108 / 127
108
しおりを挟む
リリアン視点
クラウディア様にはすぐに会えるようになった。
出産前から後宮を掌握し、皇帝陛下の側妃は皆離宮へと移っていただいた。
後宮は閉ざされた場所というイメージだけど、それは妃と直系の皇子を守るには適している。
だがそこになんの仕事もしないおばさん達がいっぱいいると新しく来た嫁は落ち着かないだろう。何か仕掛けられるかもしれないし。
元々皇后もいない後宮だ。
皇后は城内の離宮だが、ほとんどの側妃達は城外に移って貰った。今現在寵愛している側妃一人だけは城内の別の離宮に留まる事が許された。
一見追い出されたように見えるが、皇帝に飽きられてしまった側妃をいつまでも後宮に閉じ込めておくのは気の毒だと思ったのではないだろうか。
そんな訳で後宮はクラウディア様と皇子のみが安心して暮らせる場所となった。
そして私はいつでも後宮に入ることを許された特別な人になったらしい。
二人へのプレゼントを用意してやって来た。
クラウディア様は挨拶を終えると人払いした。
「レイモンドとよりを戻したんだって?」
「うん。」
「あいつセックス下手なんだろ?
やめとけよ。」
「セックスだけがその人の価値じゃないでしょ?」
「じゃあどこがいいんだよ?
金ならリリアンも十分持ってるし、あいつのいい所なんて他に何が?」
兄に向かってなんて言い種。
「クラウディア様が紹介したんじゃない。」
「まあ、そうだけど。
あの時は他に安心して任せられる奴がいなかったから。
結果的に一番危険な奴だったがな。」
「好きになるのは理屈じゃないのよ。
セックスだって慣れればよくなるかもだし。」
「あれだろ?変態らしいじゃないか、痛いとか慣れるもんじゃないだろ?」
「痛いのはサイズが合わないからよ。」
「なっ!…大きいのか?」
「…うん。おまけに私が小さいんだと思う。」
「…どれくらい?」
「…これくらい。」
手で長さを示す。
「うわっ、でかっ!」
「多分半分くらいしか入んない。
教えたんだからカイル殿下のも教えなさいよ。」
「えー…これくらい。」
「うわぁ…生々しい。」
部屋をノックする音が。
あわてて姿勢を正す。
乳母が皇子様を連れてきてくれた。
床に下ろすとよちよちと歩く。
「ケインだ。」
!
カイル殿下にそっくりな金髪に碧眼。
「何?コレ?天使なの?」
かわいい!かわいい×百!
しゃがむと近づいて来た。
「こっち来た!抱っこしていい?」
「いいよ。」
「うはぁぁぁぁ~汚れた私が浄化されるぅ。」
抱き上げるとかわいく笑ってくれた。
「だろ?俺も毎日浄化されてる。」
なんだろう?じっと胸を見てる。
「っぱい!」
小さな手でペチペチ叩いた。
「ん~許す。存分に触るがいいわ。ママには無いでしょうから。」
「ちょっと前まであったんだよ。授乳期間限定で。」
クラウディア様は乳母には任せず自分のおっぱいを飲ませたんだけど、すぐに出なくなってしまって小さくなったらしい。
「いいな、リリアンは。」
「ちょっと何一緒んなって触ってんのよ。」
ケイン皇子を抱っこしている私をハグしてさりげなくもみもみしていた。
そこへ、
「リリアンが来たんだって?」
カイル殿下がやって来た。
「何をしてるんだ?ずるいじゃないかクラウディア。」
私を挟んで反対側から抱き締める。
「カイル殿下、挨拶もまだ…。」
「そんなのはいいから。
ようこそ、後宮へ。
やっぱりレイモンド殿より私達のほうが、」
「ちょっと何言ってんですか!ずっといる訳じゃないですよ!」
「簡単には帰れないよ?」
「クラウディア様まで何言ってんの!子供の前で!
ちょっ、殿下は匂い嗅がないで!」
後宮は恐ろしい所だった。
クラウディア様にはすぐに会えるようになった。
出産前から後宮を掌握し、皇帝陛下の側妃は皆離宮へと移っていただいた。
後宮は閉ざされた場所というイメージだけど、それは妃と直系の皇子を守るには適している。
だがそこになんの仕事もしないおばさん達がいっぱいいると新しく来た嫁は落ち着かないだろう。何か仕掛けられるかもしれないし。
元々皇后もいない後宮だ。
皇后は城内の離宮だが、ほとんどの側妃達は城外に移って貰った。今現在寵愛している側妃一人だけは城内の別の離宮に留まる事が許された。
一見追い出されたように見えるが、皇帝に飽きられてしまった側妃をいつまでも後宮に閉じ込めておくのは気の毒だと思ったのではないだろうか。
そんな訳で後宮はクラウディア様と皇子のみが安心して暮らせる場所となった。
そして私はいつでも後宮に入ることを許された特別な人になったらしい。
二人へのプレゼントを用意してやって来た。
クラウディア様は挨拶を終えると人払いした。
「レイモンドとよりを戻したんだって?」
「うん。」
「あいつセックス下手なんだろ?
やめとけよ。」
「セックスだけがその人の価値じゃないでしょ?」
「じゃあどこがいいんだよ?
金ならリリアンも十分持ってるし、あいつのいい所なんて他に何が?」
兄に向かってなんて言い種。
「クラウディア様が紹介したんじゃない。」
「まあ、そうだけど。
あの時は他に安心して任せられる奴がいなかったから。
結果的に一番危険な奴だったがな。」
「好きになるのは理屈じゃないのよ。
セックスだって慣れればよくなるかもだし。」
「あれだろ?変態らしいじゃないか、痛いとか慣れるもんじゃないだろ?」
「痛いのはサイズが合わないからよ。」
「なっ!…大きいのか?」
「…うん。おまけに私が小さいんだと思う。」
「…どれくらい?」
「…これくらい。」
手で長さを示す。
「うわっ、でかっ!」
「多分半分くらいしか入んない。
教えたんだからカイル殿下のも教えなさいよ。」
「えー…これくらい。」
「うわぁ…生々しい。」
部屋をノックする音が。
あわてて姿勢を正す。
乳母が皇子様を連れてきてくれた。
床に下ろすとよちよちと歩く。
「ケインだ。」
!
カイル殿下にそっくりな金髪に碧眼。
「何?コレ?天使なの?」
かわいい!かわいい×百!
しゃがむと近づいて来た。
「こっち来た!抱っこしていい?」
「いいよ。」
「うはぁぁぁぁ~汚れた私が浄化されるぅ。」
抱き上げるとかわいく笑ってくれた。
「だろ?俺も毎日浄化されてる。」
なんだろう?じっと胸を見てる。
「っぱい!」
小さな手でペチペチ叩いた。
「ん~許す。存分に触るがいいわ。ママには無いでしょうから。」
「ちょっと前まであったんだよ。授乳期間限定で。」
クラウディア様は乳母には任せず自分のおっぱいを飲ませたんだけど、すぐに出なくなってしまって小さくなったらしい。
「いいな、リリアンは。」
「ちょっと何一緒んなって触ってんのよ。」
ケイン皇子を抱っこしている私をハグしてさりげなくもみもみしていた。
そこへ、
「リリアンが来たんだって?」
カイル殿下がやって来た。
「何をしてるんだ?ずるいじゃないかクラウディア。」
私を挟んで反対側から抱き締める。
「カイル殿下、挨拶もまだ…。」
「そんなのはいいから。
ようこそ、後宮へ。
やっぱりレイモンド殿より私達のほうが、」
「ちょっと何言ってんですか!ずっといる訳じゃないですよ!」
「簡単には帰れないよ?」
「クラウディア様まで何言ってんの!子供の前で!
ちょっ、殿下は匂い嗅がないで!」
後宮は恐ろしい所だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,226
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる