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第67話 ちみっこと学園祭 その2

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 アニマル喫茶が開店した。


「お帰りなさいませだわん♪ ご主人様♪」

「お帰りなさいませだみゃあ♪ お嬢様♪」

 早速やって来たお客様に接客するみんな。中々様になっているけど、よく恥ずかしくなくやれるよな... アタシが感心していると、

「ほらほら、ミナちゃんも!」

 はいはい、やりゃあいいんでしょやりゃあ... こうなったらもうヤケだ! ちょうどやって来た男性客に接客することにした。

「お、お帰りなさいませだにゃん♪ ご、ご主人様♪」

「ブッホォォォッ! 」

 だからなんで鼻血を吹き出す!? 普通...じゃないけど接客してるだけなのに!?

「「「「 キヤァァァッ! 」」」」

 あ~あ、女性客もクラスメートも悲鳴上げちゃったよ... その後もアタシが男性客を接客する度に同じような状態になって、

「み、ミナ! 女性客だけ相手してくれ!」

 エリオットが慌てた様子でやって来た。

「はいはい、ってか、女性客ほとんどいないんだけど?」

「じゃあ厨房の方を!」

「はいはい、じゃあ後はヨロシク」

 アタシが中に引っ込んだらお客様からブーイングが...主に男性客だけど。厨房と言っても安全のために火は使えないので、飲み物やサンドイッチ、ケーキなどの軽食を用意するだけなんだけどね。だからオムライスにケチャップでハート書いたり「美味しくな~れ♪」とかもやれないんだけど。

「はい、カイル君、あ~ん♪」

「カイル君、こっちも美味しいよ♪」

 厨房の隅でウチの弟が餌付けされてんだが...

「カイルっ! あんたこんなとこで何やってんのよ!」

「ゲッ! 姉ちゃん!」

「だから姉上と呼べ! あんたらも甘やかさないでよ」

「だってカイル君可愛いんだもん♪」

「小動物みたいなんだもん♪」

「ったく... カイル、他を見に行って来なよ」

「え~! 俺まだここに居たいよ~」

「いいから行って来い! 人様に迷惑掛けるんじゃあないよ!」

「分かったよ~...」

 渋る弟を追い出した後はしばらく厨房を手伝っていた。

「ミナちゃん、そろそろ休憩に入って?」

「ほ~い」

 ふう... やっと猫耳メイドから開放される。アタシが衣装部屋に戻ろうとすると、喫茶店の方から何やら聞き覚えのある声が...

「あれ? ミナは居ないの?」

「ミナさん、どこに居ますの?」

 アリシアとシャロン様だ。あっちも休憩に入ったのかな? 見付かると面倒だから今の内に...

「ミナは厨房の方を手伝ってますよ」

 をい! エリオット、余計なことすんなや!

「あ、居た居た。ミナっ!」

「お邪魔しますわ、ミナさんっ!」

 あう...見付かった...

「はぁ~♪ なんて可愛い♪ 写メ! 写メ撮らなきゃ! ムービーも! ああもう! なんでこの世界スマホ無いのよ!」

「はぅ~♪ 尊いですわぁ~♪ お持ち帰りしたい~♪」

「ちょっと二人とも! ここ厨房なんで鼻血垂れ流さないでよ!」

 ああもう! 二度とコスプレはしないぞ!


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