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第63話 ミナの日常 その5
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シルベスターはノームと何やら打ち合わせをしていたようだ。
「ゴメン、シルベスター。お待たせしちゃって」
「大丈夫。じゃあ始めようか。最初はどうする?」
「好きなように攻撃してくれる? こっちも好きなように飛び回るから」
「分かった」
シルベスターとの戦闘訓練が始まった。ちなみにナギのブレスは封印している。サイズが小さくなったとはいえ、ドラゴンのブレスはシャレにならないからね。訓練どころじゃなくなっちゃう。
「ナギッ! 左っ! 上っ! 次は右っ! 下っ! いいよっ! いい動きだっ!」
「キュイ!」
アタシの指示に従って、ナギが縦横無尽に空を飛び回る。シルベスターは一度に複数の矢を飛ばして来るから厄介だが、それらを悉く軽やかに躱していく。
「ハアアアッ!」
ただアタシが繰り出すブーメランの攻撃も、守備に専念しているノームの守りを崩せていない。ゴーレムを展開しても防がれてしまう。膠着状態になりかけた時だった。
「キュイ!」
ナギが一際高く鳴いた。アタシ達の目の前に巨大な土の壁が現れた。どうやら交戦してて高度が下がっていたらしい。
「ナギィッ!」
アタシは馬の手綱を引くようにロープを引っ張る。壁に激突する直前でナギが上昇に転じた。そのまま壁に沿うように上昇を続ける。
「フウッ...危なかった...今のはノームの攻撃的な守備だね...」
まさかアタシ達の進路に壁を展開して待ち構えているとは思わなかった。攻防一体とはやるもんだね!
「キュイ!」
安心してる場合じゃない。まだ終わってなかった。今度はアタシ達の後ろにいつの間にか巨大な木が生えていた。
「挟み撃ちか! やるね! ナギ! 後ろからの攻撃は私がガードするから上昇を続けて!」
アタシ達を拘束しようと枝を伸ばして来る木の攻撃を何とか乗り切り、上空でホバリングする。仕切り直しだ。シルベスターの方を見る。肩で息をしている。
ノームが手伝ってくれたとはいえ、あんな大魔法を使ったんだから無理もない。ただ、まだ心は折れていない。見上げたもんだ。少しは根性ついたかな? だからアタシは、
心を折ることにした。
ナギに耳打ちする。
「キュイ!」
するとナギは急上昇した。そしてある程度の高さに達した時、急降下に転じた。
シルベスターの頭上目掛けて。
「くうっ!」
頭の上からだと攻撃も防御も難しいと判断したシルベスターが逃げようとする。だが逃がさない。ナギが口を大きく開けながら真上から迫る。ブレス攻撃はしないとはいえ、恐怖は半端ないだろう。ついにシルベスターの足が縺れて倒れ込んでしまった。そこにナギが更に迫る。
「ヒィィィッ! お、お助け~!」
シルベスターに当たる直前でナギが上昇に転じた。シルベスターは腰を抜かしちゃったみたいだ。
「シルベスター、大丈夫...じゃないね。少し休憩しようか?」
その間、アタシは他の人達の様子を見に行くことにした。
「ゴメン、シルベスター。お待たせしちゃって」
「大丈夫。じゃあ始めようか。最初はどうする?」
「好きなように攻撃してくれる? こっちも好きなように飛び回るから」
「分かった」
シルベスターとの戦闘訓練が始まった。ちなみにナギのブレスは封印している。サイズが小さくなったとはいえ、ドラゴンのブレスはシャレにならないからね。訓練どころじゃなくなっちゃう。
「ナギッ! 左っ! 上っ! 次は右っ! 下っ! いいよっ! いい動きだっ!」
「キュイ!」
アタシの指示に従って、ナギが縦横無尽に空を飛び回る。シルベスターは一度に複数の矢を飛ばして来るから厄介だが、それらを悉く軽やかに躱していく。
「ハアアアッ!」
ただアタシが繰り出すブーメランの攻撃も、守備に専念しているノームの守りを崩せていない。ゴーレムを展開しても防がれてしまう。膠着状態になりかけた時だった。
「キュイ!」
ナギが一際高く鳴いた。アタシ達の目の前に巨大な土の壁が現れた。どうやら交戦してて高度が下がっていたらしい。
「ナギィッ!」
アタシは馬の手綱を引くようにロープを引っ張る。壁に激突する直前でナギが上昇に転じた。そのまま壁に沿うように上昇を続ける。
「フウッ...危なかった...今のはノームの攻撃的な守備だね...」
まさかアタシ達の進路に壁を展開して待ち構えているとは思わなかった。攻防一体とはやるもんだね!
「キュイ!」
安心してる場合じゃない。まだ終わってなかった。今度はアタシ達の後ろにいつの間にか巨大な木が生えていた。
「挟み撃ちか! やるね! ナギ! 後ろからの攻撃は私がガードするから上昇を続けて!」
アタシ達を拘束しようと枝を伸ばして来る木の攻撃を何とか乗り切り、上空でホバリングする。仕切り直しだ。シルベスターの方を見る。肩で息をしている。
ノームが手伝ってくれたとはいえ、あんな大魔法を使ったんだから無理もない。ただ、まだ心は折れていない。見上げたもんだ。少しは根性ついたかな? だからアタシは、
心を折ることにした。
ナギに耳打ちする。
「キュイ!」
するとナギは急上昇した。そしてある程度の高さに達した時、急降下に転じた。
シルベスターの頭上目掛けて。
「くうっ!」
頭の上からだと攻撃も防御も難しいと判断したシルベスターが逃げようとする。だが逃がさない。ナギが口を大きく開けながら真上から迫る。ブレス攻撃はしないとはいえ、恐怖は半端ないだろう。ついにシルベスターの足が縺れて倒れ込んでしまった。そこにナギが更に迫る。
「ヒィィィッ! お、お助け~!」
シルベスターに当たる直前でナギが上昇に転じた。シルベスターは腰を抜かしちゃったみたいだ。
「シルベスター、大丈夫...じゃないね。少し休憩しようか?」
その間、アタシは他の人達の様子を見に行くことにした。
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