に遭っても、神さまは知らんぷりしちゃうのよ」

 冗談めかした言葉の裏には、辛い経験をしてきたような重みがあった。
 閉ざされていたまぶたはそこで開かれ、私の視線と交差する。
 瞳の奥。揺らぐ光は不安をたたえていた。

「私は、ずっとそばにいるよ」

 そんな彼女を救い出したくて。
 想いは口を伝い、私のもとを旅立った。
 言葉から失われてしまった感情を補うのは、触れ合う肩が与える温もりだ。

 ラピスは何も言わなかった。
 口を開かず……ただ少しだけ、肩にかける体重を重くしてくれた。
 細い肩から伝わる力は決して軽くなくて。
 それが逆に、心地よかった。


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