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第141話 ちみっことエルフの里 その8
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「どうやらこのエルフの里の連中は、ドラゴンを信仰の対象にしておるようじゃの」
「ドラゴンを...あぁ、だから私のことを『竜の巫女』だって勘違いしてるんですか?」
やっと理解したよ。
「そのようじゃな。しかも厄介なことに、どうも信仰している竜は邪竜のようなんじゃ」
「邪竜って何ですか?」
なんだか禍々しい響きだな...
「その昔、神々に戦いを挑んで敗れた竜のことじゃ」
「神々に...」
なんだかスケールが大きくなって来たな...
「うむ、そして何処かの地に封印されたと聞く」
「ま、まさか...その封印された地ってのは...」
途轍もなく嫌な予感が...
「恐らくじゃが、この地なんじゃろうな」
やっぱりかぁ...
「あぁ、だからナギの力も精霊の力も、ここに来たから弱くなったってことですか?」
邪竜の影響なのかな?
「多分な。儂も実際この目で邪竜を見た訳じゃないし、関わったこともないから何とも言えんが」
「そうなんですね...あの、やっぱりその邪竜っていうのは強いんでしょうか?」
「そら強いんじゃろうな。何せ神々に挑むくらいじゃから」
「火や土の竜よりもってことですか...」
まだ風竜とは戦ってないけど、今まで戦って来た竜よりは強そうだよね...
「強いとは思うが、なんでそんなことを気にする? 封印されとるんじゃから、気にせんでもよかろ?」
「いえ、なんとなくなんですが...こういうパターンだと封印が解かれちゃって、その邪竜と戦うことになるんじゃないかなと思ったりしまして...」
「い、いやまさか...そ、そんなことは...」
「そ、そうですよね? か、考え過ぎですよね?」
「そ、そうじゃぞ。き、気にし過ぎじゃ」
「「 アハハハッ... 」」
「おいっ! うるさいぞ! 何を騒いでる!?」
アタシと精霊王様が空笑いしていると、アタシ達を捕らえたエルフの戦士ルークが現れた。
「いえ!? 何も!? ところで、私達をいつまでここに閉じ込めておく気なんです!?」
「生贄の儀が始まるまでだ。今準備している。明日までしばし待て」
生贄だと!?
「...一応聞きますけど、生贄とは誰のことですか?」
「貴様に決まっているだろう!」
あぁうん、そんなことじゃないかと思ってた通りだったよ...全然嬉しくないけど...
「喜べ! 貴様の血肉が邪竜様復活の贄となるのだ! 光栄に思うが良い!」
誰が思うかそんなもん! なにやら恍惚とした表情を浮かべているコイツは放っておいて、アタシはただただ早くみんなが助けに来てくれることを願うばかりだった...
「ドラゴンを...あぁ、だから私のことを『竜の巫女』だって勘違いしてるんですか?」
やっと理解したよ。
「そのようじゃな。しかも厄介なことに、どうも信仰している竜は邪竜のようなんじゃ」
「邪竜って何ですか?」
なんだか禍々しい響きだな...
「その昔、神々に戦いを挑んで敗れた竜のことじゃ」
「神々に...」
なんだかスケールが大きくなって来たな...
「うむ、そして何処かの地に封印されたと聞く」
「ま、まさか...その封印された地ってのは...」
途轍もなく嫌な予感が...
「恐らくじゃが、この地なんじゃろうな」
やっぱりかぁ...
「あぁ、だからナギの力も精霊の力も、ここに来たから弱くなったってことですか?」
邪竜の影響なのかな?
「多分な。儂も実際この目で邪竜を見た訳じゃないし、関わったこともないから何とも言えんが」
「そうなんですね...あの、やっぱりその邪竜っていうのは強いんでしょうか?」
「そら強いんじゃろうな。何せ神々に挑むくらいじゃから」
「火や土の竜よりもってことですか...」
まだ風竜とは戦ってないけど、今まで戦って来た竜よりは強そうだよね...
「強いとは思うが、なんでそんなことを気にする? 封印されとるんじゃから、気にせんでもよかろ?」
「いえ、なんとなくなんですが...こういうパターンだと封印が解かれちゃって、その邪竜と戦うことになるんじゃないかなと思ったりしまして...」
「い、いやまさか...そ、そんなことは...」
「そ、そうですよね? か、考え過ぎですよね?」
「そ、そうじゃぞ。き、気にし過ぎじゃ」
「「 アハハハッ... 」」
「おいっ! うるさいぞ! 何を騒いでる!?」
アタシと精霊王様が空笑いしていると、アタシ達を捕らえたエルフの戦士ルークが現れた。
「いえ!? 何も!? ところで、私達をいつまでここに閉じ込めておく気なんです!?」
「生贄の儀が始まるまでだ。今準備している。明日までしばし待て」
生贄だと!?
「...一応聞きますけど、生贄とは誰のことですか?」
「貴様に決まっているだろう!」
あぁうん、そんなことじゃないかと思ってた通りだったよ...全然嬉しくないけど...
「喜べ! 貴様の血肉が邪竜様復活の贄となるのだ! 光栄に思うが良い!」
誰が思うかそんなもん! なにやら恍惚とした表情を浮かべているコイツは放っておいて、アタシはただただ早くみんなが助けに来てくれることを願うばかりだった...
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