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第114話 ちみっこと土竜討伐 その1

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『ギガントロック』を倒してみんなとハイタッチを交わしながら、

「みんなどうだった? 武器に満足した?」

「斬れ味は最高!」「何も問題なし!」「殴り甲斐がありますわ!」「これなら何でも壊せそう!」

 うんうん、みんな概ね好評のようで本当に良かったよ~♪

「みんないいな...」

 シルベスターが1人だけ寂しそうにしてるけど、まぁそれは仕方ないよね...
 
「皆さん、凄いです! まさか『ギガントロック』を倒しちゃうなんて!」

 シルバ君の目がキラキラ輝いてる。髭モジャじゃなきゃ可愛いかもね。

「特にミナさん! 全員に指示を出している姿、とても素敵でした!」
 
「あ、ありがとう...」

「ますます惚れ直しました! 是非とも僕のお嫁さんに」

「ならないから!」

「うぅ...グスグス...」

 泣いたってダメだから! 全く油断も隙もないな!

 アタシ達は泣いてるシルバ君を放置し、ナギに乗って帰路に就いた。


◇◇◇


 それから何日か経った後、王都に激震が走った。ギルドから緊急クエストが公表されたのだ。その内容とは...

『王都に土竜接近の兆しあり』

 というものだった。  

 モグラじゃないよね? 緊急クエストっていうくらいなんだから、竜なんだよね? 取り急ぎアタシ達はギルドに集合した。

「みんな、来てくれてありがとう。国難クラスのクエストだから、あなた達が参加してくれたら心強いわ」

 いつになく固い表情のヒルダさんが出迎えてくれた。やっぱり相当ヤバそうな相手なんだね...

「冒険者だけじゃなく、軍も動員するって話だ。俺達も全力で迎え撃つ」

「頼りにしてるわ」

「今はどんな状況なんだ?」

「土竜の動向を高ランクの冒険者達が監視してるわ。土竜は明らかに王都に向かって進行中とのことよ。ただ...」

 そこでいったんヒルダさんは言葉を切った。

「この間も言ったと思うけど、現在この国には高ランクの冒険者が居ないわ。現状ではBランクが最高で、彼らじゃ土竜は止められない。あなた達だけが頼りなの.. 」

「任せろ。こっちには水竜が居るんだ。土竜なんかに負けないさ」 

「ありがとう。お願いね。地図を見て頂戴。ここが現時点での土竜の位置よ」

 そう言ってヒルダさんは地図を指差した。

「この通り、真っ直ぐ王都に向かっているわ。このままだと3日後には王都に到着する予定よ」

「分かった。その前に絶対止める。みんな、行くぞ!」

「「「「「 応っ! 」」」」」

 アタシ達はナギに乗って土竜の元に向かう。

 緊急クエストがスタートした。

 王都を守るために頑張るぞ!
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