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第115話 ちみっこと土竜討伐 その2

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 ナギの背に乗って飛ぶこと約30分、アタシ達は土竜の痕跡を見付けた。

 ここは幸いなことに、王都までただっ広い平原が広がっているだけで、周りには町も村も民家すらない。つまりおもいっきり戦えるってことだ。

 上空から見ると、遠くの方からずっと一直線に土が盛り上がっているのが分かる。これが土竜の通って来た道だってことだ。つまりこの一番先の所に行けば...居た! 土竜だ!

 体のほとんどが土の中なので正確な大きさは分からないが、とにかくバカでかいってことだけは良く分かる。こんなのが王都で暴れたら、都は間違いなく壊滅するだろう。国難レベルってのは大袈裟じゃなさそうだ。

 絶対に倒さないと! まずは小手調べだ!

「ナギ! 全力でブレスを放ってみて!」

 竜には竜を! そっちが土竜ならこっちは水竜だ!

「キュイ!」

 ナギの全力ブレスが土竜に炸裂する!

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 土竜が雄叫びを上げながら土中から出て来た! デカい! 20m以上あるんじゃないか!? 間違いなくナギよりデカい!

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 土竜が首を上げてブレスを放って来た! かなり広範囲に広がるブレスだ!

「ナギ! 避けて!」

 防御するのは危険だと判断した私は、ナギに回避を指示する!

「キュイ!」

 ナギが急上昇に転じた!

「みんな! しっかり掴まって!」

 誰も振り落とされないように注意する! 土竜のブレスを回避した!

「みんな! これから急降下する! 辛いと思うけど耐えて! 土竜に肉薄したら、その瞬間に最大攻撃魔法で全力攻撃! オッケー?」

「「「「 応っ! 」」」」「あれ!? 私は!?」

 ゴメン、アリシア! 悪いけど今は構ってる暇無い! みんなの応援してて!

「みんな! 行っくよ~!」

 ナギが急降下に転じた! 土竜の背中を目指して! ここならブレスを受けることもない! 土竜の目前まで迫る! 今だ!

「攻撃開始!」

『『 ファイアーボム! 』』

『ヘルブリザード!』

『トルネードラッシュ!』

『グラウンドシェイク!』

 火が爆弾となって襲い、吹雪と竜巻が吹き荒れ、大地震で地割れが起きる! アタシ達の最大攻撃魔法だ! これでどうだ! 

...ダメだ! ほとんどダメージを与えられてない! 土竜は相変わらずその場で悠然としている! 次はどうする!? ナギから降りて物理攻撃に切り替えるか!? だがあのブレスは厄介だ! アタシが逡巡した時だった!

「トウッ!」

「アリシア! 待て!」

 アリシアの声とエリオットの声が重なるように聞こえた! 急いで振り返る! アリシアの姿が無い! どこに行った!? エリオットが不安そうに下を見詰めている! まさか!

 アリシアは土竜の背中に飛び降りていた!




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