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二章
13.待ち合わせしよう
しおりを挟む今日は休みだから夕飯を作ろうと、足りない食材を買い足しに行く事にした。冷蔵庫の残り物を考えると、鶏肉をトマトを買い足してチキンと野菜のトマト煮なんかがいいかな。後はサラダと昨日のつまみの残りを食べよう。そう言えば冬真が綺麗に片付けてくれたな。残ったマリネなんか丁寧にタッパーに入れてあったし。家事の分担は揉める事なく出来そうだな。
俺は一人で街中を歩きながら冬真の好物について考えていた。俺はイタリアンが好きだからそっち寄りの献立になっちゃうけど、もし和食とか中華が好きだって言うなら献立の幅を広げないとだな。光ちゃんが作る賄いを美味しいと言って喜んで食べる姿を見ると、男飯みたいなのが好きなのかも?となるともっとガッツリした味の濃い物の方が喜ぶかな。
いやいや、俺ってば何冬真を喜ばせようとしてんだよ。元々住んでたのは俺なんだし、俺の好きな物を作ればいいじゃん。急に恥ずかしくなって来たから買い物に集中する事にした。
こういう買い物も、今日とかは冬真に予定があったから一人でしてるけど、二人でするようになるのかな。そしたらたくさん買い込めるし、あれこれ相談も出来るからいいかもな。時間が合わなかったら出来る方が行けばいいし、それを待ってる方も他の家事をやりながら待てばいい。なんかそれって楽しくないか?
数ヶ月前までは弟の空も住んでたけど、高校生だったから負担を掛けたくなくて家事はたまにお風呂掃除と洗濯ぐらいしかやらせなかった。ほとんど昼間家にいる俺がやっていたからほぼ一人でやっていたのと変わらない。これからは二人で分担してやっていくのか。うん、楽しみだな♪
気分良く目当ての食材をカゴに入れて行き、レジに通す。買った物を袋に詰めている所で冬真から電話があった。俺はワイヤレスイヤホンを耳に付けて応答ボタンを押す。
「もしもしー?冬真終わったー?」
『はい!今終わって店を出たとこです。雪さんは家にいますか?』
「お疲れ様♪俺はね~、今スーパーで買い物してたとこ♪」
『そうなんですね。雪さん何かありました?機嫌良いですね♪』
「えー?何もないよ?あ、本屋寄らなきゃ♪」
エコバッグに詰めた食材達を肩に掛けて、スーパーを出た所で思い出す。冬真に書いてもらう履歴書買わなきゃ♪
『やっぱり機嫌良いですよ~。あ、他に必要な物ありますか?俺で良ければ買って帰ります』
「特にないかな~。あ!」
『何ですか?』
「待ち合わせしない?せっかくだから一緒に帰ろうよ♪」
『是非♪本屋って駅前のですか?それともマンションの方の?』
「帰りに寄ろうとしてたからマンション近くの方」
『それじゃあそこで待ってます。気を付けて帰って来て下さいね♪』
「うん。冬真もね♪」
電話を終わらせて本屋へ急いで向かう。
今の電話、なんか仲良さそうな感じしなかったか?あー、早く冬真の新しい髪色見たいな♪黒髪にしたらイメージと合って似合うと思う♪冬真は派手な茶髪も似合ってたけど、黒髪にしたらホスト感が薄れると思うから、今回のイメチェンは良く思い切ったなと思ったよ。
本屋が見えて来て、入り口ら辺に立っている一人の男が目に入った。遠くからでも分かるぐらい背が高くて、顔が小さい。そしてスタイルの良い黒髪……冬真だぁ♪
「冬真~!雰囲気変わったな!」
「あ、雪さん♪変じゃないですか?」
俺が駆け寄って声を掛けると、少し照れながら感想を聞いて来た。てかカットもしたな?軽くセットされてるけど、襟足まで長かった後ろの髪が首が見えるぐらいにバッサリ切られていた。そしてイメージ通りの誠実そうな黒髪!うんうん!絶対こっちの方がいい!
「変なものか!俺はこっちの冬真の方が好き♡めちゃくちゃかっこいい♡」
「雪さん……♡嬉しいです♡」
「にしても思い切ったな。襟足とか無くなってるじゃん。伸ばしてたんじゃなかったの?」
「特に伸ばしたりは……雪さんっ俺、早く帰りたいです!」
「あ、ちょっと待って!履歴書買って来るから~。あ、これ持っててよ」
「履歴書?」
「そう!冬真に書いて貰うの♡俺に冬真の事教えてよ♡業務命令!嘘偽り無く、ちゃんと詳しく事細かに書くように!」
「え……あ、はい♡」
スーパーで買った物を冬真に預けて俺は本屋に入って履歴書を探す。なるべく各項目が多い物にしよう。なんなら俺が質問を書き足してもいい。
今俺は冬真の事が知りたくて仕方なかった。
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