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第60話 ミナの日常 その2
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アリシアはアタシの攻撃を躱しながら近付いて来る。
「次は私のターン! ミナッ! いっくよ~!」
アリシアがアタシの張った透明バリヤにパンチ攻撃を加える。
グニャリ...
「へっ? う、腕が埋もれて!? み、ミナ、またバージョンアップした!?」
「うん、ほら、例の打撃が効かないスライムを参考に改良してみた。腕抜ける?」
「うぐっ!? ぬ、抜けない!?」
「拘束技としても使えるかなって」
「な、なるほど。でもこれは別に痛くも痒くも...へぷっ!」
今度はアリシアが顔から突っ込んで来た。パンストを頭から被って引っ張る罰ゲームみたいにな状態になって、せっかくの美人が台無しだ。
「な、なんで後頭部に衝撃が!? あっ! ブーメラン!? な、なんで!?」
「そりゃ投げたら戻って来るっしょ」
アホかコイツは。さて、戻って来たブーメランでタコ殴りにしてやろうかと思ったら、それを察したのか全力でアタシのバリヤから抜けやがった。チッ!
「あ、あっぶな~! 不用意に近付けないじゃん! もういい! ブーメランを避けることだけに専念する!」
「あ、そう。じゃあ次行くよ~!」
今度は放物線を描くようにブーメランを上に投げる。頭上からアリシアを狙う作戦だ。
「ふふん♪ この程度なら余裕で避け...えっ!? 足が動かな!?...」
うん、ゴーレムで拘束してるからね。
「こ、これじゃ避けられな...ぐえっ!」
乙女が出しちゃいけないガマガエルみたいな声が聞こえたけど大丈夫か?
その後もアリシアをド突き回してたら、疲れて倒れちゃったので、少し休憩を取らせてあげることにした。その間、アタシは他の連中の様子を見に行く。
◇◇◇
まずは問題のシャロン様。今日は殿下とペアを組んでる。
「シルフ! もっとよ! もっと足に風を!」
『Yes,Ma'am!』
どうやらシルフの加護を足元に集中させているみたいだ。それで体を加速させて攻撃している。シルフもシャロン様の指示にちゃんと従っているようだ。上手く和解出来たみたいで良かった。ちなみに今日はスカートじゃない。残念ながらラッキースケベはおあずけだ。
「うおおっ! くそっ! 速いし重い! このままじゃ押し切られる! イフリート! もっと力を!」
『......』
対する殿下は炎を身に纏って応戦している。これも身体強化の一種なんだろうか。イフリートは安定の沈黙返しだ。それにしても熱くないの? 大丈夫? 見ているこっちがハラハラするんだけど。
「良いわよ、シルフ! その調子よ! 行くわよ、アルッ! 覚悟! 撲殺! 撲殺~!」
『Yes,Ma'am!』
「お、おい、シャロン! なんかお前、私情が絡んでないか!? 攻撃に情け容赦がなさ過ぎるぞ!?」
『......』
お二人の未来を描いた姿に見えなくもないと思ったのは内緒にしておこう。ただあのシルフが、上官の命令に従う兵士みたいになってるのは気になるが。同じセリフしか言わないし。これじゃあまるで訓練というより調教してるみたいな...
うん、色んな意味でここは見なかったことにしよう...
◇◇◇
次はシルベスターとエリオットの所だ。この二人の戦いは、アタシとアリシアの戦いに通じる所がある。要はシルベスターの攻撃をかい潜って、どれだけエリオットがシルベスターに近付けるか、そこが鍵になるってことだ。
「うおおっ!」
『エリオット~ 水と火の矢は防げるわ~ 土と風の矢だけ叩き落としてね~』
「分かった!」
ウンディーネは例のシャボン玉でエリオットを包んで、エリオットの突進をフォローするようだ。
『防御はボクに任せて、シルベスターは攻撃に専念して!』
「ありがとう! ノーム!」
対するノームは防御に専念してシルベスターを援護するようだ。うん、この二人、良いペアに恵まれたと思う。お互いの長所と短所を補い合ってるもんね。そうこうしてる内に、エリオットがついにシルベスターへ肉薄する。
「くっ! さすがにノームの防御は硬いな! ここは一旦引いて...うわっ!」
「残念でした~♪ 逃がさないよ~♪」
エリオットの足元をゴーレムが捕まえてる!? シルベスター、ゴーレム出せるようになったの!?
「し、シルベスター!? いつの間にゴーレムを出せるようになったんだ!?」
「特訓したからね~ まだミナ程沢山のゴーレムは出せないけど、2、3体なら出せるようになったんだ~」
「聞いてないぞ~!」
シルベスターのドヤ顔久し振りに見たよ。アタシがゴーレム出せるようになったの悔しそうに見てたもんね。きっと一杯努力したんだろう。みんな頑張っているんだね。
アタシも頑張らないと!
「次は私のターン! ミナッ! いっくよ~!」
アリシアがアタシの張った透明バリヤにパンチ攻撃を加える。
グニャリ...
「へっ? う、腕が埋もれて!? み、ミナ、またバージョンアップした!?」
「うん、ほら、例の打撃が効かないスライムを参考に改良してみた。腕抜ける?」
「うぐっ!? ぬ、抜けない!?」
「拘束技としても使えるかなって」
「な、なるほど。でもこれは別に痛くも痒くも...へぷっ!」
今度はアリシアが顔から突っ込んで来た。パンストを頭から被って引っ張る罰ゲームみたいにな状態になって、せっかくの美人が台無しだ。
「な、なんで後頭部に衝撃が!? あっ! ブーメラン!? な、なんで!?」
「そりゃ投げたら戻って来るっしょ」
アホかコイツは。さて、戻って来たブーメランでタコ殴りにしてやろうかと思ったら、それを察したのか全力でアタシのバリヤから抜けやがった。チッ!
「あ、あっぶな~! 不用意に近付けないじゃん! もういい! ブーメランを避けることだけに専念する!」
「あ、そう。じゃあ次行くよ~!」
今度は放物線を描くようにブーメランを上に投げる。頭上からアリシアを狙う作戦だ。
「ふふん♪ この程度なら余裕で避け...えっ!? 足が動かな!?...」
うん、ゴーレムで拘束してるからね。
「こ、これじゃ避けられな...ぐえっ!」
乙女が出しちゃいけないガマガエルみたいな声が聞こえたけど大丈夫か?
その後もアリシアをド突き回してたら、疲れて倒れちゃったので、少し休憩を取らせてあげることにした。その間、アタシは他の連中の様子を見に行く。
◇◇◇
まずは問題のシャロン様。今日は殿下とペアを組んでる。
「シルフ! もっとよ! もっと足に風を!」
『Yes,Ma'am!』
どうやらシルフの加護を足元に集中させているみたいだ。それで体を加速させて攻撃している。シルフもシャロン様の指示にちゃんと従っているようだ。上手く和解出来たみたいで良かった。ちなみに今日はスカートじゃない。残念ながらラッキースケベはおあずけだ。
「うおおっ! くそっ! 速いし重い! このままじゃ押し切られる! イフリート! もっと力を!」
『......』
対する殿下は炎を身に纏って応戦している。これも身体強化の一種なんだろうか。イフリートは安定の沈黙返しだ。それにしても熱くないの? 大丈夫? 見ているこっちがハラハラするんだけど。
「良いわよ、シルフ! その調子よ! 行くわよ、アルッ! 覚悟! 撲殺! 撲殺~!」
『Yes,Ma'am!』
「お、おい、シャロン! なんかお前、私情が絡んでないか!? 攻撃に情け容赦がなさ過ぎるぞ!?」
『......』
お二人の未来を描いた姿に見えなくもないと思ったのは内緒にしておこう。ただあのシルフが、上官の命令に従う兵士みたいになってるのは気になるが。同じセリフしか言わないし。これじゃあまるで訓練というより調教してるみたいな...
うん、色んな意味でここは見なかったことにしよう...
◇◇◇
次はシルベスターとエリオットの所だ。この二人の戦いは、アタシとアリシアの戦いに通じる所がある。要はシルベスターの攻撃をかい潜って、どれだけエリオットがシルベスターに近付けるか、そこが鍵になるってことだ。
「うおおっ!」
『エリオット~ 水と火の矢は防げるわ~ 土と風の矢だけ叩き落としてね~』
「分かった!」
ウンディーネは例のシャボン玉でエリオットを包んで、エリオットの突進をフォローするようだ。
『防御はボクに任せて、シルベスターは攻撃に専念して!』
「ありがとう! ノーム!」
対するノームは防御に専念してシルベスターを援護するようだ。うん、この二人、良いペアに恵まれたと思う。お互いの長所と短所を補い合ってるもんね。そうこうしてる内に、エリオットがついにシルベスターへ肉薄する。
「くっ! さすがにノームの防御は硬いな! ここは一旦引いて...うわっ!」
「残念でした~♪ 逃がさないよ~♪」
エリオットの足元をゴーレムが捕まえてる!? シルベスター、ゴーレム出せるようになったの!?
「し、シルベスター!? いつの間にゴーレムを出せるようになったんだ!?」
「特訓したからね~ まだミナ程沢山のゴーレムは出せないけど、2、3体なら出せるようになったんだ~」
「聞いてないぞ~!」
シルベスターのドヤ顔久し振りに見たよ。アタシがゴーレム出せるようになったの悔しそうに見てたもんね。きっと一杯努力したんだろう。みんな頑張っているんだね。
アタシも頑張らないと!
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