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第104話 ちみっことドワーフの村 その6

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「アダマンタインよ!? 知らない!? 伝説と言われるほど希少な硬い金属よ!? これで作った盾は何物の攻撃も通さず、これで作った矛はどんな物でも貫き通すと言われているのを知らないの!?」

 まんま矛盾やんけ! まぁでも貴重な金属だってことは良く分かった。

「なんか知らんが凄いモノだってことは良く分かったが、なんでそんなもんが亀から出て来たんだ?」

「アーケロンから極稀にだけど、ドロップすることがあるらしいのよ。あなた達、本当に運がいいわ」

「まぁそれはともかく、じゃあそいつから伝説級の武器や防具が作れるってことか?」

「そうなんだけど...ここには加工できる技術も無いし職人も居ないのよ...」

「どこに行けば作れるんだ?」

「ドワーフの村よ。技術も職人も門外不出らしくて、村に行かないと作って貰えないらしいわ」

 うわぉ! ファンタジーの定番、ドワーフが出て来たよ! この世界にもちゃんと居たんだね!

「どこにあるんだ?」

「遠いわよ? ここから東に馬車で約10日くらい掛かるわ。更にその上、険しい山道を登らなけりゃいけない」

「それはまた...」

 うん、無理だね。そんな所にこんな重いモノを持ってなんか行けないよ。そう思ってたら、

「キュイ!」

「えっ!? ナギ!? 行ってくれるの!?」

「キュイキュイ~!」

 こうしてドワーフの村に行くことが決定した。


◇◇◇


 ただ問題は、どうやってアダマンタインとアタシ達全員をナギに載せるかってことなんだけど、これに関してはアタシにちょっとした案が閃いた。

 アタシの魔力で編んだロープは細くて丈夫だ。そんじょそこらの力で引っ張ったって切れやしない。これを網状にしてアダマンタインを包み込み、それをナギの首にぶら下げるようにしてみたらどうか?

 これならナギの背中が空くので、アタシ達が乗れる。ナギに負担を掛けることになるけど、後でいっぱい甘やかして上げれば許してくれるだろう。

 早速試してみることにした。ロープを網状にしてそこにアダマンタインを置いて貰う。網から更にロープを伸ばして、ナギの首に輪っかの形にしてくくり付ける。

「ナギ、ゆっくり引いてみて?」

「キュイ!」

 アダマンタインがゆっくりと持ち上がる。良し。ロープは重さに耐えられそうだ。

「ナギ、そっと浮いてみて?」

「キュイ!」

 ロープがピンっと張るが、切れるようなことはない。これなら大丈夫そうだ。

「ナギ、苦しくない?」

「キュイ!」

 ナギも平気みたいだ。

 移動手段が決まったので、出発は今度の連休に決定した。
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