異世界の孤児院より~やがて少女は旅に出る~

山なき鳥

文字の大きさ
19 / 51

紅茶と手紙

しおりを挟む


「……魔術のことは、みんなには内緒にしてほしいの」

 橙色の光がおちる孤児院の屋根を並んでながめていると、ラピスが ぽつりとつぶやいた。
 初めての魔術を夕食の時に披露しようと考えていた私は、「どうして?」と問い返す。
 喜びを共有したい気持ちと、ちょっとだけ褒めてもらいたい気持ちもあったのかもしれない。

「まだ、その時じゃないから」

 彼女はあいまいな笑みを浮かべて、自身の指先を絡ませた。
 交差したしなやかな指が、夕暮れの色に染め上げられる。
 それを見た私は、追って訊ねることをしなかった。
 私には話せないことなのだと、なんとなくわかってしまったから。

 隠し事をされると寂しい気持ちになる。
 だけど、私がするべきことは追及じゃない。

「そうだね。大魔術師になってから教えた方が、みんなびっくりするもんね!」

 私は隠し事に気付かないふりをして笑いかけた。
 ラピスが心苦しくならないように、できるだけ元気よく。

「…………」

 そんな心の内も、きっとお見通しなのだろう。
 ほどけ髪をゆるい風に遊ばせながら、彼女は無言で手を差し出してきた。
 この孤児院に来た最初の日の思い出と、現在いまが重なる。

 私の手を両手で包んでくれる優しさも、触れあった手先から感じる彼女の鼓動も、あの日と何も変わっていない。
 なのに何故だろう。
 その手は、今日の方が温かかった。



 ◆



 夕食を済ませたあと。
 私はデンテルと一緒に食後の飲み物を淹れていた。
 ちゃ色の茶葉のこれは、紅茶。
 この世界のお茶も発酵の度合いによって、緑茶が、紅茶やウーロン茶になるらしい。
 前の世界のお茶とまったく同じ仕組みに、初めて聞いたときは安心したものだ。
 なすは無くてよかったけど、緑茶や紅茶は大好きだから。

 社会科見学で紅茶の工場に行ったことのある私は、おいしい紅茶の淹れ方を知っている。
 家族の紅茶当番は私だったから、手際にも自信ありだ。

「へぇ……カップのなかでこす・・んじゃないんだね」

 デンテルは私の手順を見て、興味深そうに頷いていた。
 期待されるのはとても嬉しいことだ。それがたとえ小さなことであっても。
 今日のラピスじゃないけど、なんだか先生になった気分である。

「それだと茶葉が開かないの。手鍋でしっかりと温めて、茶葉が開いてからこす・・んだ」

 この孤児院にティーポットや急須は置いてなかった。
 代わりに手で持つ茶漉しはあったから問題は無いのだけど、少しだけ不便である。
 後片付けはこっちの方が楽なんだけどね。

 沸騰した手鍋に茶葉を投入。
 火を消して、軽くゆすってからフタをかぶせて約三分後。
 もあっと白い煙が今、私とデンテルの鼻をくすぐった。

「しっかり、茶こしを押さえててね」

 この手鍋には注ぎ口がないから跳ねてしまうかもしれない。
 いくら私が持つと言っても、彼は「女の子に持たせるわけにはいかない」と言って聞き入れてくれなかった。
 そうやって女の子扱いされるのは照れくさい反面、実はかなり嬉しい。

 前の世界のような白い陶器のカップじゃない。
 荒削りな木製のカップに注がれたそれは見た目は悪いけど、前の世界のそれよりも良い香りをかもしている。
 大切な人たちと時間を共にしているということが、香りにも関係しているのかもしれない。

 無事、六つのカップに紅茶は注がれた。
 お砂糖は無いけれど代わりになる粉末を入れて……よし。

「エイミーは甘いのが好きなの?」

 自分の分だけ紅茶を甘くしているのを見られたらしい。
 デンテルはお盆に紅茶を運びながら、訊ねてくる。

「……うん。子供っぽい、かな?」

 紅茶を一口飲んでから私は答えた。
 淹れたての紅茶は熱いけど、甘みが身体の奥まで染み込んで、幸せな気持ちにしてくれる。

 前の世界の、最後の朝。
 お母さんにお砂糖をねだって飲んだコーヒーの味が思い浮かぶ。
 ……味、だけが。

 きっと私は大人ぶりたかったのだろう。
 あの朝の想いは消えてしまったけれど、普段から私は大人に憧れていたから。
 今もまだそのなごりがあるのか、指摘されてなんとなく恥ずかしい気持ちになっている。

 そんな私に、デンテルは「そうかもね」とつぶやいてから、言葉を継げた。

「でも、何でも甘い方がいいものだよ。甘いだけの方が……ね」

 語るデンテルの表情にはうっすらと影が差している。
 細まった糸目の瞳は今、その色をうかがわせない。

 きっと彼が話しているのは紅茶のことではないのだろう。
 私の知らない過去の話……かもしれない。

「――じゃあ、甘くしちゃえばいいんじゃねーか?」

「わっ!?」

 なんて声をかけようか戸惑っていた私を出し抜いて、後ろから現れたコリーが彼の背中をバンッ! と叩いた。
 デンテルの驚きを表すように、お盆に乗せた紅茶が跳ね、カップの縁を薄く濡らす。

 こういった男の子同士の乱暴なやり取りが、私はちょっとだけうらやましかったりする。
 なんだかあけすけでいいなって、そう思うんだ。

「何を悩んでるのか知んないけど、ここには苦いヤツなんていないんだから、さ!」

「ははは……痛いよ、コリー」 

 背中に次いで肩をバシバシと叩かれながらも、デンテルは笑みを浮かべている。
 大きな音のわりには痛くないのかもしれない。
 楽しそうだし、私も今度やってもらおうかな。

「……んでも、これはちょっと甘すぎだなぁ」

「あ」

 お盆に乗せられたカップを避け、コリーは一つ残っていた紅茶を口に含んだ。
 私が口をつけた、特製の甘い紅茶を。
 ……まずい。顔がどんどん熱くなっていく。

「ほら、コリーもせっかく来たなら運んでよ」

 デンテルはコリーの背中をポンポン押して追いやろうとする。
 両手で頬をおおって赤くなるのを抑える私に、気を遣ってくれたのかもしれない。
 デンテルが元気になったことに満足したのか、コリーは満足げにお盆を持って行ってくれた。


「は、ふぅー……」

 きっと真っ赤になっているだろう顔を冷ますため、裏口の扉を開けて外を見る。
 空には見慣れた二つの月と、やっぱり“こんぺいとう”みたいな星たちが輝いていた。
 さあぁ……と緑を撫でる風が、秋の冷たい空気を運んでくれる。
 いつもなら寒いと思ってしまいそうだけど、今の私にはちょうどよかった。

 そっ、と手をあててみると、私の胸はまだドキドキしたままだった。
 きっと“恋”とか、そういうのではないのだけど。

 記憶から想いがこぼれ落ちてしまった私は今、まっさらな状態なんだと思う。
 誰かの温もりを求め続けて、いつもどこかで寂しいと思ってしまう私は まるで赤ちゃんだ。

「恋、かぁ」

 いつか私にも、特別な一人ができるのかな。
 今はまったく想像がつかないけれど、いつか私が大人になったとき。
 寄り添ってくれる誰かと喜びや悲しみを分かち合えたなら、それはとてもすばらしいことだと思う。
 ……まだ家族と恋人の差すらあいまいな私には、難しすぎる問題だけど。

 前の世界にそういう人はいなかった。
 もしかしたら記憶がゆがむ前から、私にはよくわかってなかったのかもしれない。
 告白された記憶はあるけれど、全部断っていたみたいだし。

 変なことを考えていたせいだろうか。
 外の空気で頭を冷えたはずなのに、ほっぺは未だ熱いままだった。

 水でも飲んで落ち着こう。
 そう考えた私は くるっと回れ右をして、空色の髪が視界をかすめた。

「ねえ、ラピス……いつからいたの?」

 はっとして視線を上げると、そこあった私を射抜く視線と交差した。
 心臓がかけ足ぎみに音を鳴らすのを実感しながらも、私は一番聞かなければいけないことを訊ねる。

「ええと、最後だけよ。それ以外は何も聞いてないわ」

 ラピスは両手を胸の前で開き、ふるふると揺らしながら答えた。
 心の内を見通すような瞳で、私を見やりながら。

 最後って……元から一言しかつぶやいてないし。
 あまりに恥ずかしくて、それを隠すためにジトッとした視線を送っていると、

「その、悪かったわ。だからあんまりにらまないで」

 可愛い顔が台無しよ、とラピスは困り笑いを浮かべて肩をすくめた。
 そんなおせじにごまかされる私ではない。
 なんて強い自分を思い描くのだけど、ほっぺたは言うことを聞かずに熱さを増してゆく。

「しらないっ!」

 このまま見つめられていてはいつまで経っても落ち着かない。
 私はもう一度回れ右をして、絡み合った視線をほどいた。
 夜空の光と闇が再び視界を埋めつくす。

 そうやってねてみて思った。
 私もずいぶんここに慣れたんだなぁ、って。

 最初はもっと肩肘を張っていた気がする。
 想いが抜け落ちた私は人に嫌われたくなくて、自分のなかの感情がきもちわるくてたまらなかったから。
 前の世界でしていたような照れ隠しをできたことが、私はなんだか嬉しかった。
 こんなことで嫌われたりしないって確信できることも含めて。

 そっぽを向いてしまった私に対し、背後の彼女は「あらあら」とつぶやいた。
 きっと口元には手をあてて、優しい瞳をしていることが見なくてもわかる。
 やわらかい口調からは、本気で困っている様子は感じられなかったから。

 しかし、どうしよう。
 顔をそむけたのはいいのだけど、部屋や食堂に戻るにはもう一度振り返らなければいけない。
 そっぽをむいてすぐに振り返るというのもバツが悪い。

 振り返るタイミングを探して、なんとなく空を見上げると、

「――え?」

 月が涙をこぼすように、白く淡い光をまとった手紙が落ちてきた。

 それは外を駆ける風になびくことはなく、ゆっくりと私の手元へと下りてくる。
 まるでたんぽぽの綿毛みたいに重量を感じさせない手紙は、手に触れた途端に文字を浮かび上がらせた。

『 お茶 冷めちゃうよ みんなも待ってる 』

 《しるし》とは違う。けれどただの文字ともどこか違うそれは、なんてことない内容を記していた。
 “違う”と思う理由は、この手紙からは感情が伝わってくるからだ。
 読み終わった文字は私の中に染み込んで、やがて手紙はかたちを失った。

 ――たぶんこれが、

「ラピスの魔法、なんだよね?」

「ええ。風の元素を司る神、エルドラドさまが与えてくれた力よ」

 振り返った先にいたラピスは何でもないことのように答えた。
 力をひけらかすとか自慢するとか、そういった嫌味はかけらも感じない。
 小さくなった肩が、むしろ彼女を寂しそうに見せていた。

「こんなことしかできない魔法だけど、仲直りのきっかけくらいは作れるのよね」

 継げる彼女の言葉には、自分をさげすむような色が見え隠れしている。
 きっと魔法が好きではないのだろう。
 書庫で本の内容を話してくれたときと同じ、そんな印象を受けた。

 好きなものを嫌いと言われてしまうことは辛いことだ。
 だけど、嫌いなものを好きと言われるのはどうだろう。
 
「神さまとか、そんなの関係ないよ」

 感想は人それぞれ。
 私が感じる世界と彼女が感じる世界は違うのだから。
 私はラピスの世界を否定しないけれど、私の世界を否定させもしない。

「空の魔法使いとか元素とか。この世界のことはわからない」

 私は自分のことをもっと知ってほしい。
 想いを、心を、感情を。
 そして、それと同じくらいラピスのことを知りたいと思っている。

「だけど、私はラピスの魔法が好きだよ。……とってもきれいで、優しい魔法だと思う」

 伝える言葉に想いを籠めて。
 こぼれてしまった感情は彼女が拾い集めてくれる。
 手と手をつないでなくても、今の私には自信があった。
 私のなかに、手紙に籠められた感情が染み込んだからかもしれない。

 真剣な想いを告げた私の頬からは、余計な熱が失われていた。
 代わりに胸のなかをラピスの想いが満たしてくれる。
 あったかい、彼女にとっての家族を思い遣るやさしさが。

「……そう、真っすぐに言われると照れてしまうわ」

 さくら色の唇で言葉を紡ぐラピスの頬は、ほんのりと朱が差している。
 傍から見れば、それは魔石の光によるものかもしれないし、二つの月明りによるものかもしれないだろう。
 けれど私は、私の想いが彼女に届いたからだと確信していた。

 私がそうしたように。でも、どこか上品に手で頬を押さえながら、ラピスは小さなため息をついた。
 吐息に色がつく世界があったなら、きっとこれは明るい色だろうな。
 そんな下らないことを考えてしまうほど、幸せそうなため息だった。

 それから少しして、ラピスは思い出したかのように目を閉じた。
 まばたきよりも少しだけ長い、微妙な時間だけ。
 彼女がよく目を閉じるのは癖なのかもしれない。
 
「――明後日の夜、時間を空けておいてほしいの」

 まぶたと口が開かれるのは同時だった。  
 なんでもないふうを装った、強い決意がにじむ言葉。
 雰囲気からすると、きっと楽しい話ではないのだろう。

 どうして、とは聞けなかった。
 問う言葉の代わりに私は頷いて意思を伝える。

 私は今日でもいいのだけど、ラピスは明後日と言った。
 なら、私も明後日でいい。
 ルシルが前にそうしてくれたように、私も心の準備が整うまで待つまでだ。
 

 固く閉ざされたさくら色の唇。
 そこから新たな言葉が生まれることは、今日はもうなかった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

【完結】嫌われ公女が継母になった結果

三矢さくら
恋愛
王国で権勢を誇る大公家の次女アデールは、母である女大公から嫌われて育った。いつか温かい家族を持つことを夢見るアデールに母が命じたのは、悪名高い辺地の子爵家への政略結婚。 わずかな希望を胸に、華やかな王都を後に北の辺境へと向かうアデールを待っていたのは、戦乱と過去の愛憎に囚われ、すれ違いを重ねる冷徹な夫と心を閉ざした継子だった。

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました

香木陽灯
恋愛
 伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。  これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。  実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。 「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」 「自由……」  もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。  ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。  再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。  ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。  一方の元夫は、財政難に陥っていた。 「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」  元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。 「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」 ※ふんわり設定です

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

処理中です...