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試製フォレスト絶死ラーメン
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ラーメンをつくることになったよ。
パターン入れば基本的に繰り返しだ。
僕たちは接客しないしね。
スープが焦げないように骨を砕きながら掻き混ぜて、水入れて、混ぜる。
それを結局半日くらいやっていた。交代でやったけどね。混ぜる頻度は数十分に一度。一時間に二回から三回だ。少ないだろうか。大丈夫だと思うんだけど……。
掻き混ぜ方はそれぞれ個性があった。
ベステルタは正統派ストロングスタイル。
プテュエラは魔法使ったりしたけど、結局ホバリングしながら器用に脚でエンマ棒を掴んで混ぜた。
シュレアは完全に魔法任せ。樹木たちにやらせていた。樹木たちがエンマ棒を握る姿は熟練そのもの。頑固親父を幻視した。
皆で話しながらやればあっという間だったし、楽しかった。どんどん僕が嗅いだことある匂いになっていくのも嬉しかった。
途中で背脂を入れるのを忘れていたので慌てて投入。ベステルタは恍惚、プテュエラは不思議そう、シュレアはうげーって感じ。
ダンプボアの背脂は雪みたいに真っ白で、変な臭いもしない高級品だった。旨い背脂は単体でイケるくらい旨いからね。
野菜だけど、今回は入れなかった。
初回だし骨百パーセントで作ってみたかった。後で何を足せばいいか、味を振り返りやすそうだし。
背脂をエンマ棒で切り崩しつつ、ルーティンを繰り返すこと数時間。
「で、できた」
やっとできたよ。渾身のスープ。
見た目最悪だけどな。茶褐色のごぽごぽ泡立つ激臭の液体だし。
「わたしこれたぶん好きだわ」
「美味しそうに見えるような見えないような」
「嗅ぎ続けていたせいで慣れました」
三人も最初に比べていくらか慣れたようだ。
とりあえずスープは完成したから次は麺だな。
麺は一応デイライトで買っておいたのよね。作ろうとも考えたけど、今回は流石にパス。疲れた。
「うーん、細いな」
「そう? わたしは見たことないから分からないのだけど」
初見ならそうだろうね。ただ、改めてこう見ると違和感あるな。買ったときはあまり感じなかったんだけど。
率直に言えば柔らかい素麺みたいな感じ。コシや固さは期待できそうにない。残念。今回はスープを楽しもう。
「じゃあ茹でまーす」
沸騰したお湯に麺を投入。
うわっ、すぐに白くなった。かなり粉っぽそうだな。大丈夫だろうか。
途中、固さを見ながら体感五分程で引き上げる。
あっ、湯切り……。湯切るやつなんていうんだっけ。テボ? がない。
「プテュエラ、この麺のお湯切れる?」
「余裕だ」
ブオオオオオォォォォ!
麺が空を舞い、水が飛び散る。これじゃない感が凄まじい。せめてザルを用意しておけば良かった。
温めた丼を四つ並べる。
チャーシューのタレを入れる。
そこへ何とか濾しながらドロドロのスープを投入。
次に麺。
最後に切った厚めのチャーシューと付け合せの玉ねぎを添えて。
「完成でえす!」
できた。
試行錯誤しつつ、渾身の一杯が。
名付けて『フォレスト絶死ラーメン(試製)』
ノリで決めた。
箸もちゃんと買ってある。
みんなに用意していざ実食。
「「「「いただきます」」」」
まずはスープを一口。
ふー、ふーっ。
ずっ、ずずずっ。
「くっせえ……」
無茶苦茶臭い。とにかく獣。ケモノ味。
強力な魚醤の香りが太刀打ちできないほど臭い。
ずずずっ。
「ん、でも、くさ……うま?」
ただ、僕はかなり豚骨スキーで、臭いの好きなので割と慣れてきた。あ、良いかもしれない。食べられないことはない。
うーん、これ雑味も旨味も一緒くたなんだろうな。
どうしたらいいんだろう。
もっと臭さを抑えて旨味を出すには。
器の底をさらうと骨のカスや肉片が、どろりと砂みたいに堆積していた。
あー、スープが底の方でダマになっているね。ちゃんと掻き混ぜられていなかったのか。けっこう混ぜたつもりだったけど。
うーむ、火の通りにムラが出て、味にばらつきが出たってことかな。
それにスープを濾し切れていないのが雑味を増幅させている気がする。
ということは混ぜる回数をもっと増やして、底から混ぜられるようにエンマ棒も改良する必要があるか。
あとやっぱり野菜入れよう。骨単体だと味が強すぎる。それがよく分かった。
改良余地はたくさんあるな。
難しい。でも面白い。
「麺いってみよう」
スープで溺死している麺をリフトする。
うわっ、持ち上げがすごい。スープが麺にめちゃくちゃ絡んでくる。本来なら嬉しいんだけど、あの臭味知っているとちょっとげんなりする。
でも食べてみないことには始まらぬ。
実食。
ズバババッ!
ズボバッ!
「ブフォッ」
麺不味っ!
なんだこれ、粉っぽすぎる。そしてふにゃふにゃして柔らかい。コシのコの字も無い。これなら素麺の方がマシだ。くそー。
亜人たちはどんな反応しているだろうか。
「これは……冒険の味!」
「うーん、旨くないけど旨さがある。よく分からん」
「臭すぎます。あと麺が不味いです」
マイナス寄りの評価だった。
まあそうなるな……。
ベステルタは平気そうで、プテュエラは混乱、シュレアはほぼ拒絶。最初だしこんなものか。
おっ、チャーシューはかなり旨いな!
元々の素材が良いからってのもあるけど、チャーシュー風の味付けがハマってる。お酒飲みたくなるやつ。
スープの魚醤はほぼ消えているけど、こっちは効いてるな。うめえー。
醤油が見つかるまではこれでいこう。ていうか醤油なんて見つかるのだろうか。あれもだいぶ狂った調味料だからな。それまでは試行錯誤の日々が続きそうだ。
「はー、これってかなり胃に溜まるわね」
「私は一杯で大丈夫だ。けぷぅ」
「次も同じの出てきたら食べませんよ」
何だかんだで全員食べてくれた。無理させてすまぬ。次はもっとうまくやるよ。
・以下、採点(100点満点中)
40点(ベ)
「味は置いといて、冒険的で良かったわ。とっても新しいものを感じる。骨を煮込むなんてとても冒険的な発想。ポテンシャルに期待せずにはいられないわね。チャーシュー? っていう肉も合っているように感じたわ。わたしは平気だけどもう少し脂身の無い部位、モモ肉か肩肉がいいかもしれないわね」
35点(プ)
「まあ臭かった。久しぶりに食べ物の匂いで顔をしかめたよ。雨上がりの魔獣の住処はあんな感じだ。あまり食べたいとは思わない。が、微かに旨味を感じた。おそらく雑味が酷すぎるんだ。可能性は感じる。次回があるなら活かしてほしい。あ、っと。肉はかなり旨かったぞ。また作ってくれ」
5点(シュ)
「嫌な料理でした。最嫌です。ダークエイプの毛溜まりに顔を突っ込んだほうがもう少し良い匂いがします。二度と食べたくありません。ケイの料理だから食べますが、改善を要求します。玉ねぎが孤立無援でした。可哀想です。もっと調和を考えて下さい」
レビューは肯定もあったが、概ね低評価が前提。特にシュレアの評価が最低に近い。0点と捉えてもいいだろう。申し訳ない。次回に必ず活かそう。
全員にお詫びとしてお酒を出したらとっても喜んでくれた。
それても臭いが取れない気がしたので温泉に直行。身体をくまなく隅々まで万遍なく念入りにぽよんよんと洗う洗われる。
「別の匂いで上書きすればいいのよ」
とベステルタの天才的発想により繁った。これはニオイを取るために必要なんだ。必要繁りなんだよ。
ぽよよん、ばいんばいん、たわたわが水を弾く。しっとり手のひらに吸い付く。吸い付かれる。温泉最高。
口の中も嫌な感じだったのでお互いにアルコール消毒した。アルコールは貴重だからね。口移しで口内ケア。温泉最高。
拠点に戻ってベッドに全員で一斉に身体を投げ出す。
ばよーん、ぼよよん。やあゆよん。
楽しい。寝間着でも揃えたほうがいいかな。その方がもっと楽しそうだ。
ゆっくり他愛もない事を話して、触ったり触られたりしながらゆっくり入眠した。シュレアが寝る前に「すぱすぱぷふぁー」と煙草を吸っていたのがなんか面白かった。
パターン入れば基本的に繰り返しだ。
僕たちは接客しないしね。
スープが焦げないように骨を砕きながら掻き混ぜて、水入れて、混ぜる。
それを結局半日くらいやっていた。交代でやったけどね。混ぜる頻度は数十分に一度。一時間に二回から三回だ。少ないだろうか。大丈夫だと思うんだけど……。
掻き混ぜ方はそれぞれ個性があった。
ベステルタは正統派ストロングスタイル。
プテュエラは魔法使ったりしたけど、結局ホバリングしながら器用に脚でエンマ棒を掴んで混ぜた。
シュレアは完全に魔法任せ。樹木たちにやらせていた。樹木たちがエンマ棒を握る姿は熟練そのもの。頑固親父を幻視した。
皆で話しながらやればあっという間だったし、楽しかった。どんどん僕が嗅いだことある匂いになっていくのも嬉しかった。
途中で背脂を入れるのを忘れていたので慌てて投入。ベステルタは恍惚、プテュエラは不思議そう、シュレアはうげーって感じ。
ダンプボアの背脂は雪みたいに真っ白で、変な臭いもしない高級品だった。旨い背脂は単体でイケるくらい旨いからね。
野菜だけど、今回は入れなかった。
初回だし骨百パーセントで作ってみたかった。後で何を足せばいいか、味を振り返りやすそうだし。
背脂をエンマ棒で切り崩しつつ、ルーティンを繰り返すこと数時間。
「で、できた」
やっとできたよ。渾身のスープ。
見た目最悪だけどな。茶褐色のごぽごぽ泡立つ激臭の液体だし。
「わたしこれたぶん好きだわ」
「美味しそうに見えるような見えないような」
「嗅ぎ続けていたせいで慣れました」
三人も最初に比べていくらか慣れたようだ。
とりあえずスープは完成したから次は麺だな。
麺は一応デイライトで買っておいたのよね。作ろうとも考えたけど、今回は流石にパス。疲れた。
「うーん、細いな」
「そう? わたしは見たことないから分からないのだけど」
初見ならそうだろうね。ただ、改めてこう見ると違和感あるな。買ったときはあまり感じなかったんだけど。
率直に言えば柔らかい素麺みたいな感じ。コシや固さは期待できそうにない。残念。今回はスープを楽しもう。
「じゃあ茹でまーす」
沸騰したお湯に麺を投入。
うわっ、すぐに白くなった。かなり粉っぽそうだな。大丈夫だろうか。
途中、固さを見ながら体感五分程で引き上げる。
あっ、湯切り……。湯切るやつなんていうんだっけ。テボ? がない。
「プテュエラ、この麺のお湯切れる?」
「余裕だ」
ブオオオオオォォォォ!
麺が空を舞い、水が飛び散る。これじゃない感が凄まじい。せめてザルを用意しておけば良かった。
温めた丼を四つ並べる。
チャーシューのタレを入れる。
そこへ何とか濾しながらドロドロのスープを投入。
次に麺。
最後に切った厚めのチャーシューと付け合せの玉ねぎを添えて。
「完成でえす!」
できた。
試行錯誤しつつ、渾身の一杯が。
名付けて『フォレスト絶死ラーメン(試製)』
ノリで決めた。
箸もちゃんと買ってある。
みんなに用意していざ実食。
「「「「いただきます」」」」
まずはスープを一口。
ふー、ふーっ。
ずっ、ずずずっ。
「くっせえ……」
無茶苦茶臭い。とにかく獣。ケモノ味。
強力な魚醤の香りが太刀打ちできないほど臭い。
ずずずっ。
「ん、でも、くさ……うま?」
ただ、僕はかなり豚骨スキーで、臭いの好きなので割と慣れてきた。あ、良いかもしれない。食べられないことはない。
うーん、これ雑味も旨味も一緒くたなんだろうな。
どうしたらいいんだろう。
もっと臭さを抑えて旨味を出すには。
器の底をさらうと骨のカスや肉片が、どろりと砂みたいに堆積していた。
あー、スープが底の方でダマになっているね。ちゃんと掻き混ぜられていなかったのか。けっこう混ぜたつもりだったけど。
うーむ、火の通りにムラが出て、味にばらつきが出たってことかな。
それにスープを濾し切れていないのが雑味を増幅させている気がする。
ということは混ぜる回数をもっと増やして、底から混ぜられるようにエンマ棒も改良する必要があるか。
あとやっぱり野菜入れよう。骨単体だと味が強すぎる。それがよく分かった。
改良余地はたくさんあるな。
難しい。でも面白い。
「麺いってみよう」
スープで溺死している麺をリフトする。
うわっ、持ち上げがすごい。スープが麺にめちゃくちゃ絡んでくる。本来なら嬉しいんだけど、あの臭味知っているとちょっとげんなりする。
でも食べてみないことには始まらぬ。
実食。
ズバババッ!
ズボバッ!
「ブフォッ」
麺不味っ!
なんだこれ、粉っぽすぎる。そしてふにゃふにゃして柔らかい。コシのコの字も無い。これなら素麺の方がマシだ。くそー。
亜人たちはどんな反応しているだろうか。
「これは……冒険の味!」
「うーん、旨くないけど旨さがある。よく分からん」
「臭すぎます。あと麺が不味いです」
マイナス寄りの評価だった。
まあそうなるな……。
ベステルタは平気そうで、プテュエラは混乱、シュレアはほぼ拒絶。最初だしこんなものか。
おっ、チャーシューはかなり旨いな!
元々の素材が良いからってのもあるけど、チャーシュー風の味付けがハマってる。お酒飲みたくなるやつ。
スープの魚醤はほぼ消えているけど、こっちは効いてるな。うめえー。
醤油が見つかるまではこれでいこう。ていうか醤油なんて見つかるのだろうか。あれもだいぶ狂った調味料だからな。それまでは試行錯誤の日々が続きそうだ。
「はー、これってかなり胃に溜まるわね」
「私は一杯で大丈夫だ。けぷぅ」
「次も同じの出てきたら食べませんよ」
何だかんだで全員食べてくれた。無理させてすまぬ。次はもっとうまくやるよ。
・以下、採点(100点満点中)
40点(ベ)
「味は置いといて、冒険的で良かったわ。とっても新しいものを感じる。骨を煮込むなんてとても冒険的な発想。ポテンシャルに期待せずにはいられないわね。チャーシュー? っていう肉も合っているように感じたわ。わたしは平気だけどもう少し脂身の無い部位、モモ肉か肩肉がいいかもしれないわね」
35点(プ)
「まあ臭かった。久しぶりに食べ物の匂いで顔をしかめたよ。雨上がりの魔獣の住処はあんな感じだ。あまり食べたいとは思わない。が、微かに旨味を感じた。おそらく雑味が酷すぎるんだ。可能性は感じる。次回があるなら活かしてほしい。あ、っと。肉はかなり旨かったぞ。また作ってくれ」
5点(シュ)
「嫌な料理でした。最嫌です。ダークエイプの毛溜まりに顔を突っ込んだほうがもう少し良い匂いがします。二度と食べたくありません。ケイの料理だから食べますが、改善を要求します。玉ねぎが孤立無援でした。可哀想です。もっと調和を考えて下さい」
レビューは肯定もあったが、概ね低評価が前提。特にシュレアの評価が最低に近い。0点と捉えてもいいだろう。申し訳ない。次回に必ず活かそう。
全員にお詫びとしてお酒を出したらとっても喜んでくれた。
それても臭いが取れない気がしたので温泉に直行。身体をくまなく隅々まで万遍なく念入りにぽよんよんと洗う洗われる。
「別の匂いで上書きすればいいのよ」
とベステルタの天才的発想により繁った。これはニオイを取るために必要なんだ。必要繁りなんだよ。
ぽよよん、ばいんばいん、たわたわが水を弾く。しっとり手のひらに吸い付く。吸い付かれる。温泉最高。
口の中も嫌な感じだったのでお互いにアルコール消毒した。アルコールは貴重だからね。口移しで口内ケア。温泉最高。
拠点に戻ってベッドに全員で一斉に身体を投げ出す。
ばよーん、ぼよよん。やあゆよん。
楽しい。寝間着でも揃えたほうがいいかな。その方がもっと楽しそうだ。
ゆっくり他愛もない事を話して、触ったり触られたりしながらゆっくり入眠した。シュレアが寝る前に「すぱすぱぷふぁー」と煙草を吸っていたのがなんか面白かった。
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