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「それだと矛盾している部分があるわ」
「矛盾!? どの辺りがですの!?」
自分の説を否定されたのが癪に障ったのかミレイが気色ばむ。
「文字数よ」
「文字数!?」
「えぇ、二行目を見てみて? 漢字が混ざってるから分かり辛いけど、二文字目は『し』じゃないでしょう?」
「あっ! た、確かに...」
ミレイが愕然とする。
「二文字目は...『と』ですわね...」
「でしょう? そうなると意味を成さなくなるわ」
「でもだったら...この暗号はどうやって解けば...」
ミレイは首を捻りながらブツブツ呟き出した。
「ミレイ、落ち着いて。アプローチの仕方は間違ってないと思う。方角を示す文が隠れているのは確実なのよ。そこで私の意見を聞いて頂戴」
そう言ってシイナは、パネルに書いてある一行目の文字の末尾を指差す。
「やり方はミレイのものとほぼ同じよ。逆になっただけ。最初の文字は『き』。次は二行目の一文字前にズレて『た』。その次は三行目のまた一文字前にズレて『に』。この要領で進んで行くとどうなる?」
「え~と...四行目が『ご』。最後が『ほ』...全部合わせると『きたにごほ』...北に五歩ですのね! 凄いですわ、シイナさん! 天才とはあなたのことですわね!」
ミレイが興奮して叫ぶ。
「いやいや、私はミレイのを参考にしただけだから。先に気付いたミレイの方が凄いよ」
「アタシらにしてみりゃどっちも凄いけどな...」
「二人とも天才だよ!」
脳筋コンビが称賛する。
「だが方角は分かったとして、どっちが北なんだ? それが分からないと進みようがねぇよな?」
カレンが冷静に指摘する。
「あぁ、それなら下に書いてあるアルファベットを見てみて?」
そう言ってシイナが指差す。
「これ方位記号になってるのよ。Nは北、Sは南、Wは西、Eは東っていう具合に。北に五歩だからあっちね」
「凄い! シイナ! やっぱお前天才だよ!」
「シイナさん! 一生付いて行きますわ!」
「シイナ! カッコ良い!」
三人が誉めまくる。
「も、もう止めてよ...大袈裟よ...」
シイナは照れて真っ赤になってしまった。
「良し! じゃあ行くか!」
カレンが北の方向にあるボタン形の床に一歩踏み出そうとする。
「待ってカレン! 全員手を繋いで一緒に行きましょう!」
「なるほど、それもそうだな。一緒に行こう。まずは一歩目」
そうやって全員で進んで行った。
「良し、これで最後だ。五歩目」
全員が五歩目を踏み出した途端、辺りが目映い光に包まれた。
思わず全員が目を瞑った。
「矛盾!? どの辺りがですの!?」
自分の説を否定されたのが癪に障ったのかミレイが気色ばむ。
「文字数よ」
「文字数!?」
「えぇ、二行目を見てみて? 漢字が混ざってるから分かり辛いけど、二文字目は『し』じゃないでしょう?」
「あっ! た、確かに...」
ミレイが愕然とする。
「二文字目は...『と』ですわね...」
「でしょう? そうなると意味を成さなくなるわ」
「でもだったら...この暗号はどうやって解けば...」
ミレイは首を捻りながらブツブツ呟き出した。
「ミレイ、落ち着いて。アプローチの仕方は間違ってないと思う。方角を示す文が隠れているのは確実なのよ。そこで私の意見を聞いて頂戴」
そう言ってシイナは、パネルに書いてある一行目の文字の末尾を指差す。
「やり方はミレイのものとほぼ同じよ。逆になっただけ。最初の文字は『き』。次は二行目の一文字前にズレて『た』。その次は三行目のまた一文字前にズレて『に』。この要領で進んで行くとどうなる?」
「え~と...四行目が『ご』。最後が『ほ』...全部合わせると『きたにごほ』...北に五歩ですのね! 凄いですわ、シイナさん! 天才とはあなたのことですわね!」
ミレイが興奮して叫ぶ。
「いやいや、私はミレイのを参考にしただけだから。先に気付いたミレイの方が凄いよ」
「アタシらにしてみりゃどっちも凄いけどな...」
「二人とも天才だよ!」
脳筋コンビが称賛する。
「だが方角は分かったとして、どっちが北なんだ? それが分からないと進みようがねぇよな?」
カレンが冷静に指摘する。
「あぁ、それなら下に書いてあるアルファベットを見てみて?」
そう言ってシイナが指差す。
「これ方位記号になってるのよ。Nは北、Sは南、Wは西、Eは東っていう具合に。北に五歩だからあっちね」
「凄い! シイナ! やっぱお前天才だよ!」
「シイナさん! 一生付いて行きますわ!」
「シイナ! カッコ良い!」
三人が誉めまくる。
「も、もう止めてよ...大袈裟よ...」
シイナは照れて真っ赤になってしまった。
「良し! じゃあ行くか!」
カレンが北の方向にあるボタン形の床に一歩踏み出そうとする。
「待ってカレン! 全員手を繋いで一緒に行きましょう!」
「なるほど、それもそうだな。一緒に行こう。まずは一歩目」
そうやって全員で進んで行った。
「良し、これで最後だ。五歩目」
全員が五歩目を踏み出した途端、辺りが目映い光に包まれた。
思わず全員が目を瞑った。
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