ひだまり婚約録 ― 可愛い彼と現実主義令嬢

星乃和花

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(ローラン視点)

言ってしまった。
“好きです”でも“愛しています”でもなくて、“君みたいになりたい”から始まる告白。
君は“受領”と言った。相変わらず、君の言葉は生活に使える。

「イリス」

「はい」

「確認術を、ひとつ増やしてもいい?」

「提案をどうぞ」

「憧れ確認」
カードをめくり、三行で書く。

憧れ確認
1. 君の“よかった”を毎日見つける(最少一つ)
2. それを自分にも適用できるか、試す
3. 無理なら“手伝って”と言う

君が微笑む。「良性の確認です」

「僕、うまくやれるかな」

「やれます。失敗しても、可愛いです」

「それ、ずるい褒め方だよ」

笑い合うと、胸の奥が広がった。
君が可愛いと言ってくれたからじゃない。
君が、僕の“憧れ”を構造にしてくれたからだ。

「自己申告欄、今日の分を書く?」

カードの余白を、君が差し出す。
僕は一息置いて、ペンを走らせた。

( 憧れ可愛い(恋由来) )

「分類がきれいです」

「最大値は、まだ空けておく」

「はい。最大値は——」

「僕が僕に許す日に、現れる」

君がうなずき、視線を少し落とした。
その下がり方に、ほんの微量の寂しさが混じる。
逃したくない。

「イリス」

「はい」

「君は君の最大値を、今もう生きてる」
言葉が先に出た。
「誰かの最大値を“測らず”“競わず”“守る”やり方で。僕はそこに、毎日、間に合いたい」

君の睫毛がふるえ、色ビーズが一粒、瓶に落ちる音がした。(涙=良性、微量)
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