【完結】今日、ルルティアが死んだ

とうや

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舞台裏

【第二十二話】その日、わたしが目覚めた

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ここからは本編の裏でなにが起こっていたか、という解答編です。
本編の、薄暗い泥の中のような雰囲気を愛でたい方は、「この物語はもう終わった」と思ってお気軽に読んでください。



※ミステリータグは付いていないんですよ…ええ……


*********************************************************************














(リリエンティア視点)


………あら?なにをしてるのかしら。

ふわり、と眠りから醒めるように、わたしの意識が浮上した。少しだけ空いた客室の扉。そこから漏れる微かな光と嬌声。


なにをしているのかしら、


この部屋に今日泊まっているのは『ララティア』で、あそこで猿のように腰を振っているのは今日の夫になったブルーノ。ううん、そうじゃないの。そうなんだけど……


なぜわたしはこんなものを見せられて、怒りも悲しみもしていないのだろう。


っていうか、って誰?

わたくし…わたくし、は…………そう、わたくしはルルティア・ソーンヒル。いいえ、今日結婚したからルルティア・ハンティントンね。あそこでアンアン言って股開いてる女は『妹』で……ええと…………



あら、わたし、生まれ変わったのね。



わたしの名は『リリエンティア』。魔王の呪いで不老になって千年を生きた錬金術師。千年の間に勇者パーティーに選ばれて魔王を倒してみたり、呪われてみたり、帝国を滅ぼしてみたり、なぜか女帝になって数人子供を生んでみたり、女神が糞だからギャフンと言わせてみたりと…… まあ人生を送った女。『魔女』だとかなんだとか言われたけれど、わたしから言わせれば勇者や魔王に劣る女よ?

千年の魔王の呪いが消えて、わたしは灰になった。そりゃあ千年も無理矢理生きたのだもの。骨も残らなかったでしょう。


そして今現在、かぁ……


わたしの今生、ルルティアわたくしはショックのあまり深層意識に沈み込んだ。これってわたしがいなければ昏倒していたのかしら?馬鹿な子ねぇ。そんなに嫌なら泣いて暴れて噛み付いてやればよかったのよ。

……とりあえず、今晩はあの若造ブルーノは寝室に来ないわね。久しぶりの外界しゃばだわ。色々と見てまわろうかしら?幸い、反響エコーで感じた転移のための術式のほとんどがまだ残っている。リリエンティアわたしが死んでどのくらいかわからないけれど、ドレスは動きにくいわ。私服を取りに行きましょ。






わたしはいそいそと前世の私室へ向かった。









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