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第142話 アリシア視点 ミナ捜索隊 その1
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「おはよ~! メル~!」
「クウッ!」
メルが私の元にやって来てから、私の日常に変化が訪れた。まず最初に、前世でも鳥は飼っていたんで飼育自体は慣れたもんなんだけど、鳥小屋が無くて困った。
雛の内から既に大型の猛禽類並みの大きさがあるので、既存の鳥小屋に収まるはずもなく。特注して作って貰うにも、学生寮の一室じゃそもそも無理がある。
開き直った私は、ナギちゃんみたいに放し飼いにすることにした。この子大人しいからどっかに飛んで行ったり、他の人に悪さをしたりしないだろうと判断したのだ。
実際その通りで、私の言う事を良く聞いてくれる賢い子だ。
「は~い、朝御飯だよ~!」
「クウックウッ!」
エサは専らエンドウマメ、ムギ、アワ、ヒエ、麻の実、パンプキンシード、ヒマワリの種、トウモロコシなどなど、所謂植物食が基本。鳩の餌だと思ってくれれば良い。
ナギちゃんみたいに何でも食べる雑食性ではない。肉や魚などの動物性たんぱく質には見向きもしない。その代わり、結構な量を毎日食べる。冒険者としての稼ぎがなかったら、とても飼えなかっただろう。
「さて、それじゃそろそろ行くよ~」
「クウッ!」
ナギちゃんみたいに国から神獣って認められた訳じゃなく、殿下のゴリ押しで無理矢理ペット枠をもぎ取ったメルを、さすがに学園に連れて行く訳にはいかない。
かと言って昼間放置しておくのも不安が残る。どうしようかと困っていた所、マリーさんが快く引き受けてくれると言ってくれたので、ありがたく甘えることにした。
マリーさん曰く「一羽も二羽も世話するのは変わらない」とのことだが、ナギちゃんを一羽と数えるのはどうだろう? まぁでも二羽? とも仲良くしているらしいので一安心だ。
という訳で今日も、メルのエサ袋を抱えてミナの部屋を訪れる。ちなみにメルは私の肩の上に載っている。正直言って結構重い。
「あれ? 変だな?」
ノックをしても返事が無い。ドアも鍵が掛かっている。ミナならともかく、マリーさんが寝坊するなんて有り得ない。私は強目にドアを叩いてみた。
「ミナ! マリーさん! 居ないの!?」
やっぱり返事が無い。おかしい。こんな朝早くから二人して出掛けたことなんて今まで一度もない。私は嫌な予感がした。急いで玄関に向かう。
「シャロン様!」
「おはようございますですわ。あら!? アリシアさんお一人ですの!? ミナさんは!?」
「それが部屋に居ないみたいなんです! マリーさんも!」
私は挨拶もそこそこにシャロン様へ異常を訴える。
「こんな朝早くから!? 確かに妙ね...鍵は掛かったままなの?」
「はいっ!」
「寮監に頼んで開けて貰いましょう」
私達はすぐ寮監の所に行って事情を説明し、鍵を開けて貰った。
「ナギ! マリーさん! ナギちゃん!」
「...誰も居ないわね...争った形跡も無し...」
私はそこでハッと気付いた。
「ま、まさかまた闇の眷族仕業じゃ...」
シャロン様と顔を見合わせる。
「レム! 起きなさい! 緊急事態よ! レム!」
「シルフ! あなた何か感じない!?」
『う~ん...私はレムみたいな高位精霊じゃないからなんとも.. ゴメンね...』
あの寝坊助レムが高位なんだ!? いや今それはどうだっていい!
早く起きろ!
「クウッ!」
メルが私の元にやって来てから、私の日常に変化が訪れた。まず最初に、前世でも鳥は飼っていたんで飼育自体は慣れたもんなんだけど、鳥小屋が無くて困った。
雛の内から既に大型の猛禽類並みの大きさがあるので、既存の鳥小屋に収まるはずもなく。特注して作って貰うにも、学生寮の一室じゃそもそも無理がある。
開き直った私は、ナギちゃんみたいに放し飼いにすることにした。この子大人しいからどっかに飛んで行ったり、他の人に悪さをしたりしないだろうと判断したのだ。
実際その通りで、私の言う事を良く聞いてくれる賢い子だ。
「は~い、朝御飯だよ~!」
「クウックウッ!」
エサは専らエンドウマメ、ムギ、アワ、ヒエ、麻の実、パンプキンシード、ヒマワリの種、トウモロコシなどなど、所謂植物食が基本。鳩の餌だと思ってくれれば良い。
ナギちゃんみたいに何でも食べる雑食性ではない。肉や魚などの動物性たんぱく質には見向きもしない。その代わり、結構な量を毎日食べる。冒険者としての稼ぎがなかったら、とても飼えなかっただろう。
「さて、それじゃそろそろ行くよ~」
「クウッ!」
ナギちゃんみたいに国から神獣って認められた訳じゃなく、殿下のゴリ押しで無理矢理ペット枠をもぎ取ったメルを、さすがに学園に連れて行く訳にはいかない。
かと言って昼間放置しておくのも不安が残る。どうしようかと困っていた所、マリーさんが快く引き受けてくれると言ってくれたので、ありがたく甘えることにした。
マリーさん曰く「一羽も二羽も世話するのは変わらない」とのことだが、ナギちゃんを一羽と数えるのはどうだろう? まぁでも二羽? とも仲良くしているらしいので一安心だ。
という訳で今日も、メルのエサ袋を抱えてミナの部屋を訪れる。ちなみにメルは私の肩の上に載っている。正直言って結構重い。
「あれ? 変だな?」
ノックをしても返事が無い。ドアも鍵が掛かっている。ミナならともかく、マリーさんが寝坊するなんて有り得ない。私は強目にドアを叩いてみた。
「ミナ! マリーさん! 居ないの!?」
やっぱり返事が無い。おかしい。こんな朝早くから二人して出掛けたことなんて今まで一度もない。私は嫌な予感がした。急いで玄関に向かう。
「シャロン様!」
「おはようございますですわ。あら!? アリシアさんお一人ですの!? ミナさんは!?」
「それが部屋に居ないみたいなんです! マリーさんも!」
私は挨拶もそこそこにシャロン様へ異常を訴える。
「こんな朝早くから!? 確かに妙ね...鍵は掛かったままなの?」
「はいっ!」
「寮監に頼んで開けて貰いましょう」
私達はすぐ寮監の所に行って事情を説明し、鍵を開けて貰った。
「ナギ! マリーさん! ナギちゃん!」
「...誰も居ないわね...争った形跡も無し...」
私はそこでハッと気付いた。
「ま、まさかまた闇の眷族仕業じゃ...」
シャロン様と顔を見合わせる。
「レム! 起きなさい! 緊急事態よ! レム!」
「シルフ! あなた何か感じない!?」
『う~ん...私はレムみたいな高位精霊じゃないからなんとも.. ゴメンね...』
あの寝坊助レムが高位なんだ!? いや今それはどうだっていい!
早く起きろ!
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