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第122話 ちみっこと冒険者活動 その1

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「さて、これからの活動方針なんだが、誰か意見はあるか?」

 一休みした後、殿下が徐にそう言った。国から英雄と認識されてしまった我々は、周りからの注目度が半端ない。これまでも『精霊の愛し子隊』としてそれなりに認知はされていたが、今後はその比じゃなくなるだろう。

 要するにヘタを打てないということだ。闇の精霊を倒すのが最優先なのは間違いないが、そのことだけを考えていれば良いという訳にはいかなくなる。

 今回のように国難規模のクエストが発生した場合、何をおいても駆け付けなくてはならなくなるだろう。そこでアタシは一つ気になっていたことがあった。

「殿下、それを決める前にちょっと確認したいことがあるんですが良いですか?」

「あぁ、構わないぞ」

「精霊王様、起きてますか?」

「......」

「精霊王様?」

「おぉっ! スマンスマン、眠っとった!」

「...もう眠らないって言ったじゃないですか...」

 ウソ付き...

「いやスマン、ついクセで...それで? 何かあったのかの?」

「精霊王様が寝てたってことは...レムも? レム?」

「......」

「やっぱり寝てるし...はぁ...だからあんなに苦労したのかな...」

「え~と...何があったんじゃ?」

「ついこの間、土竜と戦ったんですよ」

「フム、それで?」

「それでって...レッドドラゴンと戦った時は、あんなに助けてくれたのに...」

 なんか冷たくない?

「倒したんじゃろ?」

「そりゃ倒しましたけどね...」

 そういう問題じゃ...

「ならいいじゃろ? あんなモグラごとき、お主らの敵ではなかろう?」

「信頼してくれるのは嬉しいですが、仮にも竜と戦ったんだから、少しくらい手助けしてくれたっていいでしょ? それにレッドドラゴンと戦った時にレムが『僅かだけど闇の力を感じる』とか『こんな所にドラゴンが居るはずがない』とか言ってましたけど、今回はどうだったんです?」

「いや、闇の力は感じなかったぞ? あのモグラはドラゴンの中でも知能が低いヤツじゃからな。単に本能に従って向かって来ただけじゃろ」

「本能とは?」

「強い力に惹かれるということじゃの。要するにお主らに惹かれたということじゃ」

 おいおい、冗談じゃないぞ...なんだその脳筋な考えは...

「もしかして、全てのドラゴンがそんな感じなんですか?」

「それはなんとも言えん。ヤツらの行動は予測できんからの」

「あの...あと残ってるのは風竜なんですが、空中戦では我々が圧倒的に不利なんです。その時はちゃんと起きて手助けして貰えますか?」

「もちろんじゃ。じゃがお主らも空中戦の備えを怠らんようにの」

「分かりました」

 今後の方針が決まったね。

 空中戦に慣れるために修行しないと!
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