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第68話 ちみっこと学園祭 その3
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やっと猫耳メイドから開放された。
アリシアとシャロン様は放っておいて、アタシは殿下達のクラスの執事喫茶に向かった。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
早速執事が出迎えてくれた。おぉっ! 結構本格的だね! なんか良いとこのお嬢様になった気分だよ~♪
「ん? あれは?」
奥の方のテーブルで殿下が可愛らしい少女を甲斐甲斐しくお世話している。あの娘は...
「えっ? まさかエリザベス王女殿下?」
「左様でございます。兄君で有らせられるアルベルト殿下をお訪ねになられたとのことです」
「そうなんだ...」
エリザベス王女とは過去に一度だけ顔を合わせている。『精霊の愛し子』騒動の時、ウチの家族が王宮に招かれて王族の方々と謁見した時だ。ウチのバカな弟が不敬にも王女に粉をかけようとしたから殴って止めたっけ。
いやぁ、それにしても相変わらずお人形みたいに可愛い娘だよね~♪ 殿下と同じ金髪碧眼で肌は雪のように白い。歳は愚弟と同い年の10歳だったっけ。殿下が溺愛してるって話らしいけど、ありゃ無理もないわ。アタシだって溺愛するわ。思わずガン見してたら、
「あれ? ミナ?」
気付かれた。
「ど、どうも殿下」
「アニマル喫茶はどうしたんだよ?」
「今、休憩時間なんです」
「そうなのか。ああ、そういやシャロンとアリシアも休憩に入るって言ってたな。俺もそろそろ休憩に入るから、お前の所に行くからな。メイド姿楽しみにしてるぞ」
「あぁ、え~と...」
どう説明したもんかな...
「ミナさん?」
「あ、はい」
「わぁ~♪ お久し振りです~♪ エリザベスです。覚えておいででしょうか?」
「もちろんでございます。エリザベス王女殿下」
「やだぁ~♪ 気軽にベスと呼んで下さいよ~♪」
「い、いえ、それはさすがに...」
いくらなんでも不敬が過ぎるだろ...
「ベスもお前に会えるの楽しみにしてたんだ。俺の執事姿よりお前のメイド姿が見たいって言ってたくらいなんだぞ?」
「だってお兄様にはいつでも会えますもの。私はこういう機会でもないとミナさんに会えないんですのよ?」
「ほらな、昨日からずっとこんな感じなんだよ」
う~ん...そう言ってくれるのは嬉しいけど、困ったなぁ~...
「殿下、ちょっとすいません、こちらに...」
アタシは殿下(アルベルト殿下の方)を隅に引っ張っていった。
「どうした?」
「実はかくかくしかじかで...」
「あぁ、なるほど。お前の猫耳メイド姿の破壊力が半端なかったってことか...」
「えぇ、ですから接客するのはちょっと...」
「それなら厨房の方でもいいよ。俺達だけに見せてくれ」
「あ、見せるのは確定なんですね...」
「当たり前だろが! 俺もまだ見てないんだぞ!」
「はぁ...分かりましたよ...」
「良し! じゃあ早速ベスを連れて...ってあれ? アイツどこ行った?」
見るとさっきまで座っていた席にエリザベス王女の姿が無い。
「おいっ! 妹はどこ行った?」
「王女殿下なら出て行かれましたよ」
「なんだと!? 一人でか!?」
「いえ、同い年くらいの少年とご一緒でした。お知り合いのようでしたよ?」
途轍もなく嫌な予感がする...
「あ、あの! その少年は名前を名乗ってましたか?」
「えぇ、確かカイルと」
あんのクソガキ~! なんてことを~!
アリシアとシャロン様は放っておいて、アタシは殿下達のクラスの執事喫茶に向かった。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
早速執事が出迎えてくれた。おぉっ! 結構本格的だね! なんか良いとこのお嬢様になった気分だよ~♪
「ん? あれは?」
奥の方のテーブルで殿下が可愛らしい少女を甲斐甲斐しくお世話している。あの娘は...
「えっ? まさかエリザベス王女殿下?」
「左様でございます。兄君で有らせられるアルベルト殿下をお訪ねになられたとのことです」
「そうなんだ...」
エリザベス王女とは過去に一度だけ顔を合わせている。『精霊の愛し子』騒動の時、ウチの家族が王宮に招かれて王族の方々と謁見した時だ。ウチのバカな弟が不敬にも王女に粉をかけようとしたから殴って止めたっけ。
いやぁ、それにしても相変わらずお人形みたいに可愛い娘だよね~♪ 殿下と同じ金髪碧眼で肌は雪のように白い。歳は愚弟と同い年の10歳だったっけ。殿下が溺愛してるって話らしいけど、ありゃ無理もないわ。アタシだって溺愛するわ。思わずガン見してたら、
「あれ? ミナ?」
気付かれた。
「ど、どうも殿下」
「アニマル喫茶はどうしたんだよ?」
「今、休憩時間なんです」
「そうなのか。ああ、そういやシャロンとアリシアも休憩に入るって言ってたな。俺もそろそろ休憩に入るから、お前の所に行くからな。メイド姿楽しみにしてるぞ」
「あぁ、え~と...」
どう説明したもんかな...
「ミナさん?」
「あ、はい」
「わぁ~♪ お久し振りです~♪ エリザベスです。覚えておいででしょうか?」
「もちろんでございます。エリザベス王女殿下」
「やだぁ~♪ 気軽にベスと呼んで下さいよ~♪」
「い、いえ、それはさすがに...」
いくらなんでも不敬が過ぎるだろ...
「ベスもお前に会えるの楽しみにしてたんだ。俺の執事姿よりお前のメイド姿が見たいって言ってたくらいなんだぞ?」
「だってお兄様にはいつでも会えますもの。私はこういう機会でもないとミナさんに会えないんですのよ?」
「ほらな、昨日からずっとこんな感じなんだよ」
う~ん...そう言ってくれるのは嬉しいけど、困ったなぁ~...
「殿下、ちょっとすいません、こちらに...」
アタシは殿下(アルベルト殿下の方)を隅に引っ張っていった。
「どうした?」
「実はかくかくしかじかで...」
「あぁ、なるほど。お前の猫耳メイド姿の破壊力が半端なかったってことか...」
「えぇ、ですから接客するのはちょっと...」
「それなら厨房の方でもいいよ。俺達だけに見せてくれ」
「あ、見せるのは確定なんですね...」
「当たり前だろが! 俺もまだ見てないんだぞ!」
「はぁ...分かりましたよ...」
「良し! じゃあ早速ベスを連れて...ってあれ? アイツどこ行った?」
見るとさっきまで座っていた席にエリザベス王女の姿が無い。
「おいっ! 妹はどこ行った?」
「王女殿下なら出て行かれましたよ」
「なんだと!? 一人でか!?」
「いえ、同い年くらいの少年とご一緒でした。お知り合いのようでしたよ?」
途轍もなく嫌な予感がする...
「あ、あの! その少年は名前を名乗ってましたか?」
「えぇ、確かカイルと」
あんのクソガキ~! なんてことを~!
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