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第168話 ちみっこと新しい生活 その5
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ホームセンターを出て冒険者ギルドに向かう。
両手一杯に荷物を持ったマリーには申し訳ないが、もうちょっと辛抱して貰おう。もっとも本人は至って涼しげな顔してるが。何気にマリーって力持ちだもんね。
アタシ達がギルドに入ると、目敏く見付けたヒルダさんがやって来た。
「お帰りなさい! 首尾はどうだった!?」
「それがですね...長い話になるけど構いませんか?」
「もちろんよ! どうぞどうぞ!」
アタシは今回の一連の出来事を掻い摘んで説明した。説明している途中からヒルダさんの顔が強張って来る。やがて長い話が終わった。ヒルダさんはしばらく沈黙した後、
「...なんて言うか...もうあなた達はなんでも有りね...それでこちらが元風竜の」
「元じゃなくて今も現役の風竜です。名前はウインディ」
元ヤンみたいな言い方は止めて欲しい。
「ウインディだ。今回は人間達に迷惑を掛けて済まなんだ」
「あぁ、いえいえお構い無く。幸い人的被害はなかったですから。それじゃあこれで依頼達成ってことで。報酬はいつも通り折半で良いのかしら?」
「そうですね...」
そこでアタシはシャロン様をチラッと見る。こういったことの判断は任せた!
「今日は依頼達成の報告のみで、報酬の件はまた今度に致しましょう。全員揃ってからご返事致しますわ」
「分かったわ。ご苦労様。依頼を達成してくれて本当にありがとう」
こうしてアタシ達は冒険者ギルドを後にした。
◇◇◇
「お帰り~」
女子寮に戻ると、引っ越しはほとんど終わっているようだ。
「ただいま~ アリシア、荷物届いてなかった?」
「荷物? ううん、届いてないけど?」
「あぁ、きっと私の部屋に届いたんだと思います。マリー、運ぶの手伝ってくれるかしら?」
「畏まりました」
シャロン様がマリーを連れて部屋を出て行った後、アリシアがアタシに聞いて来た。
「荷物ってなんのこと?」
アタシはアリシアに高級ブティックでの一件を話して聞かせた。
「そうだったんだ...ウインディ、大変だったね? 疲れたでしょう? 少し休んでいて?」
「済まんがそうさせて貰う。慣れないことだらけだったからな」
そう言ってウインディはソファーに深く沈んだ。
「アリシア、野郎どもは?」
「殿下はウインディのことを説明するからって王宮に帰った。エリオットとシルベスターは女子寮にずっと居ることに耐えられなくて帰った」
そういうもんなのか? 健康な男子なら寧ろ喜びそうな気もするが。
まぁこれが青春ってヤツかねぇ。
**********************
以下告知です。
昨日から下記のタイトルで新連載をスタートしました。
『転生したら死亡エンドしかない悪役令嬢だったので、王子との婚約を全力で回避します』
タイトル通り、死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった主人公が、死亡フラグである王子との婚約を回避しようと奮闘するドタバタ劇です。
良かったらご覧になって頂けますと幸いです。
よろしくお願い致します。
両手一杯に荷物を持ったマリーには申し訳ないが、もうちょっと辛抱して貰おう。もっとも本人は至って涼しげな顔してるが。何気にマリーって力持ちだもんね。
アタシ達がギルドに入ると、目敏く見付けたヒルダさんがやって来た。
「お帰りなさい! 首尾はどうだった!?」
「それがですね...長い話になるけど構いませんか?」
「もちろんよ! どうぞどうぞ!」
アタシは今回の一連の出来事を掻い摘んで説明した。説明している途中からヒルダさんの顔が強張って来る。やがて長い話が終わった。ヒルダさんはしばらく沈黙した後、
「...なんて言うか...もうあなた達はなんでも有りね...それでこちらが元風竜の」
「元じゃなくて今も現役の風竜です。名前はウインディ」
元ヤンみたいな言い方は止めて欲しい。
「ウインディだ。今回は人間達に迷惑を掛けて済まなんだ」
「あぁ、いえいえお構い無く。幸い人的被害はなかったですから。それじゃあこれで依頼達成ってことで。報酬はいつも通り折半で良いのかしら?」
「そうですね...」
そこでアタシはシャロン様をチラッと見る。こういったことの判断は任せた!
「今日は依頼達成の報告のみで、報酬の件はまた今度に致しましょう。全員揃ってからご返事致しますわ」
「分かったわ。ご苦労様。依頼を達成してくれて本当にありがとう」
こうしてアタシ達は冒険者ギルドを後にした。
◇◇◇
「お帰り~」
女子寮に戻ると、引っ越しはほとんど終わっているようだ。
「ただいま~ アリシア、荷物届いてなかった?」
「荷物? ううん、届いてないけど?」
「あぁ、きっと私の部屋に届いたんだと思います。マリー、運ぶの手伝ってくれるかしら?」
「畏まりました」
シャロン様がマリーを連れて部屋を出て行った後、アリシアがアタシに聞いて来た。
「荷物ってなんのこと?」
アタシはアリシアに高級ブティックでの一件を話して聞かせた。
「そうだったんだ...ウインディ、大変だったね? 疲れたでしょう? 少し休んでいて?」
「済まんがそうさせて貰う。慣れないことだらけだったからな」
そう言ってウインディはソファーに深く沈んだ。
「アリシア、野郎どもは?」
「殿下はウインディのことを説明するからって王宮に帰った。エリオットとシルベスターは女子寮にずっと居ることに耐えられなくて帰った」
そういうもんなのか? 健康な男子なら寧ろ喜びそうな気もするが。
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