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第167話 ちみっこと新しい生活 その4

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「ミナさん、せっかくだからあなたも選びなさいな?」

「いえ結構です。どうせ合うサイズは無いでしょうし」

「あら? 我が店には子供服も取り揃えて...失礼致しました!」

 女主人はアタシが睨み付けているのにようやく気付いたようだ。だから悲しくなんか無いんだったらぁ!

「それにシャロン様、この後日用品を買ったり冒険者ギルドに寄ったりしなきゃなりませんよ? 日が暮れる前に行きましょう」

「確かにそうですわね。残念ですがまたの機会に」

 いやもう結構ですってば。

「買った物は全て女子寮に届けて頂戴。それと支払いはウチにツケといてね?」

「畏まりました。またのお越しをお待ちしております」

 凄いな。さすがは公爵家。こんなお高いお店でもツケが利くんだね。


◇◇◇


「じゃあ次はウインディの日用品を揃えましょうか。マリー、その手のお店には詳しいでしょ? 案内してくれる?」

「畏まりました。こちらです」

 そのためにマリーを連れて来たんだ。あと荷物持ちとしてもね。

 マリーに案内されてやって来たのは、前世で言えばホームセンターのようなお店だった。

「この店で大体の物は手に入ります」

 確かに品揃えは豊富だ。価格も庶民的なんで安心できる。早速見て回ることにした。

「まずは食器だね」

 スプーンやフォーク、ティーカップにお皿、コップなど次々と選んで行く。物珍しいのか、ウインディはあちこちに目を向けては色々と質問して来る。

「これはどうやって使うのだ?」「これは何に使うのだ?」などなど。まぁ無理も無いよね。今まで使ったこと無いだろうし。なので一つ一つ丁寧に説明して行く。

「次はお風呂用品かな」

 石鹸、シャンプー、タオルにバスタオル、あとお風呂関係無いけど歯ブラシに歯磨き粉も。近くにあったからね。

 もちろんここでもウインディの質問攻めにあった。

「なるほど...人間として暮らすというのは本当に大変なことなのだな...」

 さっきのブティックでも同じこと言ってたね。

「ウインディ、後悔してません?」

「いいや、寧ろ新しいことに挑戦するというワクワク感の方が強いな」

「前向きで良かったです。それじゃあ次は...」

 そこでアタシの目に飛び込んで来たのは、生理用品が並んでいるコーナーだった。聞き辛いけど聞いておくべきだろう。

「あの...ウインディ...竜ってその...生理とかあるんですかね...」

 女同士なんだし、恥ずかしがることは無いはずなんだけど、なんだか恥ずかしい...なんでだろ...

「生理とはなんだ?」

「あ、なんでもないです.. 」

 どうやらそこは人間基準ではないらしい。
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