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第152話 第三者視点 新たな日常 その3

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「め、メル!?」

 いつの間にかメルが、女の子を庇うように男との間に割って入っていた。しかも人間サイズの大きさになって...

「クルル~!」

 いつもより低い声で騒ぐ男を威嚇すると、

「あぁっ! 俺はなんて罪深いことを! 恥ずかしくて表を歩けない!」

 男はそう叫んで走り去ってしまった。

「ちょ、ちょっと! 置いてかないでよ~!」

 その後を女が慌てて追い掛けて行った。

「メル...あなたもしかして自由に体のサイズを変えられるの?」

 店員の女の子が涙を流してお礼を言ったり、周りが「あの鳥、凄い~!」「体がフリーサイズ!」と称賛してたりしているが、そんなことよりもアリシアは、メルのある特徴に心を奪われていた。

「クルル~♪」

 メルが得意気に鳴く。なんだか誇らしそうだ。確かにナギと同じように凄い能力だと思う。だがアリシアが一番気になったのは...

「それとメル、あなたひょっとして人の邪気っていうか悪意まで浄化できるの?」

「クルル?」」

 さっき逃げて行った男は、メルを怖がって逃げたというより、己の行動を恥じて居た堪れなくなって逃げて行ったように見えた。

「そうなの?」

 ミナが首を捻る。

「私にはそう見えた。あなた達は?」

「スマン、気が付かなかった。メルのことばっかり見てた。」

 とエリオット。

「ゴメン、ボクも。メルの大きさが変わったからビックリしちゃって...」

 とシルベスター。

「ナギみたいだよね? どこまで大きくなるのかな?」

 とミナ。

「大きさもそうだけど、メルがどんな能力を持っているのか、ちゃんと確認しておかないとね。ミナ、明日も訓練する予定?」

「ん~...明日は殿下とシャロン様が居ないからお休みしようと思ってた」

「じゃあ私は自主練するよ」
 
「私も付き合うよ」「僕も」」「ボクも」 

「みんな、ありがとう」


◇◇◇


 翌日、四人はいつもの訓練場に集まっていた。アリシアがメルに告げる。

「じゃあ早速メル、まずは出来るだけ大きくなってみて?」

「クウッ!」

 ちなみに比較対象のため、ナギは既に巨大化している。メルはぐんぐん大きくなって、いつもアリシアを背中に乗せている大きさになって...そこで止まった。

「大きさは元々これが限界だったんだね」

 ナギと比べると三分の一程度の大きさだろうか。

「次にメル、攻撃っていうかどんな能力があるのか教えて?」

「クルルっ!」

 するとメルは一声鳴いた後、大空に舞い上がった。やがて旋回してターゲットをナギに決めたようで、ゆっくりと降下して来た。

 ナギが身構える。
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