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第100話 ちみっことドワーフの村 その2

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 次の日、学校が休みということもあり、アタシ達は朝一から出掛けることにした。

 アーケロンの出没地点までは、馬車で約5時間も掛かるとのことだからだ。いつものように護衛さん達と一緒にマリーも付いて来ている。ということは当然、ナギを放っておく訳にはいかないので、

「ナギちゃん! ほらほら、私の膝の上においで!」

「いいえ! 私の膝の上の方が柔らかくて座り心地が良いですわよ、ナギちゃん!」

「むっ! シャロン様! それって私が筋肉質だって言いたいんですか!」

「あらあら、アリシアさんったら、ご自分が筋肉バカという自覚が無いんですの? オーッホホホッ!」

「むっき~!」

 なんだこの低レベルな争いは...

「ナギ、おいで...」

「キュイ...」

「あぁ! ミナったらズルい!」

「ミナさん! 抜け駆けは感心しませんわよ!」

「お前ら、うるせ~! 眠れねぇだろが!」

 殿下のカミナリが落ちてやっと静かになった。朝早かったもんね。眠いよね。眠いとイライラするよね。ちなみにこの騒ぎの中、我関せずとばかりにシルベスターとエリオットの二人は眠りこけてる。慣れって怖いね。

 そうこうしている内に、現場に到着したようだ。全員が馬車から降りて、凝り固まった筋肉を伸ばしたりしている。

「さてと、亀はどこだ?」

「アレじゃないでしょうか?」

 シルベスターが指差す先にあるのは...

「えっ!? アレってデッカい岩なんじゃないの?」

「いや、アレは甲羅だよ。多分寝てるんだと思う。甲羅の中に足を引っ込めているんだよ」
  
「そうなんだ...」

 言われてみれば甲羅に見えないこともないかも。

「どうする? ミナ?」

「そうですね...寝てるなら今の内に攻撃しますか。まずは魔法で。ナギ、上空から本体のみを凍らせてみて。エリオットは亀の周りをお願い」

「キュイ!」「了解!」

 まずは小手調べ。氷の攻撃に対して、本当にヒルダさんが言うような対処をしてくるのか確認したい。ナギが空からブレスを吐くと同時に、エリオットが亀の周囲を凍らせた。果たしてどう出る?

 ボウッ!

 そんな効果音と共に、亀の口から炎が噴き出す。うおっ! 氷があっという間に溶けたよ! 相当な熱だね。そして炎を噴き出したまま本当に回転したよ! ヒルダさんの言う通りだったよ! そして周り中の氷も溶けて行くよ!

 でもこれはアレだな。ガ○ラって言うより寧ろ、

「ネズミ花火みたいね...」

 うん、アリシアの感想が全てを物語ってる。

「で? 次はどうする?」

 うん、どうしようか...

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