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亡国王子、腐女神を呼んでみる
しおりを挟むヴィドスさんが形成したハンバーグを大きな鉄板で焼いてくれる。俺はフィアツェンさんに抱っこされて見学だ。じゅうじゅうと焼けるお肉の脂と玉ねぎの匂いが懐かしい。
さすがはフィアツェンさんの戦場料理番。お肉を焼くのが上手い。だいたいハンバーグって初めては焦がすはずなのに。
『いやあん、美味しそう!ねえねえ、双葉ちゃん!お姉ちゃんも食べたぁい!!』
一花姉の神託が響く。でもどうやって食べるの?お供え?
『違うわよお!お供えなんかしてたら冷めちゃうじゃないっ!ハンバーグは火傷するほどアツアツがベストよ!そうねえ…えーと、そう、そこのワイン瓶!ワイン瓶に手を合わせてお姉ちゃんを呼んで!』
ほえ?呼ぶの?来れるの?
「ええと……ふぃあてんさん、ちょと…えー、おろしてください」
「うん?」
「えと、えと……わいんの、びん……」
「ああ、これか?」
フィアツェンさんがワイン瓶を引き寄せてくれた。俺を腕から下ろす気はないらしい…。
んーと、手を合わせて…
「いちゅかねえ、ごはんでしゅよぉ」
『はぁい!!』
にゅるんと。もうほんと、にゅるんと出てきた。ワイン瓶から一花姉が。どうなってんの!!??
凍り付く厨房。2度目のフィアツェンさんと双子は慌てることなく膝を突く。
『跪きなさい、罪深き人の子よ。私はフロウラリア。花の女神フロウラリアである。跪き頭を垂れよ』
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