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「ウオリァァァッ!」
「この野郎! 食らえ!」
脳筋コンビが土人形に躍り掛かる。一撃で倒した。
「フン! 大したことねぇな!」
「どんなもんだい!」
得意げな二人だが、
「お二人とも油断なさらぬよう! 敵はまだまだおりますわよ!」
ミレイが窘める。その通りで二人は土人形に囲まれているのだ。
「わぁってるよ! 心配すんな!」
「どんどんやっちゃうよ~!」
二人は次の獲物にそれぞれ向かって行くが、土人形の包囲の輪が段々と狭まっていることには気付いていない。このままでは人海戦術で押し込まれてしまう。
そんな時だった。
「ミレイ! 何やってるの! カレンとフウカが包囲されないように、外側の敵を魔法で吹き飛ばしなさい!」
「わ、分かりましたわ!」
「カレン! フウカ! バラバラに戦っていないで背中合わせになって戦いなさい! 後ろを取られないように!」
「お、おう!」
「わ、分かった!」
軍師よろしくシイナが指示を飛ばす。さすがは元公爵令嬢。命令慣れしているその指示には、有無を言わさず人を従わせる力があった。それに観客席という上からの俯瞰目線の指示は的確だった。
『ウインド!』
ミレイが風の魔法で土人形を吹き飛ばす。
「セイッ!」
「ヤァッ!」
背中合わせになったカレンとフウカが着実に土人形を一撃で倒して行く。
それを繰り返し、やがて土人形は全て土に戻って行った。
「ハァッ...ハァッ...やったな...」
「ゼィッ...ゼィッ...終わったね...」
「フゥッ...お疲れ様でした...」
3人とも疲れてはいるが、それは心地好い疲れだった。カレンは観客席を振り返って、シイナにサムズアップで応える。シイナも笑顔で手を振って応えた。
その時だった。
「ねぇ、何の音?」
フウカが首を捻る。言われてみればどこかから「ガガガ」という硬い物が擦れ合うような音が聞こえる。
「みんな! 気を付けて! 真ん中にある柵が上がって行くわ!」
観客席のシイナが叫びながら指差す先を見ると、確かに闘技場の真ん中にある柵が少しずつ上がって行く。やがて柵が全て上がると、
「ガオゥゥゥッ!」
猛獣のような咆哮が轟いた。
「な、なんだ!?」
「け、獣の鳴き声!?」
「な、なんだか怖いですわ...」
3人が警戒する中、現れたのは虎とライオンを足して2で割ったような猫科の猛獣だった。
猛獣は3人をゆっくりと睥睨しながら、まるで舌舐りでもするかように口を開け、赤くて長い舌をチロチロと覗かせた。その周りには鋭く狂暴そうな牙が沢山生えていて、3人を威嚇しているかのようだ。
「ガオゥゥゥッ!」
猛獣はもう一度咆哮を上げた。
「この野郎! 食らえ!」
脳筋コンビが土人形に躍り掛かる。一撃で倒した。
「フン! 大したことねぇな!」
「どんなもんだい!」
得意げな二人だが、
「お二人とも油断なさらぬよう! 敵はまだまだおりますわよ!」
ミレイが窘める。その通りで二人は土人形に囲まれているのだ。
「わぁってるよ! 心配すんな!」
「どんどんやっちゃうよ~!」
二人は次の獲物にそれぞれ向かって行くが、土人形の包囲の輪が段々と狭まっていることには気付いていない。このままでは人海戦術で押し込まれてしまう。
そんな時だった。
「ミレイ! 何やってるの! カレンとフウカが包囲されないように、外側の敵を魔法で吹き飛ばしなさい!」
「わ、分かりましたわ!」
「カレン! フウカ! バラバラに戦っていないで背中合わせになって戦いなさい! 後ろを取られないように!」
「お、おう!」
「わ、分かった!」
軍師よろしくシイナが指示を飛ばす。さすがは元公爵令嬢。命令慣れしているその指示には、有無を言わさず人を従わせる力があった。それに観客席という上からの俯瞰目線の指示は的確だった。
『ウインド!』
ミレイが風の魔法で土人形を吹き飛ばす。
「セイッ!」
「ヤァッ!」
背中合わせになったカレンとフウカが着実に土人形を一撃で倒して行く。
それを繰り返し、やがて土人形は全て土に戻って行った。
「ハァッ...ハァッ...やったな...」
「ゼィッ...ゼィッ...終わったね...」
「フゥッ...お疲れ様でした...」
3人とも疲れてはいるが、それは心地好い疲れだった。カレンは観客席を振り返って、シイナにサムズアップで応える。シイナも笑顔で手を振って応えた。
その時だった。
「ねぇ、何の音?」
フウカが首を捻る。言われてみればどこかから「ガガガ」という硬い物が擦れ合うような音が聞こえる。
「みんな! 気を付けて! 真ん中にある柵が上がって行くわ!」
観客席のシイナが叫びながら指差す先を見ると、確かに闘技場の真ん中にある柵が少しずつ上がって行く。やがて柵が全て上がると、
「ガオゥゥゥッ!」
猛獣のような咆哮が轟いた。
「な、なんだ!?」
「け、獣の鳴き声!?」
「な、なんだか怖いですわ...」
3人が警戒する中、現れたのは虎とライオンを足して2で割ったような猫科の猛獣だった。
猛獣は3人をゆっくりと睥睨しながら、まるで舌舐りでもするかように口を開け、赤くて長い舌をチロチロと覗かせた。その周りには鋭く狂暴そうな牙が沢山生えていて、3人を威嚇しているかのようだ。
「ガオゥゥゥッ!」
猛獣はもう一度咆哮を上げた。
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