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第123話 ちみっこと冒険者活動 その2

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「ねぇ、シルベスター。空中戦を修行するのに最適な相手って言うと?」

「やっぱりワイバーンじゃないかな? あとはドラゴンフライとか?」

「ワイバーンは分かる。定番だから。ドラゴンフライって...あぁ、もしかしてトンボのこと?」

「そう、やたらめったらデカいトンボ」

 なんか強そうな名前だからちょっとビビッたよ...でもデカいトンボってのも十分怖いか?

「ちなみにどんくらいデッカいの?」

「う~ん...大人の男を抱えて余裕で飛べるくらいかな?」

「ちょっと待って! それ十分に脅威じゃない!? そんなのがホイホイ飛んでんの!?」

 ビックリだよ!

「いや、そこまで大きくなるヤツは稀だし、滅多に出るもんじゃないから」

「それならいいけど...ちなみにワイバーンはどんくらいデッカいの?」

「翼を広げて約5、6mくらいかな? こっちも滅多に出るもんじゃないけどね」

「まぁまぁデカいね」

 なんかもう感覚がおかしくなってんだわ...

「冒険者として活動していれば、そういう敵と戦う機会あるかな?」

「うん、あると思う」

「殿下、それにみんなも。今後の強化プランとして、冒険者活動しながら空飛ぶ敵を対策するってことでいい?」

「「「「「 異議無し! 」」」」」

 こうして今後の方針が定まった。
 

◇◇◇


 その後、アタシはアリシアの部屋を訪ねた。ライオネル王子のこと、アリシアにだけは伝えておこうと思ったからだ。

「そう、ライオネル王子がそんなことを...」

「うん、アリシアに、番にフラれたって言ってたから、もう絡まれることはないんじゃない?」

「それはいいんだけど、ミナが鍛練に付き合ってたってことが意外だったよ。あんなに最悪な出会いだったのに」

「なんか放っておけなかったんだよね~」

「ミナの方が番みたいじゃない?」

「や、やだなぁ、そんなこと無いよ~」

 ちなみにライオネル王子から告白されたことは内緒にしてる。なんか言い辛いじゃん?

「まぁそれはともかく、これでライオネル王子ルートはなくなった訳か。もっともゲームの展開通りには全く進んでないから、そもそもそんなルートがあったかどうかも怪しいもんだけど」

「ちなみに順調に進んでたら、どういう展開になってたん?」

「ライオネル王子と協力して、ウチらの国と隣国ヴェガート獣王国との戦争を回避させるっていう展開」 

「なるほどねぇ...確かにそんなルートは無さそうだね。隣国とは仲悪くないもんね」

「うん、そっちはね。ただ...」

「なになに!? 他になんか気になることでもあんの?」

「覚えてない? ウチらがさ、国家的英雄って呼ばれるようになるのは、アルベルト王子ルートで王国の四天王を全て倒した後だったじゃん?」
 
「言われてみれば...」

 確かにそんな展開あったね。

「ただしこれも私らが三年になってからの展開だから、やっぱり前倒しになってるんだよね。英雄になった経緯は全く違う訳だけどさ」

「なるほど...全くストーリーからは外れてはいるけど、行き着く先は同じって訳か...」

「そう、それも全て前倒しでね」

「今後の展開にも目が離せないね...」

 アタシはどこか他人事のように呟いていた。
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