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第9話 三ヶ月って、長いの?短いの?(わたし)
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午后、雨雲の端がほどけて、庭に薄い光が戻ってきました。
白レースの襟は乾いて、生成りのリボンはいつも通り“ほどけても結び直せる”感じで胸の上にいます。指輪は軽くて、今日のわたしの位置を忘れないでいてくれます。
三ヶ月って、長いの?短いの?
ここに来る前は、曖昧な“とりあえず”の単位に聞こえていました。けれど、庭の水音やローズマリーの香りや、彼の「私」と「俺」のあいだにある小さな揺れを毎日ひとつずつ拾っていると、三ヶ月は“歩幅の練習”のための時間に見えてきます。
長ければ重たくなるし、短ければ焦る。でも、真ん中は、たぶんここ。——そう思える日が、少しずつ増えていきます。
「息、浅くない?」と、自分に問いかけてから、テラスの白い布の端をなぞりました。
深呼吸。胸がひとつ、やわらかく上下します。風はさっきより穏やか。庇の雫が、時々ぽとり、と落ちる音がして、噴水と交じり合いました。
「少し、歩いてきます」
メイドさんに声をかけると、彼女は薄いストールを手渡してくれました。
「丘までの途中で、風が冷えるところだけ気をつけてくださいね」
庭の砂利はまだ湿っていて、靴音は控えめです。
薔薇のアーチをくぐると、雨のあと特有の緑の匂い。ローズマリーは、雨の日に記憶を濃くする、と彼が言っていたのを思い出します。
(たぶん、わたしも——雨の朝の“少しだけ”を、ちゃんと思い出す)
支えられた瞬間の温度。離れ方まで丁寧な手。抱きしめられなかった、やさしい距離。
わたしは胸の奥で、その全部に小さく「ありがとう」を置きました。
並木の切れ間から、丘がのぞきます。
白い屋根は、雲の影に入ったり出たりして、白すぎない白に波を作っていました。今日は扉の手前まで行かない、と朝のうちに決めたのに、ここから見るだけで息が落ち着くのが不思議です。
(“行かない”が、さがることじゃないと知ったの、今朝だった)
わたしは指輪をくるりと回し、足をとめました。庭園の端の小さなベンチに腰掛けると、薄い光が膝の上を丸く撫でます。白い日傘は持ってきたけれど、今日は閉じたまま。雲のほうが、やさしい影をくれるから。
三ヶ月のうち、まだ何日も残っている。——はずなのに、もう半分以上が“思い出に変わる準備”を始めている気もします。
初日の“仮の指輪”、朝のテラスのローズマリー、歩幅の真ん中、遠回りの小道、嫉妬を黙って鎮めた横顔、そして雨の朝の“支える”距離。
(わたし、好きが増えるたびに、心の中の真ん中が少しずつ動く)
動くのを責めるかわりに、「よく見えてるね」と自分に言ってあげたい。彼がそういうふうに、わたしを見てくれるから。
「——お嬢さん」
いつのまにか近くに、礼拝堂の管理人さんが立っていました。庭と丘の間の道を、静かに通りかかっただけのようです。
「明日の朝は、風が軽いかもしれませんよ。布の交換も、予定通りに」
「そうなんですね」
声が少しだけ弾みましたが、すぐに落ち着かせます。
「……行くかどうかは、わたしの身体と風に聞いてからにします」
管理人さんは目を細めて、うなずきました。
「それがいちばん、やさしい」
足音が遠ざかって、また静か。
(明日の朝——“かもしれない”が、“行けたらいいな”くらいまで育ってる)
無理をしないで、でも、心の中だけで扉を一枚、そっと開けてみる。扉の内側に置く言葉を、今のうちに選んでおこうと思いました。
“ありがとう”と“どうか”を数えない祈り。
“ここにいます”を置くみたいに、静かな言葉。
それから、もし、言えるなら——
(わたしは、あなたといると、安心します)
それを、礼拝堂じゃなくても、どこかの風の通る場所で、いつかちゃんと。
砂利の音が微かに増えて、気配に振り向くと、彼が庭の入り口に立っていました。
遠くからでも、背筋のまっすぐさと、黒髪の整い方はすぐにわかります。彼はすぐに近づかず、わたしの視線が“どうぞ”になるのを待ってから歩み寄ってきました。
「濡れていないか」
「だいじょうぶです。——少しだけ、丘を見ていました」
彼はベンチに座らず、斜め後ろに立って、芝生の向こうに目を遣ります。
「管理人から、明朝のことを聞いた。……風しだいだ」
「はい。風と身体が“いいよ”って言ったら、少しだけ」
「少しだけ、が、いい」
わたしたちはそれ以上、扉の話をしませんでした。
三ヶ月の中で、まだ言葉にしないほうが良いことがある。言葉にする準備は、胸の中で静かに進めながら。
「——三ヶ月って、長いのか短いのか、考えていました」
正直に話すと、彼はふっと目を細めました。
「結論は」
「“わたしには、ちょうどいいかもしれない”。……あなたには、足りない、でしたよね」
「足りない、と思っている。だが、君にとっては“急がないための長さ”が要る。そう言った私の言葉は、いまも正しい」
「ねえ、“足りない”って、どの部分が、ですか」
彼は少しだけ迷うみたいに視線を移してから、静かに答えます。
「言葉の数。触れ方の種類。——そして、約束の重さ」
わたしは指輪をくるり。
「重くするのは、あとで、でしたよね」
「あとで、でいい。……ただ、その“あとで”は、君の“はい”に続く言葉だ」
“はい”という音が、胸の中で遠く鳴りました。
「その“はい”が、いつか来るなら、あなたは——」
わたしが言いかけると、彼はやわらかく遮りました。
「君の“はい”は、君のものだ。私の問いの形さえ、君の呼吸を浅くするなら、変える」
胸が熱くなりました。
彼は、どこまで行っても“わたしの呼吸”の味方でいてくれる。
“独占”の手前で止まる強さは、わたしの選ぶ力を育てるための余白に見えます。
「三ヶ月の間に、わたし、いくつ“すき”って言えるかな」
言いながら、指折り数えたくなりました。
「ローズマリーの香りがすき。噴水の音がすき。白すぎない白がすき。歩幅の真ん中がすき。あなたの“私”の声がすき。ときどき零れる“俺”も、すき。……嫉妬を言葉にしてくれるの、すき。支える距離の手、すき」
言葉にしながら恥ずかしくなって、白い日傘を半分だけ開いて、顔を隠します。
彼は笑いませんでした。ただ、少し長く息を吐き、低く短く言いました。
「困る」
「また、困らせてしまいました?」
「焦らないつもりだが、いまの並びは、俺を簡単に焦らせる」
“俺”が一瞬だけ落ちて、すぐに「私」に戻ります。
「——だが、焦りを君に押しつけないことを、私は選べる」
日傘の陰の中で、口元がほころびました。
「じゃあ、わたしは“言葉を増やす”を選びます。重さじゃなくて、数。たぶん、どんどん増えます」
「増やしてほしい」
彼はそこでやっと、わずかに笑いました。
笑いは、白くはないけれど、礼拝堂の壁みたいに光を受けるための色をしている。
わたしたちは一息に立ち上がらず、庭の音を少しだけ聞きました。雨上がりの鳥が、葉の水を弾く音。遠くで誰かが窓を開ける音。台所庭から、パンの香り。
「帰り道は、遠回りしてもいい?」
「もちろん。台所庭を抜ける小道は、乾きが早い」
「逃げ道じゃなくて、安心の道だと思えてきました」
「それが一番いい」
立ち上がるとき、リボンが「よくできました」と小さく揺れました。
彼は先に歩かず、わたしの“行こう”の歩幅を待ってくれます。わたしは一歩小さく、次に一歩長く。真ん中が、今日も見つかりました。
廊下に入る手前で、わたしはふと振り向きました。
丘の白い屋根が、雲の間で一度だけ強く光ります。
(明日の朝、もし——)
心の中で扉をそっと押してみる。わたしの身体と風が、声をそろえて“いいよ”って言ったなら、内側の空気を少しだけ確かめたい。
祈りの言葉は準備しません。準備しないことを、準備にする。
そして、ひとつだけ、今のわたしにできる準備を——
「明日の朝、白いレース、どれにしよう」
独り言みたいに言うと、彼が首をかしげます。
「どれでも、君の“好き”を」
「じゃあ、白すぎない白。安心の色」
「いい選択だ」
部屋に戻る廊下、レースの袖が「今日の真ん中、ちゃんと見つけたね」と揺れました。
鏡の前で、リボンの結び目を軽く整え、指輪を一度だけくるり。
三ヶ月は、長くも短くもできる。——わたしが選ぶなら、“わたしの速度で、あなたの隣へ”。
そう心に置いて、灯を落としました。
明日の朝の風が、やさしい速さでありますように。
わたしの呼吸と、おなじ速さで。
白レースの襟は乾いて、生成りのリボンはいつも通り“ほどけても結び直せる”感じで胸の上にいます。指輪は軽くて、今日のわたしの位置を忘れないでいてくれます。
三ヶ月って、長いの?短いの?
ここに来る前は、曖昧な“とりあえず”の単位に聞こえていました。けれど、庭の水音やローズマリーの香りや、彼の「私」と「俺」のあいだにある小さな揺れを毎日ひとつずつ拾っていると、三ヶ月は“歩幅の練習”のための時間に見えてきます。
長ければ重たくなるし、短ければ焦る。でも、真ん中は、たぶんここ。——そう思える日が、少しずつ増えていきます。
「息、浅くない?」と、自分に問いかけてから、テラスの白い布の端をなぞりました。
深呼吸。胸がひとつ、やわらかく上下します。風はさっきより穏やか。庇の雫が、時々ぽとり、と落ちる音がして、噴水と交じり合いました。
「少し、歩いてきます」
メイドさんに声をかけると、彼女は薄いストールを手渡してくれました。
「丘までの途中で、風が冷えるところだけ気をつけてくださいね」
庭の砂利はまだ湿っていて、靴音は控えめです。
薔薇のアーチをくぐると、雨のあと特有の緑の匂い。ローズマリーは、雨の日に記憶を濃くする、と彼が言っていたのを思い出します。
(たぶん、わたしも——雨の朝の“少しだけ”を、ちゃんと思い出す)
支えられた瞬間の温度。離れ方まで丁寧な手。抱きしめられなかった、やさしい距離。
わたしは胸の奥で、その全部に小さく「ありがとう」を置きました。
並木の切れ間から、丘がのぞきます。
白い屋根は、雲の影に入ったり出たりして、白すぎない白に波を作っていました。今日は扉の手前まで行かない、と朝のうちに決めたのに、ここから見るだけで息が落ち着くのが不思議です。
(“行かない”が、さがることじゃないと知ったの、今朝だった)
わたしは指輪をくるりと回し、足をとめました。庭園の端の小さなベンチに腰掛けると、薄い光が膝の上を丸く撫でます。白い日傘は持ってきたけれど、今日は閉じたまま。雲のほうが、やさしい影をくれるから。
三ヶ月のうち、まだ何日も残っている。——はずなのに、もう半分以上が“思い出に変わる準備”を始めている気もします。
初日の“仮の指輪”、朝のテラスのローズマリー、歩幅の真ん中、遠回りの小道、嫉妬を黙って鎮めた横顔、そして雨の朝の“支える”距離。
(わたし、好きが増えるたびに、心の中の真ん中が少しずつ動く)
動くのを責めるかわりに、「よく見えてるね」と自分に言ってあげたい。彼がそういうふうに、わたしを見てくれるから。
「——お嬢さん」
いつのまにか近くに、礼拝堂の管理人さんが立っていました。庭と丘の間の道を、静かに通りかかっただけのようです。
「明日の朝は、風が軽いかもしれませんよ。布の交換も、予定通りに」
「そうなんですね」
声が少しだけ弾みましたが、すぐに落ち着かせます。
「……行くかどうかは、わたしの身体と風に聞いてからにします」
管理人さんは目を細めて、うなずきました。
「それがいちばん、やさしい」
足音が遠ざかって、また静か。
(明日の朝——“かもしれない”が、“行けたらいいな”くらいまで育ってる)
無理をしないで、でも、心の中だけで扉を一枚、そっと開けてみる。扉の内側に置く言葉を、今のうちに選んでおこうと思いました。
“ありがとう”と“どうか”を数えない祈り。
“ここにいます”を置くみたいに、静かな言葉。
それから、もし、言えるなら——
(わたしは、あなたといると、安心します)
それを、礼拝堂じゃなくても、どこかの風の通る場所で、いつかちゃんと。
砂利の音が微かに増えて、気配に振り向くと、彼が庭の入り口に立っていました。
遠くからでも、背筋のまっすぐさと、黒髪の整い方はすぐにわかります。彼はすぐに近づかず、わたしの視線が“どうぞ”になるのを待ってから歩み寄ってきました。
「濡れていないか」
「だいじょうぶです。——少しだけ、丘を見ていました」
彼はベンチに座らず、斜め後ろに立って、芝生の向こうに目を遣ります。
「管理人から、明朝のことを聞いた。……風しだいだ」
「はい。風と身体が“いいよ”って言ったら、少しだけ」
「少しだけ、が、いい」
わたしたちはそれ以上、扉の話をしませんでした。
三ヶ月の中で、まだ言葉にしないほうが良いことがある。言葉にする準備は、胸の中で静かに進めながら。
「——三ヶ月って、長いのか短いのか、考えていました」
正直に話すと、彼はふっと目を細めました。
「結論は」
「“わたしには、ちょうどいいかもしれない”。……あなたには、足りない、でしたよね」
「足りない、と思っている。だが、君にとっては“急がないための長さ”が要る。そう言った私の言葉は、いまも正しい」
「ねえ、“足りない”って、どの部分が、ですか」
彼は少しだけ迷うみたいに視線を移してから、静かに答えます。
「言葉の数。触れ方の種類。——そして、約束の重さ」
わたしは指輪をくるり。
「重くするのは、あとで、でしたよね」
「あとで、でいい。……ただ、その“あとで”は、君の“はい”に続く言葉だ」
“はい”という音が、胸の中で遠く鳴りました。
「その“はい”が、いつか来るなら、あなたは——」
わたしが言いかけると、彼はやわらかく遮りました。
「君の“はい”は、君のものだ。私の問いの形さえ、君の呼吸を浅くするなら、変える」
胸が熱くなりました。
彼は、どこまで行っても“わたしの呼吸”の味方でいてくれる。
“独占”の手前で止まる強さは、わたしの選ぶ力を育てるための余白に見えます。
「三ヶ月の間に、わたし、いくつ“すき”って言えるかな」
言いながら、指折り数えたくなりました。
「ローズマリーの香りがすき。噴水の音がすき。白すぎない白がすき。歩幅の真ん中がすき。あなたの“私”の声がすき。ときどき零れる“俺”も、すき。……嫉妬を言葉にしてくれるの、すき。支える距離の手、すき」
言葉にしながら恥ずかしくなって、白い日傘を半分だけ開いて、顔を隠します。
彼は笑いませんでした。ただ、少し長く息を吐き、低く短く言いました。
「困る」
「また、困らせてしまいました?」
「焦らないつもりだが、いまの並びは、俺を簡単に焦らせる」
“俺”が一瞬だけ落ちて、すぐに「私」に戻ります。
「——だが、焦りを君に押しつけないことを、私は選べる」
日傘の陰の中で、口元がほころびました。
「じゃあ、わたしは“言葉を増やす”を選びます。重さじゃなくて、数。たぶん、どんどん増えます」
「増やしてほしい」
彼はそこでやっと、わずかに笑いました。
笑いは、白くはないけれど、礼拝堂の壁みたいに光を受けるための色をしている。
わたしたちは一息に立ち上がらず、庭の音を少しだけ聞きました。雨上がりの鳥が、葉の水を弾く音。遠くで誰かが窓を開ける音。台所庭から、パンの香り。
「帰り道は、遠回りしてもいい?」
「もちろん。台所庭を抜ける小道は、乾きが早い」
「逃げ道じゃなくて、安心の道だと思えてきました」
「それが一番いい」
立ち上がるとき、リボンが「よくできました」と小さく揺れました。
彼は先に歩かず、わたしの“行こう”の歩幅を待ってくれます。わたしは一歩小さく、次に一歩長く。真ん中が、今日も見つかりました。
廊下に入る手前で、わたしはふと振り向きました。
丘の白い屋根が、雲の間で一度だけ強く光ります。
(明日の朝、もし——)
心の中で扉をそっと押してみる。わたしの身体と風が、声をそろえて“いいよ”って言ったなら、内側の空気を少しだけ確かめたい。
祈りの言葉は準備しません。準備しないことを、準備にする。
そして、ひとつだけ、今のわたしにできる準備を——
「明日の朝、白いレース、どれにしよう」
独り言みたいに言うと、彼が首をかしげます。
「どれでも、君の“好き”を」
「じゃあ、白すぎない白。安心の色」
「いい選択だ」
部屋に戻る廊下、レースの袖が「今日の真ん中、ちゃんと見つけたね」と揺れました。
鏡の前で、リボンの結び目を軽く整え、指輪を一度だけくるり。
三ヶ月は、長くも短くもできる。——わたしが選ぶなら、“わたしの速度で、あなたの隣へ”。
そう心に置いて、灯を落としました。
明日の朝の風が、やさしい速さでありますように。
わたしの呼吸と、おなじ速さで。
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