悪役令嬢の末路

ラプラス

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対面【1】

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 リリシア様の手紙によると、5日後にリリシア様のお屋敷であの人と引き合わせる計画らしい。
 『それまでに今まで以上に手間を掛けてお手入れしておいてね』とのこと。
 リリシア様の気持ちが嬉しくなり、心がふわりと包まれたような感覚に陥る。


 それから5日は軽く過ぎ去り、遂に当日を迎えた。


 リリシア様のお屋敷のサロンで顔をあわせる予定になっているが、本当にあの人は来てくれるのか、不安になってくる。そして、何を話せばいいのかもわからなくなっていくまま、執事に案内された部屋で待っていると、外からリリシア様とーーきっとあの人だと思われる声が、口論をしていた。

 「だから、どうして会えないと仰るの?!アイラ様の気持ちも考えて!」
 「まだ会うことはできないのだと、さっきから言っているだろう?それに、彼女と私は政略結婚だ、恋だの愛だので結ばれた仲ではない。彼女は私がいなくても平気なはずだ」
 「何言ってるのよ。アイラ様はカイルに会いたいって言ってたわ。だから私、アイラ様とカイルを合わせようとしたんじゃない。どうしてわからないのよ、このバカ!」
 「俺だって会いたいさ!でも…駄目なんだ。今は会えない…」

 言い合いの末、少ししてからドアが開いた。
 リリシア様が隙間から顔をのぞかせた。

 「ごめんなさい、二人を合わせること、できなかったわ…」

 「何言ってるのよ。声を聞けただけで満足よ。迷惑かけてごめんなさい。それから、ありがとう」
 「そんな!迷惑なんてかかってないわ。私がしたかったからしたんだもの。アイラ様、負けちゃダメよ?」
 「ええ…」


 暫くの間、私はリリシア様を抱きしめて目を閉じた。
 新たに生まれたた不安と期待の種を胸に秘めて。

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