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第110話 ちみっことドワーフの村 その12  

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 試練とはなんぞ?

 アタシ達全員の頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいる。するとガルム族長は、

「ん? お主らに言っとらんかったか? アダマンタイトを使った武器を装備するには、試練を乗り越えんといかん。じゃないと真の主として己の武器に認めて貰えんのじゃよ」

「「「「「 聞いてねぇよ! 」」」」」

 アタシ達全員の気持ちが一つになった瞬間だった。


◇◇◇

 
「で? ここが試練の間って訳か。中には何があるんだ?」

「鏡じゃ」  

「鏡?」

「そう。己と見詰め合い、己に勝つことが求められる」

 うわぁ...少年マンガに有りがちな己を見詰め直す試練かぁ。ある意味ベタだなぁ。

「誰から行く?」

「じゃあ俺から」

 トップバッターは殿下だ。特に気負うことなく中に入って行く。

~ 30分後 ~

「...あの時の自分死ね...」

 ガックリ項垂れながら戻って来た。一体何があったの!?

「おのれ黒歴史め...」

 あぁ、そういうことか...そりゃ恥ずかしいわな...それを聞いたエリオットが真っ青になってる。まぁ確かに男の子ってそういう時期があるって言うしねぇ。俺の右腕が疼く! みいたな?

 次に入るのはエリオットだ。

~ 30分後 ~

「...あの時の自分を殴ってやりたい...」

 玉砕したようだ...御愁傷様...

「はぁ...殿方はだらしないですわね...」

 シャロン様は何やら自信たっぷりってな感じで入って行った。ホントに大丈夫?

~15分後 ~

「どうってことありませんでしたわね」

 凄い! 有言実行しちゃったよ! しかも時間も野郎どもの半分くらいしか掛かってないよ!

「昔の自分も今の自分も同じ自分ですもの。なんら恥じることはありませんわ」

 カッコ良い! こういう時は女子の方が強いのかも! この調子で次、アリシア行け~!

「良し! じゃあ行って来る!」

~ 30分後 ~

「......」

 ありゃありゃダメだったようだ。ん? アリシアがアタシの耳元でなんか囁く。

「ぜ、前世が...」

 あぁ、そういうことか...前世特有の何かがあったと? じゃアタシもヤバい!? アタシは不安になりながら部屋に入った。


◇◇◇


 部屋の中は薄暗かった。奥に大きな鏡があってそこに映っていたのは...前世の自分だった...それも少女時代の。

『いつかね、白馬に乗った王子様が私を迎えに来るの~♪』

 うぉぉっ! これ今聞くとかなりイタいな...ってか、アタシこんなことマジ言ってたんだね...
 
『結婚したらね、白い家に住むの♪ 暖炉があってね、犬も飼うの~♪』

 急に具体的な夢になったなおい! 王子様どこ行った!?

『悪いヤツらは許さない! ばあちゃんの名にかけてお仕置きよ~!』

 なんか色々と混ざっちゃった!?
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